そこに「人」がいるということ〜福島第一原発を視察して
「1号機は、まるで我が子のようでした」。
意外な言葉だった。
「我が子」って、一体、どういうこと?
12年前、未曾有の原子力災害を引き起こした、東京電力・福島第一原子力発電所。
事故を起こし、大勢の人のくらしやなりわいを一変させてしまった原発に、福島県出身の私は、ずっと、どう向き合えばよいのか悩み続けてきた。
ましてや、原発は、機械。金属の塊だ。それなのに、その人は慈愛に満ちたようすで「我が子のようだった」と言うのだ。
当初、その真意がわからず困惑した。その言葉に込め