ZOZOTOWNの戦略とは?!
こんにちは!アヤナです。
今週から内定先でインターンを始めました!
良質なインプットをして良質なアウトプットをしようと奮闘中です!
知らないこと・分からないことばかりの状況が逆に楽しいです(笑)
インターンで得たことはこのシリーズでも生かしていきたいと思います。
さて今回は株式会社ZOZOのメイン事業、ZOZOTOWNを取り上げようと思います!最初の方でEコマースの事業を取り上げてきました。
ZOZOTOWNも若干登場しましたが、調べていく中で楽天やアマゾン、Yahooショッピングとは違った特徴がZOZOTOWNには見られます。
今回は、テイクレートの違いから見られるZOZOTOWNの事業の特徴を紐解いていこうと思います!
目次はこちら!
1. 株式会社ZOZOとZOZOTOWN事業の経営状況
『ZOZOTOWN』1度は利用したことがあるんじゃないですか?!
私も便利によく使わせてもらってます。
ファッション・アパレルに特化したECモールです。
運営しているのは、ZOZO。今の前身の会社「有限会社スタート・トゥデイ」が1998年に設立。2018年に(株)ZOZOに社名変更
ZOZOといえばやっぱり月に行きたくてお金毎日配っている前澤さんが思い浮かびますかね。ほんと、有名ですよね。
去年9月に前澤氏は月に行く準備と新規事業創出の為、CEOを退任し、澤田CEOにチェンジしています。そのタイミングでZOZOはヤフーと資本提携をして子会社化しています。ZOZOTOWN事業は2004年にスタートしています。
この項目では
・ファッションEC市場
・株式会社ZOZOの経営状況
・競合と比べて
について述べます。
・ファッションEC市場
まずファッション・アパレルの小売EC市場は伸び続けています。
2019 年の BtoC-EC の市場規模は 1 兆 9,100 億円となり、対前年比で 7.74%上昇しました。EC 化率 は 13.87%です。ファッション小売市場のうちEC化しているのは、欧州だと20%くらいですが、日本はまだ13%。まだ伸びしろがありそうですね。これはブランド側も、消費者側も技術が進歩し便利なサービスができたことで、オンラインショッピングへのハードルが下がったからだと思います。
・株式会社ZOZOの経営状況
それに合わせてZOZOも成長しています。
Eコマース事業で大事な指標は商品取り扱い高と売上高、テイクレートです。
商品取り扱い高と売上高も毎年成長していますね。2016年〜2019年まで毎年+20%~30%で成長してます。去年も暖冬が続いたり、コロナだったりとハプニングはあるもののそんなに大きなダメージを受けていません。オンライン基盤のビジネスなので需要も上がり、ヤフーとの連携もうまくいけばもっと成長していくと思います。
にしてもZOZOの決算資料、イラストが入っててめっちゃオシャレ。笑
・競合と比べて...
取り扱い高は規模の大きさと捉えればオッケーです。
まず、ファッションECモールで比べると圧倒的にZOZOTOWNが1位です。
一桁違う!!
しかしEコマース全体の事業で比べると
やはりかなりの大差をつけられてます。ZOZOはファッションに特化しているのでこの差は必然かな。けど、EC化率はまだまだ伸び代がありそうなので、ZOZOはもっと成長していけるでしょう。
2. ZOZOTOWN事業と他ECモールサービスの違いは?
さて、ZOZOTOWN事業について深掘りしていきます。
そもそもZOZOには主に6つの事業セグメントがあります。
①がメインのZOZOTOWN事業です。
受託ショップ、買取ショップ、ZOZOUSEDの3つの事業形態で構成されています。今回注目するのは、ZOZOTOWNの受託ショップです。
ビジネスモデルは楽天・Yahooショッピングと同じマーケットプレイス型。
ちなみに、ZOZOTOWN受託事業がZOZOの全体の7割の売り上げを作っていますので、重要な事業です。
これがみなさんがよく使うZOZOTOWNのことを指しています。
ZOZOTOWNには、
2020年9月末現在、1,399店(プライベートブランドショップを除く)のショップを展開しています。
さて、ZOZOTOWNは他のECモールと何が違うのか?
