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棚からぼたもち

新卒で入りたかった会社にまさかの異動。
棚からぼたもちにしてはあの3年半は濃過ぎたと思う。

10年以上前、これって何ですかという度嫌な顔され
分厚いマニュアル見てと言われ、
それも知らないの?っていう感じだった。
今でも続いているってことは悪しき因習なんだと思う。
そもそも効率悪いし、ある程度は教えてからじゃないと
初めての人は何がわからないかがわからない。

手探りで色々始める。
慣れた頃にはいろんな人が辞めまくり月間の労働時間が240時間に迫る繁忙期もあった。
それでも朝まで飲んでたりしたんだから元気だったし
というか楽しかった。
大変過ぎて結束力が高まっていた。
ただ楽しいのはメインで運営している側で、アルバイトの人達は辞めていく事が多かった。
それと比例してクレームも多かった。
このままではダメだということで、CS担当になる。
最初はサービスがいい学生アルバイトのスタッフがやっていたけど途中で参加した。

当時、参加したタイミングは異動して4ヶ月目。
周りを見渡して得意だなと思ったのが接客だった。
もしろしない人が多かった。なのでよく売り場で接客してたのもあって白羽の矢が立った。

まだまだ人も仕事も知らない事が多い。
とりあえず人を見ることから始めようと思い、学生時代に習ったサンドイッチFBを始める。
まず、良いところ、こうなったらいいなと思うこと、改善したら良くなるところ、を書いた。
毎日出勤しているスタッフへコメントを残す。
全員に話しかける。
多い時は20人くらい。半年続けた。
そしたら、そのコメントを楽しみにしてくれる人も増え
気づけば人はやめなくなっていた。
その他、色々ルールも決めた。
人前で怒らない、みんなが聞くインカムで否定的な事を言わないとか今考えると基本的な事。
わからないことは分厚いマニュアル本を調べてみて分からなければ聞くこと。
今よりかなりアナログな事が多かったけどよく覚えている。
CSの判断基準もハガキを配って感想をもらっていた。
返答率は10%くらいだった。それをどうやったらたくさん貰えるか全員で考えてデコレーションしてみたり一言メモしてみたり試行錯誤するのが楽しかった。

この時にチームで何かするって面白いし楽しいなと仕事の中で思った。学生時代に冬に4年間イベントやっていたけどその感覚だった。

そうしていくうちに、スタッフも色々意見をくれるようになったのでコミュニケーションが活発になった。
だんだんと雰囲気もよくなり半年経つ頃にはクレームがなくなりCSは改善され最下位だったのがエリアでずっとトップになった。
また大きなブロックエリアでもトップ5に入る事も多くなり他の店から見学にくる人もいた。

評価は貰ったのは嬉しかったけど、当時の給与19万円で手取りは14万円くらいだった。生活はカツカツだった。
当時は周りと比べて給与が低く、惨めな気持ちになることが多かった。
CSを頑張ったところで昇給はせず、店舗運営の在庫や人件費などなどができないとダメな事を知って燃え尽きてしまった。また頑張るのか。。
やる気が一気になくなり遅刻が増えた。その時に普段怒りもしないスタッフからめっちゃめっちゃ怒られて正気に戻った。
ただこのままで良いのか分からなくなって本を読みまくる。そこでプロジェクトXを絶頂期で退いた人の本を読み直感で退職を決意する。辞めるなら絶頂期が良い。
単純なので、辞めた。でも今ではあのタイミングで辞めて良かったと思うし間違ってなかった。
今では、当時やれなかった売り場についてはだいたいできるようになっているし、あの結果があったから復職するときもしやすかった。

人生ちゃんと回収するときはする。
無駄なものはとりあえず何もないなと思う。

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