警視庁第二機動捜査隊乃木坂分駐所season2 第七話
AM8:30~警視庁乃木坂警察署二機捜乃木坂分駐~
○○絢音:おはようございます
真夏:おはよ~
寺田若月:おはよう
若:じゃあ、引継ぎするよ〜。昨日は...ってことだから、気を付けて行ってらっしゃい
○○真夏絢音寺田:行ってきます
AM9:00~警視庁乃木坂警察署駐車場~
○○無線:機捜246から二機捜。乃木坂、赤坂、重点密行
秋無:機捜247、同件
二無:二機捜、了解
AM10:14~乃木坂1丁目~(機捜246視点)
PM1無線:警視庁から各局。第四方面。乃木坂PS管内。乃木坂3丁目路上で包丁のようなものを持っている男がいると110番入電中。付近の局は向かわれたい。110番整理番号423。担当菊池
○○無線:機捜246、乃木坂1丁目から現場
真夏無線:機捜247、乃木坂9丁目から同件
樋口無線:乃木坂1、乃木坂PSより現場へ
井上無線:乃木坂駅前PB、PBより同件
○○:行こうか
寺田:了解
ウーーーウーーーウーーーウーーーウーーーウーーーウーーーウーーーウーーーウーーーウーーーウーーー
AM10:20~乃木坂3丁目~
○○無線:機捜246、指令423。現着。これより着手。どうぞ
井上無線:乃木坂駅前PB、同件
PM1無線:警視庁了解
○○:マル被はどこかな?
井上:どこだろうね...
飛鳥:とりあえず、マル索するか...
○○:そうですね。僕たちは南側を、三人は北側をお願いします。見つけたらすぐに無線を
寺田井上飛鳥賀喜:了解
~南側~(機捜246視点)
○○:居ないな...
寺田:居ないね...
~北側~(交番視点)
井上:ちょっと奥見てくるからあっち側お願い
飛鳥賀喜:分かりました
(賀喜視点)
賀喜:居ませんね...
飛鳥:そうだね...
(飛鳥の方を向く賀喜)
賀喜:!?飛鳥さん!
飛鳥:どうし...
グサッ
飛鳥:ウッ...
(マル被に刺される飛鳥)
グサッ
賀喜:武器を捨てて!
カチャ(拳銃を構える賀喜)
犯人:うるさい...オリャ!
グサッ
バタッ(倒れる飛鳥)
賀喜:飛鳥さん!武器を捨てないと撃つ!
犯人:あはははは、撃てるなら撃てよ!
(犯人1は飛鳥の拳銃を取ろうとする)
バンッ(銃声)
(井上視点)
井上:何!?
(246視点)
寺田:何の音!?
○○:今のは...銃声だ!
(音の方に走り出す○○)
~発砲現場~
賀喜:はぁはぁはぁはぁ...
井上:賀喜ちゃん!?
賀喜:小百合さん...
○○:大丈夫..か...
寺田:どうなってるの?
○○:救急車!それと至急報で無線!
寺田:わ、わかった!
寺田無線:至急至急!機捜246から警視庁!指令423に関して、乃木坂駅前PBの齋藤巡査部長が刺され負傷!またマル被もPMの発砲により負傷!至急救急を要請するどうぞ!
(機捜247視点)
真夏:え!?
絢音:急ぎます!
ウーーーウーーーウーーー
(機捜246視点)
PM1無線:警視庁了解。救急隊を要請した。警視庁から機捜246。先ほどの無線の内容に関して、PMがマル被に向け発砲をした。その通りであるか?どうぞ
寺田無線:機捜246から警視庁。その通り。発砲者は乃木坂駅前PBの賀喜遥香巡査。以上機捜246
PM1無線:警視庁了解
○○:飛鳥さん!大丈夫ですか!?飛鳥さん!
井上:賀喜ちゃん。何があったの?
賀喜:・・・
真夏無線:機捜247、指令423。現着
樋口無線:乃木坂1、同件
真夏:どんなじょ...う..き...ょ...う...
絢音:・・・
○○:真夏さん!247で飛鳥さんを搬送してください!
真夏:え?
○○:マル被はもう亡くなってます...このままだと飛鳥さんまで...
真夏:わかった!PC回してくる!
○○:小百合さん!絢音!蘭世!生駒さん!手伝ってください!
