暗い海の底から青空に連れていってくれる歌
この曲をご存知の方は、タイトルでお気づきかもしれません。
私には、だいたい月に1度くらいのペースでやってくるネガティブ期があります。
最近では、「そろそろ来そうだな」というのも分かるようになってきました。
月のものの影響があるときもあれば、まったく関係ない時もあります。
その時期は、なぜか暗いほうにしか考えがいきません。
たとえるならば、暗い海に沈んでいくような感覚。
ただ身をまかせて、底に向かって落ちていくだけです。
でも、沈んでいるだけ、というのもよくありません。
暗い海の底に向かいながら助けを求めるのは、音楽という名の浮き輪です。
浮き輪の力を借りて、何とか沈みすぎないようにしています。
とはいえ、そんな状態のときに、明るい音楽で急上昇しようとすると、逆に浮き輪から手を離してしまいます。
大事なのは、少しでも流れに沿ったまま上昇してくれる曲を選ぶこと。
そんなときにピッタリな1曲をご紹介します。
はるまついぶき/Bank Band
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、Bank BandはMr.Childrenの桜井和寿さんとプロデューサーの小林武史さんで結成されたユニットです。
暗めの曲調ですが、寒い冬にあたたかい春の訪れを待っているような、そんな希望が感じられます。
今の季節にもピッタリです。
そして、ネガティブ期の心にもそっと寄り添ってくれます。
メロディも美しいのですが、歌詞も素晴らしいです。
何よりも好きなのは2番のこの歌詞。
時の流れが「生きてる意味」に目隠しするわけは
プラネタリウムとおんなじ
暗闇がくれる光を知るため
歌の中に大切な宝物のような言葉が隠されていて、それを見つけたような気分でした。
さらに、ステキな詞は続きます。
心に形なんかない
逆を言えば自由自在に姿を変えていけんだ
暗い海の底に沈んだ日でも 青空を飛んでいる
この部分を聴いていると、いつも頭に浮かびます。
暗い海の底にいたのに、一瞬で青い空に切り替わる映像が。
たとえどんな場所にいても、自分の心次第で、好きなように変えていけることをこの詞は教えてくれます。
そして、確かに心は自由自在に形を変えていけるんだと思い知らされます。
記事のタイトルにはこの詞の言葉をお借りしてみました。
この曲を聴いてすぐにネガティブな暗い海の底から抜け出せるほど強い心は持ち合わせていません。
でも、何度も聞いて、言葉とメロディを心に刻むことで、気持ちがだんだん上昇していってくれます。
そうやって音楽に助けられながら、ネガティブ期が終わりを告げるのです。
**
現実に戻りますが、これを書いている最中、一都三県への緊急事態宣言の発令が決定しました。
以前のような日常に戻ることができるのは、果たしていつになるのでしょうか。
ネガティブ期を支えてくれる歌として紹介したこの曲ですが、ふと、いつも通りの日常という春を待ち続けている今の世の中にも合っているなと感じました。
降り積もる雪に覆われた春待つ息吹のように
かすかでも光に向かう強さを抱きしめいつの日にか
向かい風だろうと翼にして
きっと僕らも羽ばたけるはず
暖かな春の空に
心次第で、この世界は変えていくことができます。
小さくても日々の暮らしで見つけた幸せを胸に抱きしめながら、いつか必ずやって来る春を信じて生きていきましょう。