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これも兵庫県知事問題?「神戸の震災は首長の判断遅く2千人余計に死亡」by石原慎太郎

So-netブログ『博士の愛した株式』の「『石原氏「神戸の震災は首長の判断遅く2千人余計に死亡」』?南京虐殺の被害者人数を争うような議論。大丈夫かこんな人たちに首長を任して・・・」という記事を読んだ。

2024年は兵庫県知事問題でワイワイやってたが、兵庫県にはもっと根深い問題があるような気がするのだが、私の気のせいだろうか?

朝日新聞(2007.04.09)に「石原氏『神戸の震災は首長の判断遅く2千人余計に死亡』」という記事があった。

○問題となった石原氏の発言
「石原氏は8日夜の会見で防災対策に触れ、『神戸の地震の時なんかは、(自衛隊の派遣を要請する)首長の判断が遅かったから、2千人余計に亡くなったわけですよね』と発言した。」

この石原氏の発言に対して、現兵庫県知事の井戸敏三氏、震災時の兵庫県知事、貝原俊民氏(73)らが反論している。

○現兵庫県知事の井戸敏三氏は
「九日の定例会見で『自衛隊の派遣要請を早くすることと、犠牲者数は脈絡がない』と反論した。」

「井戸知事は、震災犠牲者の八割以上が圧死だったことを引き合いに出し、『不意打ちで震度7の地震に襲われ、犠牲者の大半が圧死した。(犠牲者の数と)自衛隊の派遣要請は直接関係ない』と反論した。」

「井戸知事は『失礼ですよ』と語気を強めるなど、『石原発言』に怒り心頭。」
ということである。

○震災時の兵庫県知事、貝原俊民氏(73)は

「『石原さんの誤解。たしかに危機管理面で反省はあるが、要請が遅れたから死者が増えたのではない。犠牲者の8割以上が、発生直後に圧死していた』と反論。『大災害が起きた場合、公的機関による救済には限界がある。」

石原氏:「首長の判断が遅かったから、2千人余計に亡くなった」(ここでの首長とは貝原氏である)という2000人の数が問題となっているのである。

石原氏の主張⇒首長の判断ミスで2000人余計に死んだ。

貝原氏:「犠牲者の8割以上が、発生直後に圧死していた」

井戸氏:「震災犠牲者の八割以上が圧死だったことを引き合いに出し、『不意打ちで震度7の地震に襲われ、犠牲者の大半が圧死した。(犠牲者の数と)自衛隊の派遣要請は直接関係ない』」

貝原氏・井戸氏の主張⇒「8割以上が、発生直後に圧死」、つまり2000人×2割=400人が圧死以外の死亡(「危機管理面で反省」「公的機関による救済には限界」)である。

2000人というのは、多すぎる、失礼だ!

ようするに、

石原氏の2000人というのは多すぎる。400人は首長の判断ミスではなく公的機関による救済の限界であった。

ということである。

さて、どこかで聞いた話である。

南京虐殺の犠牲者が30万人か、3千人かとかいった数(量)の議論だ。

そして、軍隊が統制できたかどうか、指揮が徹底していなかったから公的な犯罪行為でなく私的な犯罪行為である。

明石市民夏祭り花火大会での事故の過失責任が明石署長他の幹部に及ばないというのにも何処となく似ている。

国家犯罪や国家が原因となって引き起こされる事件の重大な結果に対する危機管理(国益の被害局限化)のための言説である。

量的な被害の局限化、質的な被害局限化が行われるのである。

そして、既に過ぎ去った出来事は時間・空間的にはもうその現実は存在しないことから、研究と呼ばれる手続きによって概念が操作され、関係者の記憶や証拠も書き換えられていくのである。

このようなコミュニケーションの取り方は、己の責任を全て被害者の責任にするというモラルハラスメントの加害者のコミュニケーションの取り方と酷似している。

被害者にとっては、30万人が3千人であれ、2000人が400人(たとえ一人)であれ、被害を受けたという事実に変りはない。

公的か私的かということは、結局、首長と当時の行政機関の関係者の責任逃れのための言葉でしかない。

大丈夫だろうか?こんな人たちに首長を任して・・・

ここで、注意しておきたいことがある。

石原慎太郎氏が佐々淳行氏と親友(?)であり、佐々氏は今回の都知事選でも石原氏の選挙事務所で主要な役割を果たしたそうである。

警察官僚OBの「危機管理」という言葉の父(製作者)である佐々氏は阪神淡路大震災を官災大震災だと指摘していた。

佐々氏は、警察、自衛隊、政界、マスコミ等々に幅広い人脈を持つといわれており、その情報収集力は貝原氏・井戸氏の比ではないだろう。

この危機管理のプロ中のプロの佐々氏が、阪神淡路大震災を官災であると指摘した(認めた)ことは、官災でないと否定することが不可能なほどの事実(国家・地方レベルでのお役人の不手際)があったということを示している。

そもそも、貝原氏の「犠牲者の8割以上が、発生直後に圧死していた」という言葉に根拠があるのだろうか?

多数の死傷者が出た中で、十分な時間をとって死因判定が出来たのであろうか?

死因判定がそれほど正確に為されたと確信するだけの根拠は何処にあるのだろう か?

検視は、医師と警察官でやったのではなかったか?

それならば、警察官として検視がどのようなものであるか実体を知っている元警察官僚の佐々氏と十分な 意見交換ができる(腹を割って話せる)佐々氏の親友の石原氏の言葉の方が信用できるのではないだろうか?

警察官一般の通常の勤務態度の現実から判断すれ ば、緊急時に適切に仕事をしたと信じるためには、かなり、夢見がちな性格にならなければ無理だろう。

たとえば、「サンタクロース」や「おまわりさん」を信じるように。

阪神淡路大震災で、「8割以上が、発生直後に圧死」といわなければ、そう信じ込まなければ精神的に耐え切れなくなる人々(当時の責任ある立場のお歴々)が多数いる中で、震災の正確な(予断のない)検証や研究など出来るはずがない。

兵庫県民は気づくべきだろう。

※このブログで既に何度か指摘しているように、兵庫県警察本部警備部では、震度7を想定して毎年防災訓練をしていたのであった。

そして、兵庫県知事には、 坂井氏のように戦前から戦後に警察官僚であったという経歴を持つ知事もいたし、兵庫県警幹部を副知事にしたりもしていた。

つまり兵庫県は、このような人的 交流から防災に関しても兵庫県警察本部同様、震度7を想定していたと思われる。

なぜ、震度7を想定して防災訓練をしていたのかということが、忘れ去られたこと(予算要求のための宣伝にしかならなかったこと)が問題なのである。

So-netブログ『博士の愛した株式』より


朝日新聞からの引用。
「石原氏『神戸の震災は首長の判断遅く2千人余計に死亡』2007年04月09日 石原氏は8日夜の会見で防災対策に触れ、『神戸の地震の時なんかは、(自衛隊の派遣を要請する)首長の判断が遅かったから、2千人余計に亡くなったわけですよね』と発言した。」http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200704080025.html

神戸新聞からの引用
「震災時の対応 都知事発言に井戸知事反発 2007/04/10 石原慎太郎東京都知事が八日夜の会見で、阪神・淡路大震災時 の自衛隊の派遣要請に関し、首長の判断が遅かったから犠牲者が増えた-といった趣旨の発言をしたのに対し、井戸敏三知事は九日の定例会見で『自衛隊の派遣 要請を早くすることと、犠牲者数は脈絡がない』と反論した。」http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000296740.shtml

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