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リアルを味わう、たとえ何者にならなくても。

先日、ヴァイオリンとチェロのミニコンサートに行きました。

映像作家の保山耕一さんの撮影された映像を会場の4面に上映しながら約30分ほどの小さなコンサートです。

保山さんは元々「情熱大陸」や、「THE 世界遺産」なども担当されて世界中日本中を飛び回りバッリバリの映像クリエイターとして働かれていました。

そんな中、ご自身が癌を発症されたことを機に、地元奈良に戻り現在はフリーランスで上映会や講演会などをされています。
撮影された景色はどれもとても美しく心が洗われるようです。

保山さんは病気になったことで今までの生活をかえりみて、気づいたことを時折お話しされています。

病気になって、
「自分には友達が一人もいない」
「自分の周りから多くの人が去っていった」
そんなことを話されていたこともある様です。

いろんな気持ちを経験された方の言葉には重みがあり、何かしらの使命感を感じながら一日一日をしっかり見つめながら生きておられる姿からは伝わってくる何かがあります。

その日も配信動画など今は家にいて楽しむ方法はいくらでもありますが、生の楽器の音というのは本当に素晴らしい。
心と体に何かしらのエネルギーが伝わってくるはずなので音を心と体で味わってほしいという思いを伝えておられました。

実際久しぶりの生の楽器の音は数分の短い演奏ながら、耳からきいているというだけでなく体全体が音を受けて共鳴するような感覚になりました。

そして保山さんの本音を飾ることなく語られる姿から、物事への熱意や興味の先には必ず光が照らされるのではないかと感じました。

https://hozankoichi.wixsite.com/profile

私自身はそういったものをいつも受け取ってばかり、自分には何もないという劣等感を感じることもありました。

なぜだろう、ちょっとしたことでもいいので、心惹かれることをたくさん体験していくことをやり続けてみようとそんな気持ちが湧いてきました。

上手く人に伝えたり、作品を生み出したり、表現ができなくてもいいんじゃないだろうか、受け取り続けてもいいんじゃないか。

何者にもならなくても、リアルを味わってじぶんの心が潤えば「わたし」は喜ぶはずだし、その喜びパワーからはきっと良いものがドバドバ出ている。

あーよかったなー、楽しかったなーって気持ちを大切に感謝していればいいんじゃない?

感じて味わうことへの思いを巡らす休日の夕暮れでございました。


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