乳がん?かも日記(仮)#3 医師るり子
「先生から直接説明があります」との電話を受け、数日前にマンモ検査した病院へ向かう。
電話がかかってきたってことは結構な割合でクロかなぁ…?
待合室で順番を待ちながら、去年癌で亡くなったパートナーのことを思い出す。こんな立て続けに、夫婦で癌…?今度は私の番って?いやいやそれはち
ょっと、あんまりだよねぇ…。娘に何て言えばいいんだよぅ。
はぁぁ〜〜〜、と大きくため息をついたあたりで順番を呼ばれる。
乳腺外科の先生は女の先生でした。
女の先生っていうだけで、何でしょうこの不思議な安心感…。
検診の時に「男性の医師が担当しても構いませんか?」と質問されても食い気味に「全然構いません」と即答していたので、そういう抵抗感なんて自分にはないと思っていたのですが。
でもこういう「不安」がプラスされた場面では、やっぱり同性という安心感はかなり大きいなぁ…。
そんな安心の乳腺医師・るり子(仮名/推定35歳)は、私のマンモの怪しい部分を丁寧に説明してくれて、がんの可能性もあるけどそうじゃない可能性もあること等々、画像を見ながら分かりやすく教えてくれました。
しかも、かなり長い時間をかけて、しっかりとした説明。
ここで私、ちょっと感動しておりました。
あまりにもパートナーの時の主治医と違い過ぎて。
パートナーの主治医はめちゃくちゃ忙しい先生で、診察まで2〜3時間待ちもザラ、診察は平均2分、質問をリストアップして準備しておかないと聞きたいことが全然聞けず、こちらがパニックでアワアワしてると「もういいですか?」という毎度の決まり文句が出て終了、何かあればまた次回……っていう診察だったので(…って書いてて今更ながら酷いなコレ)
なので、ゆっくり話を聞いてもらえることに驚きと感動がありました。
いやーギャップ萌え?じゃないけど、こんなに違うとすーぐ好きになっちゃいますよね。もー、るり子大好き。生検もるり子が採ってくれるんだそう。あーよかった。私はるり子についていくよ。
善は急げで生検は翌日に予約しました。
癌かもしれない、という立場に自分がなって。
今現在、思った以上にすごく冷静な自分がいるなぁと感じてます。
それはやっぱり、去年亡くなったパートナーの影響。
おかげ、というべきかな。
癌は全然特別な病気じゃないことを理解しているし。
癌発覚からの治療の進み方も、身体や心の変化もずっと間近で見てきたし。
人は誰でもみんないつか死ぬし。
癌が未知の世界の恐怖じゃなくて、知ってる世界の恐怖だから
怯えることもなく、泣くこともなく、落ち込むこともなく、
癌だったらこうしよう、癌じゃなかったらこうしよう、って
冷静に今後の予定を立てたりすることができています。
悲観する気持ちはほぼなくて、検診で見つかって心底良かったし
命拾いしたーー(たぶんね!)っていう気持ちの方が、今は大きいです。
帰宅して、パートナーの遺影に手を合わせてお礼を伝えました。
あなたのおかげで検診にも行けたし
まだ結果も出てない段階なのに一人で闘病する覚悟もできたよ。
一人で闘病するなんて嫌っちゃ嫌だけどね。
そばにいて欲しかったけどね。
でもまぁ、見守っててね。
なんとかがんばるよ。