秘密の戯言26
「酔拳」
こんばんは。最です。あやなちゃんです。いかがお過ごしでしょうか?
私はお酒が好きだ。大好きだ。私とお酒は切っても切り離せない関係で、誰かと飲むお酒もひとりで飲むお酒も大好きだ。少し前はライブハウスで飲むお酒が1番好きだった。ミュージシャン達が変わりばんこに出演してて、いろんな感情を肴に飲むプラカップに注がれたビールがたまらない。出演の際には供えられるかのようにマイクスタンドの前に瓶ビールが並んだ。誰からの贈り物かわからない瓶ビールがどんどん供えられていく。自分で買うビールももちろんおいしいけど、終演後に誰もいなくなったライブハウスで飲むぬるい炭酸が抜けたそのお供えものも大好きだった。
毎月のようにライブハウスに出演していたのはもう3年も前のこと。今は自室にこもってただただ制作を続ける日々。PCの前で「うーん、うーん。」と唸りながら制作をしている。比喩ではなくて本当に声に出して唸っている。アイディアが浮かばなかったり、「こうしたい!」が今の自分の技量では再現できなかったりして正直とてもストレスが溜まる。そうだ、酒を飲もう。
近くのスーパーで6缶入りの発泡酒を買って冷蔵庫へ放り込む。「カシュ!」っという音が世界で一番売れているミュージシャンが作る音楽よりも美しい音楽だと思える。飲み進めているうちにどんどんアイディアが湧いてくる。これは所謂”酔拳”なんじゃないか。
発泡酒を飲み進めるたびに私のアイディアは止まらなくなる。今なら何曲でも作れそうだ。明日にでも武道館でライブができる気持ち!ほろ酔いだと根拠のない自信が出てくる。「よーし!サクッともう一曲作っちゃおうか!」2軒目の酒場に行くくらいのテンションで武道館ライブもできる気持ちになる。今まで作ってきた自分の曲達はどれも素晴らしくてよくできていて私は曲作りの天才でなおかつ絶世の爆美女な気がしてしまう。だいたい3曲くらい作るとベロベロになって千鳥足でベッドに飛び込む。「今日も曲が作れてえらいなあ。よかったなあ。」という気持ちで意識を失う。
夜更けのラブレター現象はご存知だろうか。気持ちが昂って自分の気持ちをただ思いつくままに綴ったラブレター。「こんなにうまく書けたんだから、きっと自分の気持ちが相手に伝わるだろう!」と過信するアレ。昼過ぎに目を覚まして夜中に作った曲をシラフで聞いてみる。うわ、なんでこれがいけると思ったんだろう。こんなんで売れる訳ないじゃん。滅茶苦茶じゃんん。何が武道館ライブだ。こんなの人前に出せるわけないだろう。と現実に引き戻される。やっちまった。空き缶を洗いながら心底後悔する。
でも実際に私の曲の9割が泥酔状態で作ってる曲なの。あなたが「この曲、いいね!」って言ってくれるあれもこれも全部私が酔拳を使ってできた曲だったりアイディアなの。なのでお酒を飲む私を否定してほしくない。むしろいい曲を作るためにもっと飲ませてほしい。健康診断は怖いけど、誰かに否定されたり、おもしろくないね、って言われるよりよっぽどいい。
今この記事を書いている私は5本目だ。公開する前に明日の朝のシラフの私が非公開にするかもだけど、まあオチなんてないよ。でもなんだか素晴らしい文章が書けた気がする!天才!これからも酔拳を使って曲を作ります。
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■あやなちゃん
最という名で活動中の音楽家。
10.19神戸市出身。現在は東京在住。
主にギターか鍵盤を用いての弾き語り。
最近DTMも始めました。(詳しいプロフィールはこちら)
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