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新卒で入った会社を辞めて、司法試験を目指した3つの理由
こんばんは!
記事をご覧いただき、ありがとうございます。
今日は、新卒で入った会社を辞めて、司法試験を目指した3つの理由についてお話ししたいと思います。
はじめに
私の経歴について、簡単にご紹介します。
幼少期〜小学校:愛知県で過ごす
中学〜高校 :岡山県の中高一貫校に通う
大学 :慶應の法学部法律学科
卒業後 :航空会社に約2年間勤務(総合職)
現在 :慶應のロースクールに在学中
「あれ?なんで社会人やってたのに辞めたの?」
そう思われる方も多いと思います。(ロースクールに入ってからおそらく30回以上は聞かれました!笑)
新卒で入社した航空会社では、同期にも恵まれ、得られる経験も貴重なものばかりでした。そんな中で、なぜ私はその道を離れて、司法試験を目指すという決断をしたのか。
今回のnoteでは、このキャリアチェンジを決意した理由について、私自身も振り返りながら、3つのポイントに分けてお話しします。
理由①:友人が予備試験に合格した
実は、私が司法試験を目指し始めた最初のきっかけは、社会人になってからではなく、大学4年生の5月でした。端的に言えば、予備試験に合格した友人に背中を押されたのがきっかけなのですが、もう少し具体的にその経緯を振り返ってみたいと思います。
そもそも私は、「弁護士になりたい!」という強い志を持って法学部に入学したわけではありませんでした。大学生活の最初の3年間は、サークル活動やアルバイト、インターンに夢中で、(授業はほどほどに)、テスト前だけ一夜漬けでなんとか単位を取る――そんな日々を過ごしていました。
大学では、同じ学科で仲の良かったサークルの友人4人と、試験前にいつも一緒に勉強していたのですが、そのうちの1人が、大学3年生で予備試験に合格し、4年生で司法試験に合格したのです。その友人とは、大学1年の春学期から全ての試験勉強を一緒にしてきた間柄でした。
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そんな彼が、ずっと私にこう言い続けてくれていました。「お前、司法の勉強向いてるよ!」
そのたびに私は「いやいや、そんなわけない」と軽く受け流していましたが、予備試験合格の知らせを聞いた時、正直心が揺れました。「え、予備試験って本当に受かるんだ?」と。予備試験や司法試験は、どこか別世界の人が挑むものだと思い込んでいた私にとって、その知らせは衝撃的でした。
そう言ってくれた理由を考えると、おそらく私が法律の勉強を楽しそうにしていたからだと思います。実際、法律を学ぶこと自体が割と面白くて、自然とその気持ちが伝わっていたのかもしれません。
さらにタイミングよく、尊敬して(推して)やまなかったゼミの教授から「君、弁護士に向いていると思う」と言われたことで、友人の言葉と教授の言葉が重なり、能天気な私は、「もしかしたら、私にもできるのかも」と思うようになりました。そして、「試しにやってみるのも悪くないか」と軽い気持ちで挑戦を決意したのです。(当時は、どれだけ大変な道のりになるかなんて、まったく想像していませんでした・・。笑)
ちょうどその頃、就職活動を終えたばかりで、4年生の春から卒業までの1年間、ぽっかりと時間が空いていました。「次は何に挑戦しよう?TOEICのスコアアップを目指すか、簿記の資格を取るか…」そんなふうに考えていた矢先だったのです。まとまった時間が取れる状況も追い風となり、私は伊藤塾の門を叩き、司法試験への挑戦を本格的に始めることになりました。
こうしてスタートした道のりが、その後の私の人生を大きく変えるものになるとは、当時の私は夢にも思っていませんでした。
理由②:コロナの時代に突入
2020年の5月、伊藤塾に入塾した頃、世界中でコロナが猛威を振るい始め、その影響はすぐに身近なところにも及びました。
私が内定をもらっていた航空会社の業績がみるみるうちに悪化し、大赤字に転落、ついにはボーナスカットの報道が流れるほどでした。そのニュースを見たとき、最初に頭をよぎったのは「え、内定、大丈夫かな…?」という不安でした。ありがたいことに、人事の方がしっかりフォローしてくださり、「内定は維持します」と言っていただけたのですが、心のどこかでは最悪の事態も覚悟していました。
そんな中で、ふとこんなことを考えました。「コロナなんて自分とは何の関係もないのに、ボーナスカットは渋すぎる。」普通に考えれば当たり前ではあるんですけど、凄く理不尽に感じたことを覚えています。
このとき、会社に属することのデメリットが初めて実感を伴って浮かび上がってきたのです。それまでは「有名な会社に新卒で入社すれば生涯安泰」と漠然と思っていましたが、有事の際には「会社が倒れる=自分も倒れる」ことを意味するのだと気づきました。
