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恥ずかしさと潔さの間にあるもの

最近の私はエッセイにハマっている

中村うさぎ
中島らも
みうらじゅん

ハマるとトコトンなのが私である。

中村うさぎはほぼ読み切った。
最近は中島らもとみうらじゅんにどハマりしている。

ロン毛のオヤジが好きなのか?

いやいやそういう訳じゃない。
見た目は別に好きじゃない。
しかしながら、今回はみうらじゅん氏に勝手にスポットを当ててみる。

◇ みうらじゅんとは?(以下MJとします)

詳しくはWikipediaを見てもらえればわかる。
日本のサブカル発症オジスンである事は間違いない。あと有名なのが造語。「マイブーム」や「ゆるキャラ」等は彼の造語である。
私は個人的に「後ろメタファー」(後ろめたさ)と「不安タスティック」(不安を払拭する時に唱える呪文のようなもの)と「老いるショック」(老いを実感する時)というのが気に入っている。

私も昔からついつい造語を口走ってしまうけど、そのセンスはMJの足元にも及ばない。

◇ birdの旦那

昔から深夜番組とかで「変な持論を繰り広げてるロン毛のオッサン」というイメージだったのが一転して、私の大好きだったbirdと不倫したニュースで度肝を抜かれた。


私は当時趣味でレコードを回してたんだけど、一時期和モノR&Bにもハマって、double、bird、MONDGROSSO、m-flo等は、得意気に繋ぎまくっていた。

そのbirdがロン毛のオッサンと不倫だと?
しかも子どもも出来ただと?

理由は、
「birdは理想の仏像顔だったから」
ってなんやねん!

確かにbirdの顔は仏像っちゃー仏像だけどw

という事で、私の中でMJはbirdの旦那というイメージになった。

◇ 人生エロエロ

前回紹介した彼の著書「人生エロエロ」はシリーズ化されており、私は数年前に週刊文春の連載でその存在を知った。


アマゾンより引用

正直、凄く面白い。

MJは現在66歳。エロスクラップブック(エロの切り抜き)は800冊目を超えたとの事で、昭和、平成、令和のエロを網羅していてその深みがハンパ無い。

エロ本の販売機で野犬に噛まれた話とか、コンドームの自販機が遠くて冬の寒い時期に買いに行くのが面倒くさかった話とか、前日に子どもと一緒に見ていたトトロのビデオをそっと抜いてAVを差し込む時の後ろメタファーの話とか、AVはギフ(義父)モノがいいとか、和洋折衷世代の特徴として洋の中にある和にエロを感じるとか、小学生からオヤジまで、サブカル路線的なエロがてんこ盛りでこの上なく面白い。

あと、男性目線から語られるエロだから「やり終わった後の腕枕は痺れて疲れるから正直言うと早く帰って欲しい」とか、そういう男の本音的要素も書かれているので読んでいてためになる(今更何のためになるんだよw)。
やはり男と女は違うという事がよくわかる。皆が皆、男はこう、女はこう、と決めつける訳ではないけど、まあほぼほぼの男はそうだろうなとは思う。

タイトルをそろそろ回収しないと。

この本は読む場所が限られる。とてもじゃないけど、このタイトルとこの表紙を家で読む訳にはいかない。家族にとって、父のエロバレは場合によっては許されるけど、

母のエロバレは許されざるもの

ヤダわよ!
お母さんがエロいとかバレたくないわよ!

更に夫からも「なんだー、それならそうと言ってくれよー」的な事を思われても不本意極まりない。私は極力家庭にエロは持ち込みたくない派である。

じゃあ、どこで読むの?

答えは図書館です。
仕事帰りに図書館に寄って、30分程読んで、また翌日続きを読む。このルーティンがとてもいい気分転換になる。ちょうど「みうらじゅん」の「み」の列の前にイスが置いてあるから、そこが私の特等席だ。読んですぐに返せるから誰にも見られないで済む。

しかしながら

いつものように「み」の列に行くと、特等席に60代位のオヤジが座ってるじゃないか。

ちょっ!
そこ私の席なのに!

仕方なく、その日は「み」の列から「人生エロエロ」を一冊抜き取って、少し離れたイスで読んだ。

相変わらず面白い

そして、いつものように30分経ったから「み」の列に返そうとしたら、

オヤジまだいるし!

しかも目が合ったわ。
なんかロン毛を束ねてる仙人風で、もしかしてMJ本人?いやそんな訳ないし。

私はあたかも哲学書かのように「人生エロエロ」を棚に戻そうとしたら、なんの嫌がらせなのか、本と本の間がキツくて入らないじゃない。

ちょ、ちょっ!
は、入らない!

私は焦りながらも涼しい顔を保ちながら、力の限りこれでもかと「人生エロエロ」を押し込んだわ。

後ろからの視線を感じながらも

マジで恥ずかしい。
やっとのことで一仕事終えた私は颯爽とその場を立ち去ったけど、あの仙人風オヤジに「人生エロエロ」を見られたであろう事は間違いない。あー恥ずかしい。

え?自意識過剰?

そうかもしれないけど、それが私の生きる道。自意識過剰だろうと何だろうと知ったこっちゃ無いわ。

恥ずかしさと潔さの間にあるのは、自意識過剰の塊。最近はそんな自分を認めるようになって、ちょっとだけ好きになりました。





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