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観光記(第三章)

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2022年3月の記事一覧

よろこびをひらいてゆくこと

よろこびをひらいてゆくこと

わたしのよろこびをひらいてゆくこと
祝うことが祝われることでもあること
あなたがうれしいとわたしもうれしい
巡りゆくものの中でどこまでも惚けながら
この星にてよろこびをひらいてゆくこと

何か大事なことに立ち会っているのだと、わかりはじめてきたこの感覚を心に延ばしてゆくよう散歩した。
あなたを見つけた。
知らなかったわたしが見つかって、この世はすこし違う横顔を見せ始めた。それは時に今まで見てきたも

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3月の上澄み(甘じょっぱい)

3月の上澄み(甘じょっぱい)

人生がひとつの本だとして、自分のそれが何のジャンルに分類されるかがうっすらわかってきたような気がしながら歩いていたら、いつのまにか春のあかるみに辿り着いていた。
わかりたいのに読めない。明かしたいのに書けない。ここに来て一層この世が観光地然として瞬いてみせる。ようやく住み慣れてきた地でもう一度、言葉を失うということ。割り切れなさからはじまるものでしか越えられないものがあると信じている。

空を振り

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うれしいって言っていい

うれしいって言っていい

今日はじめて、職場で「戦争」という言葉を聞いた。
絞られた声に言葉にならないものまでも聞いてしまったような気がして、エプロンをつけた自分のまま僅かに狼狽えた。
同じ不安をマスク越しに吸い込んでいる。その瞳でその指で同じかなしみにふれている。
本を読む、花に見惚れる、手紙を書く、歩いて出かける、人とぶつかり謝りあう、手紙を受け取る、あたたかいふとんの中で泣く、すきなひとに会いにゆく、かなしみをすこし

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