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note質問箱 #3 | 『結局、司法試験突破に最適なルートは何か』

こんばんは、ayaneです!今回もnote質問箱に寄せられたご質問にお答えします。テーマは「司法試験突破に最適なルート」。予備試験かロースクールか、進路選択で迷っている方に向けて、私の経験をもとに考えをお伝えします。

今回のご質問はこちら!

予備試験ではなくロースクールにした決め手は何でしたか?

二郎さん

二郎さん、ご質問ありがとうございます!多くの方が直面する悩みだと思いますので、私の体験や考えを交えながら、なるべく分かりやすくお話しします!


予備試験ではなくロースクールにした決め手

結論

私は予備試験を目指して勉強を始めましたが、働きながら予備試験合格を目指すのは自分には難しいと感じました。そこでロースクール入試の3ヶ月前に、ロースクール既習コースを受験する方向に切り替えました。振り返ると、この選択が自分にはベストだったと思います。


司法試験の受験資格について

まず、司法試験の受験資格について簡単におさらいします。主なルートは以下の2つです。

  1. 予備試験に合格する
    ロースクールに通わずに司法試験の受験資格を得られるため、時間や費用の節約が可能です。しかし、合格率は約3.6%(令和5年度)と非常に低く、試験の難易度が高いのが特徴です。

  2. ロースクールに在学または卒業する
    ロースクールには未修コース(3年)と既修コース(2年)があり、卒業または在学中に司法試験の受験資格を得られます。体系的に学べる反面、学費や時間が負担となります。


概算の勉強時間

各ルートで必要な勉強時間を具体的に比較すると以下の通りです。これらはかなりミニマムの数字なので、実際にはこれよりも時間がかかる可能性があります。

  • 予備試験合格:約2500時間(1日5時間の勉強で約1年4.5ヶ月)

  • ロー既修コース合格:約1500時間(1日5時間の勉強で約10ヶ月)

  • ロー未修コース合格:ほぼ0(小論文なので、入試段階での準備はほぼ不要)

時間の概算については、マイクさんのこちらの記事を参考にさせていただきました。マイクさんは、『現実的に存在し得る最も容量のいい受験生最も効率的な教材と講師を使用した状況を前提として、経験ベースで約1890時間』と仰っており、通常の受験生だと最低でも約2500時間はかかるのではないかという想定です。


ロー未修の特徴と注意点

ロー未修コースは小論文のみで受験可能なため、入試前の勉強時間はほとんど必要ありません。ただし、以下の数字を見ても分かる通り、未修コースは合格率が低い傾向にあります。
入学後に既習者に追いつくためには、既修コースの受験者が経験している1500時間以上の論文学習を1年間で行うことが必要となります。この論文学習にかける勉強時間の差が、未修と既修、さらには予備試験ルートの間で司法試験合格率に大きく影響を与えていると考えています。

  • 令和6年度の司法試験合格率

    • 予備試験ルート:92.8%

    • ロー既修コース(在学中):63.3%

    • ロー未修コース(在学中):37.6%


どのルートを選ぶべきか:4つのパターン

進路選択の際、自分の状況や確保できる学習時間を分析することが重要です。以下の4つのパターンを参考に、自分に合ったルートを選びましょう。

1. 法学部生

おすすめルート:予備試験 or 早期卒業 → ロースクール既修コース

  • まず、大学3年次までの予備試験合格を目指しましょう。

  • 予備試験合格が難しければ、大学3年で早期卒業→ロースクール既修コースのルートがおすすめです。

  • 早期卒業が難しい場合、大学4年次にロー既修コースを受験しましょう。

  • 法学部生の場合、ロースクール未修コースに行くメリットは少ないです。


2. 非法学部の大学生

おすすめルート:予備試験 or ロースクール既修コース

  • 非法学部の場合も、予備試験受験まで1年以上ある場合、まず予備試験を目指しましょう。

  • 予備試験合格が難しければ、ロースクール既修コースのルートを目指しましょう。

  • ロー入試まで半年を切った場合、未修コースも検討に入ります。ただし、先に述べたように、未修コースは司法試験の合格率が低いため、入学後の学習計画をしっかり立てることが重要です。


3. 社会人

おすすめルート:予備試験 or ロースクール既修コース or 未修コース

社会人の方は、実は一番選択肢が多い立場にあります。未修コースが最初に頭に浮かぶかもしれませんが、私のおすすめは、まず予備試験を目指して学習を始めてみることです。
その理由は、予備試験の学習を通じて、自分が予備試験・司法試験という試験に適性があるのか、そして法曹という道が自分に合っているかを判断できるからです。試験勉強は、単なる知識の習得だけでなく、自分の適性を見極める良い機会にもなります。
(独学で予備試験を目指すことは可能か、予備校利用が必須か、については別の記事で解説予定です!)

最初に予備試験を目指して勉強してみて、「これなら頑張ればいけそうだ!」と感じたら、そのまま突き進みましょう。一方で、学習時間の確保や難易度の面で「これを続けるのは厳しい…」と感じた場合は、ロースクール既修コースへの受験を検討するのがおすすめです。既修コースは短答式試験がなく、論文対策に集中できるため、社会人にとって現実的な選択肢となります。

私の体験談
率直に言うと、働きながら予備試験を突破するのはめちゃくちゃキツいです。特に短答試験の7科目が本当に厳しい!司法試験では短答は3科目で済むのに、予備試験はその倍以上。しかも、予備試験は各科目の試験時間が短く、超速の情報処理能力が求められるので、「自分は一生この試験には合格しないのでは?」と絶望したこともありました。
私はこのまま予備だけを狙っていても年数がかかってしまうだけだと判断し、ロースクール既修コースへの受験に切り替えました。

それでも予備試験を目指すメリット
予備試験に挑戦すること自体には、実は大きなメリットがあります。司法試験よりも難しいとされる予備試験の勉強を通じて、法律の全体像を描けるようになるからです。この全体像を理解することで、その後の学習効率が劇的に向上します。
さらに、もし勉強が順調に進み、予備試験に合格できれば、司法試験の合格率は90%超えという圧倒的な数字に。これがもたらす自信は計り知れません。
就職活動でも予備試験合格者の肩書は強力な武器となり、司法試験合格後の進路選択の幅が広がります。また、会社を辞めずに働きながら司法試験に挑戦できるのも、予備試験ルートの大きな魅力です。


4. 金銭的・時間的余裕がある人

おすすめルート:ロースクール未修コース
確実に受験資格を得たい方におすすめ。ただし、入学後の学習負担が大きいことを念頭に置いてください。
未修コースのリアルについては、こちらの記事が非常に参考になります。


おわりに

司法試験突破への道のりは、本当に人それぞれです。どのルートを選んでも楽な道はなく、それぞれに悩みや苦労があります。でもだからこそ、進む道を自分で選び、一歩一歩努力を積み重ねた先には、他では味わえない達成感や未来が待っています。

この記事が少しでも、あなたにとって最適な道を見つける手助けになれば嬉しいです。進むべき道を見据えたら、あとは信じて進むだけです!
あなたの挑戦を心から応援しています。


今後も『note質問箱』を通じて、皆さんの疑問や悩みにお答えしていきます!この記事が少しでも参考になったら、「いいね!」やコメントをいただけるととても励みになります✨

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それでは、また次の記事でお会いしましょう!

(サムネイルのイラストは sigureni free illust さんからお借りしました!ありがとうございます🙏)

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