Museum04/ルイス・コンフォート・ティファニーを追いかけて/ニューヨーク(アメリカ)
※こちらの記事は2017年に本美術館に来訪した際に書いた内容を加筆・修正したものです。ご訪問の際は最新の情報をご確認ください。
こんにちは、綾野です。
ジュエリーが展示されている世界の美術館/博物館をご紹介する“World Jewelry Quest”、第四回はニューヨークでティファニー・ランプやステンドグラスが見られる美術館や教会をまとめてご紹介します。
何を隠そうハマると全部見たくなる蠍座O型追っかけ気質の私。ニューヨーク留学時はアメリカン・アール・ヌーヴォーの第一人者ルイス・コンフォート・ティファニー(以下ルイス・C・T)に沼り、彼のガラス作品が展示されている場所を訪ね歩いていました。ティファニー・ランプが有名ですが、ファンタジー味溢れるステンドグラスも最高なのであります。先述のメトロポリタン美術館も当然お勧めなのですが、加えて3箇所をご紹介します。
ニューヨーク歴史協会(New York Historical Society)
ニューヨーク発展の歴史に焦点を当てたこちらの博物館では、100本のティファニー・ランプのコレクションを見ることができます。ランプを美しく見せるよう考え抜かれた展示室に一歩足を踏み入れると、ルイス・C・Tが追い求めた色彩の世界に紛れ込むことができます。
とんぼやハナミズキなどの定番人気のデザインのほか、水仙と蜘蛛の巣といったなかなか見られないレアデザインも。
私の推しは流れるように美しい藤でしょうか、寝たきり老婆になったら私のベット脇にこれを置いて欲しいです。
ランプの他にもステンドグラスや他の工房で作られた模造品(!)、木型など制作のための道具、彼のために匿名で働いていたティファニー・ガールズについてなどさまざまな角度からティファニー作品について知ることができます。
楽しかったのは自分でティファニー・ランプをデザインできるこの装置。手前の四角のパネルで色をきめて右の展開図をタッチすると左上の模型に色がつくのです!楽しすぎるやん、パパ〜このおもちゃ買って〜
ミュージアムショップのティファニー模様グッズもファンの心押さえにきたな!!!という最強ラインナップですのでぜひお立ち寄りください。
クイーンズ美術館(Queens Museum)
ニューヨークのクイーンズにありコンテンポラリーアートをメインに扱うこぢんまりとした美術館ですが、こちらにオーストリアからの移民夫妻が50年かけて集めたティファニー・ガラス・コレクションの常設展示があります。
東京1K一人暮らしほどのスペースに所狭しと並べられた色鮮やかなランプたち。私のおすすめはこちらの枝垂れ三姉妹。左からぶどう、藤、りんごです。今にも踊り出しそうな優美さ。
こちらの睡蓮姉妹やトンボ、孔雀も素晴らしい。
これらの美しいランプたちがどうやって作られているのか気になりませんか?色ガラスをひとパーツひとパーツを手作業でカットし繋ぎ合わせているのです。ご興味ある方はYouTubeで“Tiffany lamp How to make”あたりで検索すると工程がわかる動画が見つかりますので是非。
オタクに嬉しいルイス.C.T年表がありました。もともとは画家志望で絵でも評価されていたそうで、彼の手書きデザイン画はそれだけで売って欲しいほど美しいです(これ渡された職人は頭抱えただろうなとは思いますが笑)。でも私が彼を好きなところは、ただデザインやディレクションするだけでなく自分も工房にこもってガラス表現の研究をするなど職人気質が垣間見えるところです。ティファニー・グラスの特徴はなんといってもその色彩でしょう。ルイス・C・Tはルネサンス期のガラスに魅せられ色の出し方を研究し特許を取得したりもしています。年表ついでに病気の奥様をほっぽって制作に勤しむなどいい感じに美狂いな彼の人生を知ることができる日本語の一冊を見つけました、次回日本に帰ったら買って帰ります。
教会
ティファニー製ステンドグラスは美術館に収蔵されているだけではなく、現在も実際に使われている建築物に設置されていることも多々あります。中でも教会は時間を選べば自由に出入りし鑑賞することが可能です。
ニューヨーク内で見応えがありそうなのはSt. Michael’s Episcopal Churchなのですが、私が訪れた際は聖歌隊の練習中で、とても非信者が館内を徘徊できる雰囲気ではなく退散いたしました。帰国直前だったため再訪は叶わず…(涙)絶対みたい!という方は時間に余裕を持ってご訪問されることをお勧めいたします。
私が実際に鑑賞することができたのは、ニューヨーク歴史協会からほど近いWest End Collegiate Churchです。開放日で入館自体は問題なかったのですがここでまた別の問題が…教会ですと美術館のように作品説明が書いているわけではないので、これがティファニーのステンドグラスなのかどうか、いまだにはっきりしておりません(オイ!)。
このブログを書くのに教会の公式HPや“How do you identify Tiffany stained glass?”あたりを検索して見たのですが解は得られず。この絶妙なグラデ、絶対そうだろ!とオタクの感を信じるしかありません…(笑)。お詳しい方いらっしゃいましたらぜひご教授くださいませ!
最後に
ルイス・C・Tがキャリアの集大成として5年の月日をかけてロングアイランドに建造した邸宅『月桂樹の館(ローレルトン・ホール)』は1957年に焼失してしまったそうです。外観から内装全てにわたって彼のディレクションが行き届いた美の館…行きたすぎた…。生き残ったインテリアがフロリダ州にあるチャールス・ホースマー・モース美術館に収蔵されているそうで、ここにあるステンドグラスがやばそう(語彙)です。私のブログはもういいのでこのリンクに飛んでください!!目が10歳若返ります。嗚呼、行きたすぎる…追っかけに暇なし也。
参考
ニューヨーク歴史協会
ティファニー・ランプ・ギャラリー
https://www.nyhistory.org/exhibitions/gallery-tiffany-lamps
クイーンズ美術館
ティファニーグラス・ノイシュタット・コレクション
http://queensmuseum.org/exhibition/the-neustadt-collection-of-tiffany-glass/
チャールス・ホースマー・モース美術館
The Charles Hosmer Morse Museum of American Art
https://morsemuseum.org/
ティファニー・ステンドグラスデザイナーFrederick Wilson
https://www.croma.org/tiffany-windows/