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【昔話】セクシーな男になりたかった男の話 中編

続きです

西沢君との久しぶりの再会は合コンだった。
都内某所のビルとビルの隙間にあるカジュアルなビアダイニング。

5人対5人

最初に目をギラつかせていたのは例のE子だった。↓

財閥系商社マンとの合コンでE子がギラつかない訳がない。
終始テンション高めで軽く酔ったE子は、どうにかこうにかと思っていたかもしれないが、E子に目を付けられた3歳上のいかにも遊び人風の商社マンSさんから「この娘を撒いて欲しい」というアイコンタクトが送られてきたので、私達は帰るフリをしてE子を撒いたw

私はそんなチャラ商社マンSさんに合コンの途中で「アヤちゃんちょっと」とトイレの前で呼び止められた。

「俺、N子の事めちゃめちゃタイプなんだけど本気出していいかな?」

ははーん、Sさんもお目が高いな。

「Sさん、N子は生粋のお嬢だからね。鉄壁のガードだけど頑張って」

するとSさんが、

「もしN子と付き合えるなら今付き合ってる女全部切ってもいい。この場で約束する。俺この後の二次会で勝負かけるから、アヤちゃんお互い協力していこうよ」

ウケるw

「Sさんやる気だねー。いいねー。是非ともN子のガードが崩れるのを見てみたいなあ。それにしても、お互い協力って何?」

「アヤちゃんさ、、、ぶっちゃけマジで西沢狙ってるでしょ。だから一緒に頑張ろうぜ」

そうだった。
この合コンは誰の為でもない、自分の為に用意した合コンだったのだ。最初にパーっと男子のメンツを見た瞬間に、私はターゲットを西沢君に絞った。今更だろうとなんだろうとそんなの関係ねー、そんなの関係ねーんだ。
(オッパッピー)
私はSさんと固い握手を交わした。
「お互い頑張ろう」と言って。

その後、

二次会だか三次会かは忘れちゃったけど、チャラSさんが案内してくれたお店に行った。都内某所のラウンジバー。薄暗い中で、どのテーブルもソファでカップルがイチャついていた。

なんなんだここはwww
さすがチャラSさんwww

終電を無くしたN子とM子と私。男子はSさんと西沢君と長身君だった。M子から、

「ちょっと!自ずと私があの長身野郎とカップルってこと?無理なんだけど!」

3人対3人だから仕方が無いw

SさんはN子に猛攻撃してるし、私は西沢君をこれから落とさなきゃならないし、その旨をM子に説明してなんとか渋々長身君と合わせて貰う事に納得頂いた。(この辺のテキトー具合を阿吽の呼吸で出来るから、M子とは今でも仲良しなのよねw)

それぞれがそれぞれ離れたテーブルに着いた。

ここからが勝負だ。
ビール好きの西沢君と何杯目かのカンパリをして、私は西沢君に言った。

「西沢君、今更ながら私と付き合って欲しいの」

西沢君の答えは、、、

「ヤダよ」

一言で振られたw
でもここで引き下がる訳にはいかない。

「なんで?だって西沢君、昔から私の事好きだって言ってたじゃん」

「言ったよ。今でも好きだよ。でもお前、それはそういう意味じゃないって分かってんだろ」

確かに。
分かってた。そんなの分かってたわよ。その好きには恋愛感情が全く無いって事くらい、わかってるに決まってるわよ。ただ私は引き下がらなかった。

「私達って、今更だけどうまく行くと思うんだよね」

ほんと今更w

「うまく行くも何も、、、まずお前、そもそも俺の事なんて好きじゃないでしょ」

「えー、好きだよ」

あまりにも軽い告白w

「あのさー、その好きに恋愛感情なんて全く無いでしょ。俺はわかるんだよ。お前が好きなのは、七股野郎とか不倫男とか、クラブで知り合った胡散臭い社長とか、そういうどうしようも無いのが好きなんだよ。俺みたいなマトモな男じゃないんだよ」

そうだった、全部知られてたんだわ

「今まではそうだったかもしれないけど、そろそろマトモなのもいいかなと思って」

全く自分で言っててもテキトーだった

そんな感じで、
あーでもないこーでもないと押し問答をしていると、私の視界にとんでもない光景が飛び込んできた。

「ちょ、ちょっと、N子!」

遠くのソファでSさんと顔を重ねているN子がいた。暗闇でも視力3.5だからよく見えた。西沢君も気付いたみたいで、

「あーあ、N子ちゃんたら」

あの鉄壁ガードのN子のあんな姿なんて初めて見た。私みたいな下品な女と違って、普段のN子は下ネタのシの字、エロのエの字すらも出てこないのに。

「Sさん流石だわね。あんなN子初めて見たわ」

すると西沢君が、

「お前、N子ちゃんに言っとけよ。あんな男辞めとけって。泣かされるだけだぞ」

「そう?私は意外とお似合いだと思うけど」

そこで私はSさんとのトイレの前でのやり取りを話した。

「お前バカかよ。あの男は飲み会行くといつもああだよ。仕事も出来て、先輩としては超いい人だし、あの通りすげー面白いけど、女は腐るほどいるぜ」

でしょうねw

「それでも私は止めないわ。N子が翻弄される姿が見たいもーん」

「お前も相変わらず悪趣味だよな」

「そっちこそ、あんなチャラ男連れてきたアンタも相当だよ」

「だよな。でも俺、Sさんお前にいいかと思ったんだよ。お前、ああいう男好きだろ。わかってんだよ」

確かにSさんの事は嫌いじゃない
むしろ大好物だよw

「いや、私は西沢君が好き」

2人で笑いながら再度カンパリをした。


夜はまだまだ続く・・・

(ごめんなさい。一気に最後まで書こうと思ったけど3500字超えちゃったので次回に持ち越します。西沢君の魅力が伝えきれずにすみませんw)












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