読み手の好奇心を後押しする
Yahoo!ニュースを読むことはありますか? 日本で一番読まれているウェブサイトの一つであり、月間PVは推定100億以上。私も時々編集に関わることがあります。
多数の記事がある中、いかにクリックさせて本文を読んでもらうかは編集者の腕の見せどころです。ニュースサイトである以上、釣りタイトルは御法度。本文にある語句の中から高CTR(Click Through Rate、クリック率)を狙える見出し(タイトル)を知恵を絞って考えます。
詳しくはYahoo!ニュース編集部がブログ(Yahoo!newsHACK)で公開しているので割愛しますが、高CTRを出すテクニックの一つは「ちょい出し」です。本文の核になる部分をほんの少し隠したタイトルにして「続きは本文で」とクリックを誘うもの。そのためには、
何が核か
どの部分を見せ、どの部分を隠すか
を判断したうえで、制限字数以内で意味の通るタイトルに仕上げるスキルが必要です。
少しだけ事例をご紹介しましょう。例えばスキャンダル報道があったとして、渦中の人やその関係者が取材に何か答えた場合、ニュースの核はもちろん発言内容です。しかし、タイトルでは発言内容に触れません。内容が知りたかったらクリックして本文を読む必要があるのです。
「余録」を含め新聞コラムには見出し(タイトル)のないものが結構あります。紙の新聞なら1面など目立つ場所に掲載されるので多数の人が読むでしょうけれど、ウェブではよほど好きな人でないと見つけないしクリックしません。新聞社では伝統的に記者の方がなんとなく偉い位置付けで編集者はその次だったようですが、良いタイトルを作るスキルはこれまでになく求められています。
#要約チャレンジ 5/2
今回の題材は2年前のコラムです。
時事問題を一部扱っていますが、書いてあることが今どうなっているかは無視してください。
・タイトルをつける(20字以内)※半角数字は0.5字で換算
・要約する(140字以内)
できましたらXで投稿していただくか、DMでお送りください。先着1人の無料添削をさせていただきます。次回は連休明けの5/7に投稿する予定です。
送り先アカウント:https://twitter.com/Ayan_unicla
5/1要約の添削
お題はこちらです。
元は新聞のコラム(朝日新聞なら「天声人語」)を要約してみようぜ!と始めたこの企画。良い話だったので毎日新聞「余録」を再び題材にしました。
流れはざっくりと以下のような感じです。
JR木ノ本駅には「まちあい文庫」がある(起)
「まちあい文庫」の仕組み(承)
蔵書はむしろ増えている(転)
「本が旅をしているのを想像するのが楽しい」久保寺さん(結)
視点はずっと木ノ本駅と久保寺さん。旅客と列車が行き交う駅の中に焦点を当て、映画の一場面のように描いています。しかも609字とコンパクト。筆力がないと書けない文章です。
特に本好きの人、列車旅が好きな人に読んでもらうためあなたならどんなタイトルを付けますか?
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