なんの映画ですか✧♡
マッドマックスが放映されていたので、改めて4本観た。
この映画を好きか?と聞かれれば、「いや、別に」と答える。
しかし、青春時代に観た、全く「なんだこれは?」映画として心に刻まれているのが不思議である。その謎を解いてみたくなった。
この映画を観た昔、友人にB級映画好きの人間がいて、B級映画の良さを語ってくれた( ´艸`)。内容は思い出せないが、アカデミー賞を取るような内容も凄い映画のほかにも、愛すべき2流映画があることをなんとなく知る。
そんな彼女が好きなのが、どこか無骨な逞しいB級アクション俳優達。
その中にマッドマックスの主役を演じたメル・ギブソンがいた。
私が好きなのはどちらかというと細長イギリス紳士の、ピーター・オトゥールとかダニエル・デイ・ルイスとかデビット・ボウイなので、そういう荒くれ者的な筋肉隆々男子には、全く興味が無かったと言っていい。
テレビだったか映画だったかでマッドマックスはなんとなくすべて観ている。その度に「ん( ^ω^)・・・?」と思ったのだが、まあ、彼女がスキだからということで、一目置き続けた。
「マッドマックス4/怒りのデスロード」
そして、2015年、なんと30年ぶりぐらいに「マッドマックス/怒りのデスロード」という映画が創られた。
私はなんとなく血沸き、肉踊って、そのB級映画好きの友達に、その映画のチラシを入れた意味不明な手紙を(文章も書いたか記憶なし)送り付けた。たぶん、友達は爆笑してくれると信じて。
案の定、手紙を開いた途端に彼女は爆笑して、自分の子供に説明するのにとても困ったようだった( ´艸`)(←後日談)
そして、私と黒帯は、映画館で「マッドマックス/怒りのデスロード」を観たのだが、久々に観ても、ツッコミどころ満載で、面白い映画だなと思った。最も新作の「フェリオサ」を観ていないから、何とも言えないが、この「マッドマックス/怒りのデスロード」は、4~5回観ている。
これは、名作、傑作映画だと思う。
その前身の3本を何十年ぶりに観た。
原点「マッドマックス」
1本目。警察官であるメル・ギブスンが、日々、ならず者を道路で取り締まっているが、警察も機能しているのか機能していないのか、廃墟のようなビルで、警官も悪人も様子が似ている。せっかく逮捕したならず者が簡単に釈放されたり、最終的に、恨みを買ったマックスは家族を殺され、警官を止めてしまう。
辞めた後の悪にキレた彼がマッドマックスなのだ。
待ってました!
マッドマックス誕生のシナリオ。
映画の始まりから、すでに核戦争が起きたのか世界は荒廃していて、町にはバイクに乗ったならず者がやってくるところから、事件が起きていく。
そのシチュエーションは西部劇の町にならず者がやってきた!というのにとても似ているのだが、その人々の革ジャンの装着に、暴走族という不良や、薬中で制御できない暴力的な支配が感じられ、現代の不安を掻き立てる仕様になっている。つまり、彼らには理屈も仁義も通用しない。
女をみれば服を脱がして犯し、男は惨殺してガソリンを奪う。
本当に悪魔的で、すれ違いたくもない、関わりたくない人々だ。
マッドマックス2
冒頭にマッドマックスの映画がスコシ写る。
世界の終末観。
マックスが警官として働いていた頃、エトセトラ。
そこに、マックスという今は警官でもなんでもなく荒野を放浪する男が、車を転がされ、ガソリンを奪われるというプロローグ。
敵は相変わらずキモチワルイ。
マックスが救われたのは、車のガソリンを、重油を掘り出しているコミュニティ。そこの人々はまともな人々なのだが、日々、ならず者に襲われ続け、場所を明け渡せと言われ、争いに疲弊しきっている。
そんなコミュニティにたまたま助けられたマックスは、初めはそのまま立ち去ろうとしていたが、その度に暴漢に襲われ、彼らに助けられた。
彼らのこの場所からの脱出に協力することになる。
マックスは、度胸があり修羅場もくぐっていて、車の運転も銃の扱いも、すごいから、みんなの役に立ってしまうのだ。
でも、最初も最後も結局、1人砂漠からやって来て、砂漠に去るのであった。
この映画は、何を描きたい、なんのはなしなんだろう?
