「愛されて育ったはずの私」1
小学校卒業まで専業主婦だった母はとても面白く、優しく、朝は誰よりも早く起きて朝ごはんを作ってくれて家に帰ると、手作りのお菓子と母がいつも待っていてくれた。
父は無口だった。
何を考えているのかあまり分からない。
正直、父との幼少期の思い出は浮かんでこない。
でも私が小さい頃、毎晩本を読み聞かせてくれていたと母から聞いた。
姉とは、3歳差で性格が真逆な私たちはよく喧嘩をした。でも大好きだった。
姉が持っているものは全部欲しくて、真似をすると少し大きくなった気がして嬉しかった。
内気な姉にちょっかいをかける近所の男の子からまだ3歳の頃立ち向かって守ろうとしたことは今でも記憶にある。
これだけでは収まりきらないほど、私は家族が大好きだし私もたくさんの愛を貰ってきた。
でも、私には何かが足りない。
中学生の頃から何かが足りなくなった。
何が足りないのか何が苦しいのかそれすら分からない。
思春期だから。いつか何が苦しいのかわかる日が来るだろう。
そう思って過ごしていたけど、私ももう26歳になった。
皆、何かを抱えて生きているだろう。
私だけが苦しんでいるなんで微塵も思ってはいない。
でもこのなにかを見つけなければ私は壊れてしまう気がしている。
そのなにかを見つける旅に出てみようと思う。
私はパニック障害になりました。
毎日が楽しくて友達もいて家族もいて子どももいて。大変な事はあるけれど、楽しかった。
でもある日思うように体が動かなくて、
息が出来なくなった。
病院に通っても良くならなくて、仕事も休んだ。
みんなが心配してくれてでもそれが逆効果で。
私は元気な振りをして今日も生きていく。
そんな私の足りたいもの探しにみなさん一緒についてきてはくれませんか?