司法試験の勉強を始めた理由の一つは、当時、卒業までの時間をどう使うか模索していたからでした。
しかし、コロナ禍で会社が揺らぐ様子を目の当たりにしてからは、「会社に依存せず、どこに行っても働けるスキルを身につけなければ」という危機感が生まれました。そして、そのための一歩として、司法試験に合格し、弁護士という資格を持つのは確かに現実的な選択肢かもしれない――そう思うようになり、勉強に本気で取り組む覚悟ができたのです。
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理由③:自分の名前で仕事ができるようになりたい
私は少し変わった環境で育ちました。
両親は早くに離婚し、私は音楽家の母に育てられました。母は琴を教えたり演奏会をしたり、自分の名前で仕事をしていて、小さい頃からその背中を見てきました。忙しい母に代わって、幼少期には名古屋で寿司屋を営む叔母夫婦が私をよく面倒見てくれました。叔母夫婦は根っからの商売人で、お客さんに感謝されながら懸命に働く姿が、私の心に深く残っています。
そんな環境だったので、私の周りには「会社員」として働く大人はほとんどいませんでした。それでも家族は、「安定が一番」と考えたのか、「医者や弁護士になりなさい」「一流企業に就職しなさい」と私に繰り返し言いました。ありがたいことに教育には惜しみなく力を入れてくれたおかげで、私は慶應に進学することができました。
大学では、「一流企業に就職して安定した生活を送る」という周囲の空気に飲み込まれ、私も例に漏れず就活に励みました。リクルートスーツを着て、片っ端から有名企業を受けたのですが、心のどこかで「本当にこれでいいのかな」「やりたいことって何だろう」という違和感を感じ続けていました。
それでも志望していた航空会社から内定をいただき、周りも祝福してくれたことで、自分の迷いには一度蓋をしたまま卒業しました。
いざ入社すると、仕事は本当に面白かったですし、素晴らしい同期にも恵まれました。休日には同期と旅行に行ったり、研修の後に一緒に飲みに行ったり、充実した日々を過ごしました。
それでも、仕事を続けるうちにふと感じたのが、「自分は巨大な機械の小さな歯車になっただけなのでは」という虚しさでした。自分が壊れても、すぐに代わりがいる感覚。
それはきっと大企業なら当たり前のことなのですが、どうしても次第に「自分の名前で仕事をしてみたい」という気持ちが湧いてきてしまったのです。
その時、母や叔母夫婦の姿を思い出しました。母は「あなたの音楽に元気をもらった」と感謝され、叔母夫婦は「ここのお寿司が好きなんだ」とお客さまに喜んでいただいていました。そんなふうに「自分だからお願いされる仕事」に憧れるようになりました。「ayaneさんのおかげで助かりました!」と言ってもらえる仕事なら、どんなにやりがいがあるだろう、とワクワクしたんです。
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しかし、仕事の忙しさと同期との楽しい時間に流され、気がつけば入社1年目はあっという間に過ぎ去っていました。「こうなりたい」と描いていた理想の自分と、現実の自分とのギャップに気づきながらも、どうしても行動に移せない自分に焦りや苛立ちを感じていました。そして、その思いは次第に心の奥に暗い影を落とすようになっていきました。
そんな2年目の5月末、体調を崩し、休職することになりました。「この先どうなるのか」「自分には何ができるのか」と、不安が押し寄せ、視界が真っ暗になるような感覚に襲われました。
しかし、休職して少し時間ができたおかげで、立ち止まって自分自身と向き合う機会を得ることができました。「本当に自分がやりたいことは何なのか」「何のために働くのか」と、何度も自問自答を繰り返しました。
その結果、心の中にかつて抱いていた弁護士になりたいという思いが再び浮かび上がったのです。「ayaneさんにお願いしてよかった」と言ってもらえる弁護士になるため、覚悟を決めました。
その後、9月の入試に向けて3ヶ月間の猛勉強を開始し、慶應ロースクール既修コースに合格。さらに在学中受験資格を利用して司法試験に合格し、現在に至ります。
これが私が司法試験を目指した理由です。長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます。
これまでの経験は、決して無駄ではなかったと感じています。自分を見つめ直し、覚悟を決めたことで、今の自分に繋がっています。
将来は弁護士として、一人でも多くの人々の力になれるよう、日々努力を重ねていきます!
noteでは、これからも勉強や色々なことを発信していきます!質問箱も設置していますので、気軽に質問してくださいね。
それでは、また次の記事でお会いしましょう〜!
(サムネイルのイラストは sigureni free illust さんからお借りしました!ありがとうございます🙏)