前のEC事業のNoteでも書きましたが、これらの事業で大事な数字(指数)は
商品取扱高(GMV)と売上高とテイクレートです。
テイクレートは、
取扱高が100あった時に、いくらの売上になるかを示す割合。
のことを指します。このテイクレートが高ければ高いほど、取扱高に対して多くの売上を作ることができている!ってことです。
では、ビジネスモデルが同じのYahooショッピング・楽天・ZOZOTOWNで比較してみると
赤文字に注目!Yahooショッピング・楽天は6~7%に比べて、ZOZOTOWNは28%です。ほぼ30%と言っていいでしょう。
これが数字に表れる大きな違いです。
異様に高い。最初この数字を見たとき、ん???なぜ??ってなりました。
テイクレートが28%ということは、ショップで売れている金額の約3割が売上(ZOZO収入)になっているということ。
ZOZOは、出店しているブランドの商品が売れたらその金額のうち受託販売手数料をブランド側からもらっています。おそらく3割程度もらっているんでしょうね。
ZOZOTOWNで決済された商品代金のうち、各ショップからZOZOに対して支払われる受託販売手数料相当額が売上高になると言うことです。
売上の方程式はこう。
売上高=各ショップの商品取り扱い高(ショップで売れた金額)✖️受託手数料率
他2社が6~7%何に対し、30%は結構な数字だなと思ったんですが、
なぜこんなに違うのでしょうか?
3. なぜ違いが生まれるの?
この答えは、割とシンプルです。笑
つまり、ブランド(クライアント)に対して大きな価値を提供し、それに相当した対価をZOZOが貰えているからです。
ZOZOTOWNのビジネスモデル図を出してみました。
ZOZOは提携するブランドの在庫管理と発送作業を全てになってくれます。
ブランドは、ZOZOにほぼ任せるだけで売上を作ることができるのです。
ZOZOには、アクティブ会員数(過去1年以内に1回以上購入した会員数)が現在740万人ほどいると発表されています。
受託手数料を払えば在庫管理と発送を担ってくれますし、740万のアクティブ会員にアプローチし、ZOZOTOWNの高い認知度で多くの潜在顧客にもアプローチすることができます。
EC販売まで細かく手をまわすことはできないけれど、売上を伸ばして行きたい企業にとっては好都合ですし、商品が売れたら受託手数料を払えばいいのでブランド側のリスクも最小限です。
楽天とYahooショッピングにも洋服は売っていて、そこでも私は洋服を購入したことがありますが、ZOZOTOWNの注文から配達のスピードはかなり早いですし、送料も安く済みます。(通常210円です。)関東に住んでいれば2~3日で家に届きます。
楽天とYahooショッピングは送料は統一が進んでいるものの、ショップによって金額が違って高いところも多いですし(800円かかることも)
配送も出店側で行っていると遅めです。またブランドから仕入れをして洋服を売っている会社が出店していると、仲介することになるので、配達まで数週間かかることもありました。海外から仕入れてると忘れた頃に届くこともあるみたい´д` ;
一方で、ZOZOTOWNは直接ブランドと接点を持ち、それらの在庫をZOZOが管理しています。配送が早いのもそのためです。
ZOZOのコーポレートサイトには詳しい図が載っています。
ZOZOTOWNの中にある『フルフィルメント』に注目。ここが様々な業務をになってくれます。
ブランドがZOZOに任せたい物品を預けて販売してもらう時、ある一つの障害がおきました。
例えば、そのブランドが運営している店舗やECサイトの在庫はもうないのに、ZOZOの在庫はまだあるという状況。
お客さんは困惑します。在庫があるのか?ないのか?
