始まらなかった恋 ②/6 「女友達」
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1994年9月
毎日受験勉強に明け暮れた高3の夏休みが終わり、新学期が始まるにあたって、私は金髪にしていた髪を黒髪に戻した。
久しぶりに教室に行くと、そこはもう推薦組と受験組がバッサリと分かれている状況だった。
というのは進学校だと思うんだけど、
私が通っていた女子高はそこまでの雰囲気はなく、相変わらず推薦組も受験組も和気あいあいと過ごす毎日を送っていた。
そんな中で、
例の合コンのC子とお目当ての男子とのその後が気になっていたので、休み時間の間は専らその話題が尽きなかった。聞く所によると、相変わらずお互いモジモジとしてしまって、あまり進展はしていなかったようだけどw
その後、
残念ながらC子とその男子はやっぱり付き合わないという結果になった。確か、C子から告白したけどダメだったと記憶している。
しばらくは、
C子の手前その話はタブーになっていたんだけど、そこは天下の女子高生だから数週間もすればすっかり笑い話になっていた。
そんな経緯を含めてC子と2人で話していた時に、
C子「アヤチは今好きな人はいないの?」
と聞かれたから、
私「そうだねー、特にいないかな。予備校の英語の先生は好きだけど、まぁ35歳だし奥さん居るし(笑)あー、でもしいて言えば、、、」
C子「え?誰かいるの?」
私「あの合コンにいた、、、久我くんかな」
C子「えーーーーー!あの久我くん?ちょっと待って、久我くんってあの天然パーマの久我くん?」
私「し、しいて言えばね」
C子「ちょっとB子ちゃーーーーん!アヤチが久我くんがいいってーーーー!」
私「ちょっ、ちょっとC子!や、やめてよ。し、しいて言えばって言ってんじゃん」
すぐに駆け付けたB子が、
B子「ちょっとどういうことーーー?なになに?アヤチが久我の事好きなんだって?」
私「ちょっと待ってよ、そこまで言ってないって。ちょっと!」
B子「S美------!!!ちょっとS美こっち来て!アヤチが久我の電話番号聞きたいってよー!」
私「ちょっと待ってよ、私そこまで言ってないじゃん」
S美が走って輪に入ってくる。
S美「なになになに?久我?久我?久我なの?アヤちゃんちょっと待ってよ。
久我って、、、確か小柄な天パー、、、笑えるんだけど、アヤちゃんめちゃくちゃウケルんだけど!!」
私「だからあの、、、別に、、、そこまで、、、」
S美「ちょっとY子ーーーー!!!聞いてー、アヤちゃんが久我のこと好きなんだってー!!!」
Y子も走ってやってくる。
Y子「ちょっとちょっとちょっと!!!
それめちゃくちゃ面白い!アヤちゃんと久我?久我とアヤちゃんってこと?なんかわかんないけど、、、それ最高に合ってる!!!私は応援する!!!頑張れ、アヤちゃん!」
っという感じで、女子高生特有の恋バナで超盛り上がりを見せるのだった。ゲンキンなもんだよね。C子とお目当ての男子がダメだったからって、別の組み合わせで盛り上がっちゃうんだから。
しかしここでS美が難色を示す。
S美「私さ、、、実はC子ちゃんの事で色々あったから、あの時の幹事とは険悪になっちゃったんだよね。元々あの幹事の男子とは友達の友達ってだけだから、そこまで仲良くなかったし。それにしても、久我だけK高なんだね。後は地元の仲間だからさ、やっぱり繋がりないよねー」
私「S美、別にいいよ。私があの時電話番号を聞かなかったのもアレだし、逆に聞かれなかったのもアレだから、、、だからいいよ。久我くんの事はいいなと思ったけど、別にそこまででも無いから」
B子、C子、Y子「S美!ちょっとどうにかなんないの?」
C子「私が〇〇くんに聞けばいいと思うんだけど、フラれちゃったからねぇ、、、」
私「ちょ、ちょ、ちょっと!C子までいいよ。やめてよ、私は大丈夫だから」
B子「ちょっとS美!!!」
Y子(黒板に久我くんの似顔絵と相合傘を描く)
S美「うーん、、、」
・・・
それから数週間経った頃だったと思う。
秋も深まり、
夜家で勉強をしていると、家電に私宛に電話が入っている事を姉から告げられた。
「あーちゃん、電話だよ」
すぐに電話を替わった。
私「もしもし」
「もしもし、久我ですけど」
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