『百人一首を自分なりにアレンジしてみた。』No.1 天智天皇


9月も終わろうとしているのに、まだまだ暑い日が続きます。
そんな中で、初回は秋のお話。

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秋の田の かりほの庵の苫をあらみ わが衣手は 露に濡れつつ

天智天皇(第一番)

(現代語訳)
秋の田の傍にある仮小屋の屋根を葺いた苫の目が粗いので、私の衣の袖は露に濡れてゆくばかりだ。

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静かだ。
実に静かだ。
夜に獣が出るだろうということで田の番を任されたのだが、そんな気配は全くない。
私の目の前には、昼は黄金色に輝き、夜は深い漆黒に染まる田が広がっている。
灯りは、この手に持つ松明の炎だけだ。
あまりの静けさに、私は瞑想した。
瞳を閉じて。
心の波を落ち着かせ。
何も思わず。
何も考えず。
そうしているうちに…
ポタン。
私は、袖に何かが当たる感覚を覚えた。
粗末な小屋の屋根から夜露が零れ落ち、私の衣の袖を濡らした。
そこで私は現実に戻り、田を見やる。
何もいないのを確認して、わたしは再び瞑想をはじめた。
深い闇に溶け込んでいく自分を想像し、その夜を過ごした。

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とても落ち着いた印象を受けたのでこのような感じになりました! この調子でどんどんいきましょう! 作品以外の文章に関しては能力皆無なので、あえてあまり何も言わずに、アレンジした散文詩を楽しんでいただけたらと思います。

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綾乃
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