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冬至の太陽・旅の友人(DAY4)

フェアバンクス二日目、12月21日。

朝起きて一階のリビングに降りていくと、昨日の夜挨拶した三人組がいた。
インド人のサイ&プラニースと中国人のジェリー、彼らはこれからドライブに行くと言っていて、よかったら一緒にどうかと誘ってくれた。
車のレンタル予定はまだ先なので、ありがたく連れて行ってもらうことにする。

まず初めに向かったのはアラスカ大学フェアバンクス校(University of Alaska Fairbanks)の敷地内にあるトレイルコース。
この日は冬至だったので、太陽はわずか3時間41分だけ現れて地平線上に滞在し昇ることなく沈んでいった。日の出とも日の入りとも言えるような光景で、光はどことなく柔らかく、車の中では終始喋りっぱなしだった三人も各々静かに見つめていた。

太陽が昇らないので毎日早起きしている感覚に陥るが、もう11時過ぎである。
時間や日付の感覚が徐々にわからなくなってくる。
スキーやスノーシュー用のトレイルもあり

その後ちょっとしたトレイルをして場所を移動することになった。3人はランチに行くというのだが、私はどうしてもジャコウウシ(muskox)を見たくて「置き去りでいいから Large Animal Research Station (LARS) に連れて行ってくれ」と頼んだ。
LARSはジャコウウシやトナカイの研究をしているアラスカ大学の研究施設で、一般向けにツアーもしている。ただ、冬は観光客が少なくツアーはなし、ジャコウウシはいたものの屋根の下に全員かたまっていて残念ながら即撤収となった。

金網に張り付いて目を凝らしたが、毛皮が動くのみ

名残惜しいが、ランチの店へ向かう。
このレストランはテレビ(今では知っているが、ゴードン・ラムゼイというシェフの番組)でも紹介された場所らしく、3人が事前にリサーチしていただけあり美味しかった。

レストラン「The Cookie Jar」
どこへ行ってもクリスマスの雰囲気
アラスカに関係ないアボカドディップだがおいしい。

お腹一杯になって宿へ帰り、一休みしたところで隣ベッドのウォーレンが帰ってくる。彼と三人組は今夜チェナ温泉(Chena Hot Springs)に行く計画を立てたそうで、せっかくだからとまた誘ってくれる。
チェナについては事前に調べていて、車がないとたどり着けない・(日本人の感覚からして)入浴料が高い・水着を持っていくかレンタル(高い)しないといけない・メジャーなスポットで人が多い、という理由から候補にいれなかった場所だった。
うーん私はいいかな~と一度は断ったが、地元のウォーレンがあそこはいい温泉だしオーロラが見られるかもというのでやっぱり付いていくことにした。

車で1時間半のほぼ一本道を走ってそこへ到着すると、やはりかなり賑わっている。敷地内にはロッジもあって、この場所をメインに滞在する観光客も多そうだった。休憩所のような建物に行くとオーロラツアーの時間待ちをしている人がたくさんいて、スナックや飲み物も少し売られていたと思う。
そしていざ温泉に!と受付まで進んだが、やはり入浴+水着レンタルが高い。節約旅というのもあるが、お金を掛けたい場所が他にあったので、みんなゆっくりしてきてねと言って私だけ待つことにした。
みんなには気を遣わせて悪かったなと思いつつ休憩所で待っていたが、結果的に2時間以上入っていたんじゃないか?日本の温泉とは違ったのだろうか。次回は入ってみたいと思う。

冬でもコーラ ウォーレン(左)とジェリー(右)

再び合流して夜食タイム。もう忘れてしまったが、これからの予定やお互いのことをいろいろ話して帰路に就いた。

アラスカに来て初めて見たオーロラ

帰りに遠くの方にオーロラを見つけたので車を停めてしばらく観察したが、これ以上濃くなることはなかった。本当にかすかな光だったのだが、オーロラってこんな風に見えるんだ、と思いがけず知ってわくわくした。

私が冬休みの旅にアラスカを選んだのは、冬を満喫したかったから。住んでいるテキサス東部で積雪はなく、「テキサスクレイジーウェザー」と呼ばれる一週間で四季を体験できるようなおもしろいけれど少しばかり趣に欠ける気候帯だった。
広いアラスカでどの町を訪れるか徹底的に調べたが、冬は雪と氷で交通手段が限られていることを考慮すると目的地はフェアバンクスに決定。フェアバンクスは内陸に位置しアンカレッジに次ぐ第二の大きな町で、周辺の町へも車で行けるアクセスの良い場所である。
アラスカ南東部、沿岸にも魅力的な町がたくさんあるのだが、冬季は道路が封鎖され小型飛行機(「紅の豚」が乗っている海に浮かべられる飛行機もある!)かボートでの移動がメインとなるため費用が嵩んでしまう。

今回の旅でオーロラが見られるかもと気づいたのは町について調べている時で、もしかして遭遇できたらラッキーくらいに考えていた。しかし一度見たら虜になってしまうのがオーロラの力のようである。
そして次の日から早速オーロラハントへ。

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