イギリスの都市計画の中で学ぶことの一つに「gentrification(ジェントリフィケーション)」というものがあります。
「gentrification」は都市再生がもたらす結果の一つです。
簡単に言えば、都市再生によって、再生された土地に中高所得の世帯などが入居し、地価が上昇することです。
この「gentrification」は、ホームレス問題とも深くかかわっているとも言われています。
論文などでは以下のように説明されています。
このように都市再生がもたらす「gentrification 」は再生以前の地域にマイナスの影響も与えるものです。
近年日本では都市再生が活発化しており、この問題は日本でもまだ十分に注目されているとは言い難い状況だと思います。
日本の場合、都市再開発法で権利者への保証と地権者と開発業者との間の権利変換が認められており、その方法は再開発の際に設立された地権者の集まりである都市再開発組合の決定により決定されます(参考)。
借地人と地権者の協議も可能であるが、これには賛否両論があるようです。例外的に、地域の借地人が権利者となっているケースもあるが、基本的には居住者の権利が最も不安定な地位にあるのではないかと思います。(参考)
都市再生や再開発=良いもの とは限らない、開発による影響をできる限りすべて把握、想定することが`ディベロッパーやプランナーに求められるのではないでしょうか。
現在日本の都市計画のアカデミック分野ではこれを一つの科目として、または科目の中の一部として授業が行われているとも言い難いです。
将来都市計画に関わる学生にはぜひ知ってほしい内容だと思います。