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そこに居る人たち②
『太陽は日本にいったんだよ』
『そしたら私も日本にいきたい』
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今日はマルタの古都であるイムディーナまで足を伸ばした。
ブラジル人の友達3名とトルコ人と友達1名と私。
イムディーナに着き、あてもなく歩く。
しばらくすると見晴らしの良い場所に出た。
そこはマルタの田園景色から街まで全てが見渡せる高台。
所々に教会らしき建物が見える。
そしてその先には、地中海。
空の色と海の色が同じで境目が溶け合って見える。
「目を閉じてみて、神と繋がった気持ちにならない?
あなたが何を信じているかは分からないけどね」
隣にいたブラジル人の彼女がそういった。
同じように目を閉じてみる。
頬を切る風を感じると、彼女が言っていることがわかる気がした。
目を閉じた私の瞼には、実家から少しいった場所にある湖が見えた。
大して思い入れのある場所ではないのに
遠い異国の地でその場所を思い出したのは何故だろう。
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場所を移し、ケーキが有名なカフェにきた。
そこはガーデンテラスがあり同じ景色を一望できる。
一番有名らしいクラシックチョコレートケーキを頼む。
ケーキを待っている間、他愛もない会話が始まる。
「トルコは今何時?」
「んー時差は2時間もないから同じくらいだよ」
「日本は?」
「んーと夜の10時。マルタより7時間早いよ」
「ブラジルはマルタより7時間遅いの。そうだ日本とブラジルは真反対だったね」
「そういえばね小さい頃、夜が怖かったの。特に月がね。」
彼女が続ける。
「夜になって、母親に太陽はどこへ行ったか聞いたの。そしたら
『太陽は日本へ行ったんだよ』って言うから『そしたら私も日本に行きたい』って言った記憶があるわ。」笑いながら彼女は話した。
かわいい話の傍、私の脳裏には「ブラジルの人聞こえますかーー!」のネタが再現されていた。ああ、リアルにこう言うことか。と。
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ビターチョコレートと書いてあったけれど私には少し甘かった
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そんな彼女は、子供の頃、犬夜叉とドラゴンボールが好きだったらしい。
毎日の楽しみにしていたそうだ。
私もである。
毎週月曜日は犬夜叉からのコナンの時間を楽しみにしていたし、
夏休みは毎日10:00から2話連続放送されるドラゴンボールを楽しみにしていた。
そういえば、私たちは出会って数分でこの共通点を見つけて友達になった。
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住む場所も、文化も言葉も全てが違う縁遠い存在だと思っていたのに、
マルタに来て急に身近になったブラジル人の友人たち。
世界の国々を点と点で見ていたのが、線で繋がったような感じがする。
広い世界は繋がっていて、人種も国籍も超えていく。
うまく言葉に出来ないけれど、この感覚は私の財産だ。
今日のカフェはここ。
こちらの記事に詳しく載っていたので説明割愛。
景色は抜群。お店の雰囲気も開放的でよかった。
チョコケーキは甘すぎ!って感じではないけれど、甘い。笑
でも、ビーガンケーキもありました。