井上生駒:了解!
寺田絢音:分かった!
○○:樋口さんは規制を!
樋口:分かった!
○○:じゃあ、持ち上げます!1.2.3!
真夏:搬送先は乃木坂大学病院ね!
○○:わかりました!急いでください!
ウーーーウーーーウーーー
ウーーーーーーーーーー
高山:どんな状況!?
絢音:それが...
○○:賀喜ちゃん...拳銃は預かるね...
賀喜:は、はい...
○○:高山さん。証拠品です...
高山:これって...
○○:そういう事です...
生田:すぐに監察官が来るだろうね...
○○:とりあえず生駒さん。賀喜ちゃんを乃木坂1の後部座席に...
生駒:分かった...
~五分後~
ウーーーーーーーーーー
若月:みんな大丈夫!?
○○:僕たちは大丈夫です...問題は賀喜ちゃんと飛鳥さんですね...
若月:そう...みんなわかってると思うけど、この後、監察官から聞き取りがあるから、全員本当のことを言いなさい
○○寺田絢音:分かりました...
真夏:分かった...
若月:じゃあ、PSに戻ろうか...
AM11:55~警視庁乃木坂警察署応接室~
監察官:これから聞き取り調査を始めます。この会話は録音されています。それを理解しましたか?
○○:はい。理解しました
監察官:それでは始めます。まず、発砲事件が発生した時、あなたはどこに居ましたか?
寺田:現場近くでマル索をしていました
監察官:そうですか。今日の賀喜巡査の様子は?
井上:いつも通りだったと思います
監察官:では、なぜ現着が遅れたんですか?
絢音:乃木坂5丁目の交差点で工事をやっていて渋滞していたためです
監察官:そうですか。では、あなたは賀喜巡査のことをどう思いますか?
生駒:地域住民とも仲良く接していていい警察官だと思います
監察官:そうですか...
~警視庁乃木坂警察署二機捜乃木坂分駐~
○○:監察の聞き取りを受けるのはやっぱり緊張しますね...
絢音:そうだね...
生駒:今、賀喜ちゃんが聞き取りを受けてるんだよね...
若月:そうだね...
~警視庁乃木坂警察署応接室~
監察官:それではこれより聞き取り調査を始めます。この会話は録音されています。それを理解しましたか?
賀喜:はい、理解しました...
監察官:それでは、あなたはどこで拳銃を発砲しましたか?
賀喜:乃木坂3丁目の路地です...
監察官:では、誰と一緒に居ましたか?
賀喜:齋藤部長と居ました...
監察官:ではなぜ発砲をしたのですか?
賀喜:マル被が齋藤部長のことを何度も刺してマル被が齋藤部長のホルスターに手をかけて齋藤部長の拳銃を取ろうとしたので発砲しました...
監察官:そうですか。ではあなたは拳銃のほかに武器になるものを持っていましたか?
賀喜:持っていました...
監察官:それは何ですか?
賀喜:警棒です...
監察官:そうですか。では発砲する前に警告はしましたか?
賀喜:しました...
監察官:では、威嚇射撃は?
賀喜:してません...
監察官:そうですか...では、近くに他の警察官は居ましたか?
賀喜:居ました...
監察官:それは誰ですか?
賀喜:井上警部補と鈴木査長と寺田査長です...
監察官:では、その時に発砲する以外の対処法はありましたか?
賀喜:いえ...無かったと思います...
監察官:そうですか...
~警視庁乃木坂警察署ロビー~
監察官:それでは数日後、調査をして査問委員会を開きます。その際は皆さんもご出席をお願いします。それまでは賀喜巡査は謹慎。残りの方々は通常業務に戻ってください
井上:わかりました...
~数日後~
PM15:00~警視庁本庁大会議室~
上層部1:それでは査問委員会を始めます。事案内容は3日前の午前10:20分ごろ発生した...
上層部2:では、なぜ威嚇射撃をせずに発砲したのですか?
賀喜:威嚇射撃をする時間がありませんでした...
上層部2:そうですか...
上層部3:では、なぜ発砲をしたのですか?
賀喜:齋藤巡査部長が刺されて、マル被が齋藤巡査部長の拳銃を取ろうとしていたので発砲しました...