ブランド側もここの調整・対応に苦労します。
そこでZOZOは、ブランドの在庫をぜ〜〜〜んぶ預かるサービスを作りました。『Fulfilment by ZOZO』と言います。
【店舗・自社EC・ZOZOTOWN】の3つにある在庫を連動して管理してくれるし、発送もやってくれるサービスです。
『ゼロ』って言葉最強!w
これだと、「こっちにはまだ在庫あるのに、あっちにはない!!泣 」っていう状況がブランド側にも、ユーザー側にも起きないし、すべての在庫管理をするブランドの負担がなくなります。これは神ですね。
4. ZOZOTOWN事業の戦略はこれでしょう!
なんでテイクレートは約30%の高さなのか。
ズバリ、ZOZOになんでも任せてくれ!!その代わり対価しっかりくれよなってことです。笑
でもね、この戦略はちゃんと考えれば、必然だし当たり前の戦略だと思いました。
やはり企業が目指す世界や社会を作っていくなら、企業は成長して届ける価値を増やしていかなければなりません。
そして、企業が成長していくためには、必然的にテイクレートは高くしていかなければいけない。
WHY???
そもそもファッション市場は全体EC市場の1部分ですよね。
流通総額では、ファッションも含めほぼ全ての物品を扱い大手ECモールに勝てないと思います。
例えば、楽天と同じUSPを持っていて、同じマネタイズ方法だったら、、
(楽天は基本的に出店料で稼いでますよ。)
きっとZOZOはどんだけブランド数を増やしても、ユーザーを何十倍にもしなければ、ZOZOTOWNの売上は楽天とは程遠く。。
だからこそ範囲は狭めるけど、、圧倒的WINをブランド(クライアント)に作り、相応の対価をちゃんともらう戦略なんです。
アパレルブランド市場に対しては狭く・深く。
一方でユーザーに対しては広く・浅く攻める戦略のようです。
これはZOZOTOWNの平均商品単価推移です。2019年3月期から21年3月期にかけて若干下がってますよね。2013年ごろは5000~7000円でした、ここからかなり下がっています。
平均商品単価はZOZOTOWNの商品取扱高を出荷枚数で割って出しています。2013年から比べても、ブランドも増え、ユーザーも増えることで、取扱高も出荷枚数も増えています。なのに、平均商品単価が下がっているということは、出店しているブランドがラグジュアリー&プレミアムなブランドから、ライト&カジュアルなブランド中心になったのだと思います。後者のブランドの割合が増えたんでしょうね。
ちょっと見づらいですが、コーポレートサイトにはこのような図が載っています。簡単に言えば、ZOZOTOWNがターゲットとする層はどんどん広げていくよ。多様化したニーズに答えていくよっ!ということです。
ZOZOがこれから成長していくには大事な戦略です。
ターゲット層を広げ、広く浅く多くの人に利用されるサービスになること。
そしてユーザーのリピーツ率をあげることです。
ユーザーに対しては広く・浅く。
思えば、ユーザーに対してもありがたいサービスが目立つZOZOTOWN。
例えば、「ツケ払い」とかね。
お金に余裕のなかったりする学生にとってはありがたいですよね。2ヶ月後まで支払いをストップできるんですから。今買いたいんだけど、数ヶ月後のお年玉まで支払いは待ってほしい、、!!とかと。そんな切実な願いを叶えてくれますw
それでは、まとめ!
取扱高に対する売上の割合、テイクレートの高さの秘密は?
ブランド(クライアント)に対して大きな価値を提供してるから!
→ ZOZOTOWNに出店すれば、
・多くの既存&新規ユーザーにアクセスできる!
・在庫管理全部やってくれる
・発送作業も全部やってくれる
ZOZOTOWNの戦略!
アパレルブランド市場に対しては狭く・深く。
ユーザーに対しては広く・浅く。
①EC市場では狭く深く、相手にとって大きなWINを作り売り上げを作る
②ファッションEC市場の中でシェア率を伸ばせるように、ターゲットは広く、多様化させる。またリピート向上に力をいれる。
今日はここまで!読んでいただきありがとうございました!
<参考資料>