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秘密の戯言⑤

こんばんは。最です。あやなちゃんです。諸事情により更新がご無沙汰となってしまいました。街はすっかり春色ですね。お元気にされていますか?

 出先の帰り道。バスに乗れば30分程度で帰れる距離を1時間15分ほどかけて歩いて帰った。なんとなく歩きたい気分だったし音楽を聴きたかった。30分くらいはサブスクがランダムにおすすめしてくるものを、残りの時間は某ドラマのサントラを聴きながら歩いた。初めて歩くところだったので不安になりながら何度も地図を確認してひたすら歩いた。一見他人からすれば無駄とも思えるようなこの時間が私は大好きで必要としている。歩くのは苦じゃない。知らない土地なら尚更。新しい何かがあるんじゃないかと思ってわくわくする。知らない道、知らない居酒屋(誘惑を何度も抑え込んだ。)、知らない住宅街。灯る電球や景色や匂いのひとつひとつに想いを馳せながらのんびり歩いた。もう陽も暮れ始めた19時前、やっといつもの帰路へつく。途中スーパーでワインを買ってサントラが終わる頃に丁度玄関の鍵を開けた。なんだか主人公になったような気がしてとても気分がよい。某ドラマのサントラの主人公が履いていたヒールと似たものが再入荷されてたことをこのタイミングで知りポチるか悩む。ワインを冷蔵庫へ入れた。ピアノを弾きながら冷えるのを待とう。

 全く知らない土地へ引っ越してきてもうすぐ1年になる。期待に胸を膨らませあれもやろうこれもやろうと息巻いていたけど現実はそう甘くはなかった。この1年で何ができただろう。この1年で何か成し遂げられただろうか。東京は冷たい街というイメージがあったけどそうでもない。私は数少ない出会いの中できっと貴重な経験をさせてもらっている。

 昨晩悪い夢を見た。2時頃に目が覚めて背中の汗が尾てい骨のあたりまで伝った。気持ち悪い。寝室の空気が生温く思わず窓を開けた。まだまだ冷たい風を何度か吸い込みやっと落ち着く。再度眠りについたがまた別の悪い夢を見た。6時に目が覚める。ちょうどいいタイミングだったので燃えるゴミを出して寝不足の体をまたベッドに預けて次に目が覚めたのはお昼前。こんなことしている場合じゃない。こんなことをしにわざわざ東京へ出てきた訳じゃないのに。体がどうも重くて言うことを聞かない。春眠よ、いい加減暁を覚えておくれ。残されたわずかな時間で私は進化を遂げ次のステージへ進まなければならないのだ。"負け組"として地元へ帰るなんて絶対に嫌だ。通帳の残高が恐ろしいスピードでどんどん減っていくけど知ったことない。私にはやりたいこととやらなければならないことがたんまりと残っている。まだまだできるはずだ。

 ドイツ産の白ワインは甘口とかかれてあったのにどこかピリリと辛さがあった。酔いに任せてできるところまで制作を進めよう。何か生まれるはずだ。

桜

↑帰り道に歩道橋よりも背が高かった桜を見ました。


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■あやなちゃん

最という名で活動中の音楽家。
10.19神戸市出身。現在は東京在住。
主にギターか鍵盤を用いての弾き語り。(詳しいプロフィールはこちら

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