上層部3:そうですか...ですが、警察官でもホルスターから拳銃を抜くのには1~2秒かかります。その上、時には外れにくい安全ゴムが付いた拳銃を何の経験もない被疑者が奪ったところで使うのは難しいはずです。推定では、一般人が安全ゴムを外すには最低でも2~3秒と言われています。ですが賀喜巡査が発砲し応援が駆け付けるまで時間は20秒、威嚇射撃もしていない。賀喜巡査。警察官はどんな状況でも冷静であるべきなのに、あなたはまともに判断できない状態で発砲した。違いますか?
賀喜:それは...
上層部3:どうなんですか?
賀喜:私は...怖かったんです...あの時、上司である齋藤巡査部長が刺されていて意識はありませんでした... 私は齋藤巡査部長を助けたかったんです...
新内:賀喜巡査はきちんと判断できていたと思います。人命を救おうと考えたんですから。人として正しいことをした。違いますか?
上層部3:人として正しくても警察官としては正しくないのでは?次に賀喜巡査は...
新内:発言をさせてください
上層部3:どうぞ
新内:あなたの指摘はいくつか誤りがあります
上層部3:誤り?
新内:一つずつ訂正させていただきます。一つ目、被疑者は何の経験もないと言っていましたが...
上層部3:事実でしょう?
新内:何の経験もないかどうかは現場では分かりません。一体どうやって見分けろと言うんですか?
上層部3:・・・
新内:二つ目、あなたは先ほど賀喜巡査が動揺してはならないような言い方をしましたね?
上層部3:当然でしょう。警察官は常に冷静に...
新内:警察官だって人間ですよ?目の前に刺された齋藤巡査部長と刺した被疑者が居たんです。なのに、なぜ切迫した状況を理解せず上司の生死に関わる瞬間も冷静でいろと要求するんですか?ここにいる者で、それができる者は居るんですか!?できもしないくせになぜ現場の者に無理を強いるんですか!?あの状況下で冷静さを保つことが可能だと思うんですか!?
上層部3:それでこそ警察官だ!分かるか?
上層部1:落ち着いてください!
~数分後~
上層部1:最後に賀喜巡査と上司の井上警部補から一言ずつどうぞ
賀喜:私は先ほどから事件の時のことを思い浮かべます...ある時は拳銃を発砲し...ある時は拳銃を捨て逃げ出します...またある時は齋藤巡査部長が死ぬこともある...ある時は被疑者ではなく私が死にます...私は経験が浅い新人警察官です...事件の時どう行動するべきだったか
...今でもわかりません...ですが、一つだけ確かなことがあります。それは、私は尊敬する上司を...飛鳥さんを...救いました...😢それで十分です…😢
上司1:続いて、井上警部補どうぞ
井上:私は、警察学校で助教をやっていた時に警察官の拳銃は、自分を守るためのものだと教えてきました。ですが今、そう言ったことを後悔しています。拳銃なんか使うくらいなら他人など気にせず逃げろ。家族のことを思って決して出しゃばるな。あなたの人生は国も組織も上司も守ってくれない。私たちは法の番人ではなく現場の捨て駒だ。現場は危険だから安全な部署に逃げろ。そう教えなかったのを心底後悔しています。誰が私を変えたんですか?一体誰が...現場で何年も使命感、一つで、必死に耐えてきた私を...こんな卑怯者にしたんですか?😢
賀喜:・・・😢
PM20:33~警視庁本庁大会議室~
上層部1:結果を申し上げます。賀喜遥香巡査は処分は無しとする
~翌日~
AM8:30~警視庁乃木坂警察署二機捜乃木坂分駐~
TV:ニュースをお伝えします。昨日乃木坂3丁目で発生した警察官発砲事件で、本日発砲した警察官が業務上過失致死傷の疑いで検察に書類送検されました。検察は...
○○:小百合さん、警察官続けるんですか?
井上:続けるよ?賀喜ちゃんだけ置いていけないからね...
○○:そうですか...これからもよろしくお願いします
井上:よろしく
絢音:それにしても...飛鳥さんも無事でよかった...
寺田:本当だね...
若月:警察官続けるのが決まったところで引継ぎするよ!
井上:あ...やばい!私も引継ぎしないと!みんなまたね!
○○絢音寺田:お気をつけて~
若月:昨日は乃木坂3丁目で警察官の発砲事件が...