マッドになったマックスに、みんな溜飲を下げてる?
容赦なくマッドな奴らを次々倒していく、いちばんまともなマックスが、ほんとうはいちばんマッドマックスなのが気持ちいいのだろうか?
マッドマックス3/サンダードーム
このマッドマックス3が、一番、記憶に残ってなかった。
しかし、いちばん、なんのはなしですか?要素が強いかもしれない。
同じく、終末観ただよう砂漠の世界だ。
ブタを飼ってメタンガスを発生させ、町に電力を供給して人々に娯楽や商売の場を提供するバーター・タウンという町が舞台だ。
この町に着く前に車を盗まれたマックスは、犯人を追って、この町に潜り込む。すぐに支配者である女に会い、度胸を買われ、女の言う増長しすぎた身内の殺人を引き受ける。
そして鉄の大きな鳥かごのようなサンダードームの中で、ローマの競技場での奴隷たちの戦いのような(見世物)をするはめになるのである。
今までのマッドマックスの、ただ襲ってくるキモチワルイ暴漢というものが、なんだかスコシ意味深になっている。
悪者は町を支配する者でもあり、皆に場を提供するものになっている。
そして、マックスは、そこに現れた破壊者、または救世主という図式である。
戦いでいろいろしでかしたマックスは、結局、勝ったのだが、ルーレットによって、砂漠に追放になる。
そこで、また新たな人々に出会い、助けられる。
水のある場所で暮らす、平和的で原始的な人々。マックスを伝説の救世主と思い、町に連れて行ってくれと皆はマックスに憧れ、頼みこむ。
しかし、バーター・タウンというよくわからぬ俗悪な町から来たマックスにしてみれば、この水の潤沢にある場所にとどまり、暮らすのが良いと皆に言う。しかし、神話を夢見たものは言うことを聞かない。
ある日、その水の里の人々の数人が脱走。マックスは、彼らを守るため後を追う。
だんだん、この話はなんなのか?という感じになってくる。
黒帯は、
「これはさ、出エジプト記なんじゃないかな?」とか言い出す。
「マックスは自分では自覚は無いケド救世主。メル・ギブソンって、そのあとも自分で監督した「パッション」とかさ、すごいキリスト映画作ったりしてるじゃない?マッドマックスは救世主ってことなんじゃないかな?」
黒帯がかなり怪しいことを言っているが、どんどん、マッドマックスの物語の着地点は怪しい方向に行く。ほんとうに、これほどの
の映画は観たことないかもしれないな・・・。
終わりは、伝説を語り継ぐ語り部がそこにいるみんなに話を語る場面で終わった。
それからの怒りのデスロード再び
久々に観て、この映画は、今まで見てきた4本の映画の中で、稀に見る傑作映画だと確信を持った。
ストーリー展開のおもしろさ、画面転換の面白さ、ストーリーの破綻の無い事、役者陣の優秀さ、脚本の良さ、画面の美しさ、設定の面白さ、全てにおいて、群を抜いていると言っていい。
最新作の「フェリオサ」観てないけど、きっと面白いんだろう。
いつも車屋さんに点検に行っては、営業でナンバー1だというSさんと、映画話をする。
「なんかこのままうっかりプーチンが核のボタンを押しそうな世界ですよね!映画より現実が、凄いです!」
「そうですよ!
核のボタン押されたら、すぐ、マッドマックスの世界が待ってますからね!あの水やガソリンを奪い合う、恐ろしい世界ですよ」
うわあああ!
いやだ!
マッドマックスの世界に住みたくない。
そうなのだ。
この世間話、何気に怖い。
マッドマックスの世界にボタン一個で突入する、
そんな世界に今、我々は住んでいるのかもしれないのだ。