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囲碁漫画「伍と碁」の第1話を読んだ感想(ネタバレあり・1/28追記あり)
今日からヤングマガジンで「伍と碁」という囲碁漫画の連載が始まりました。
あの鉄板の囲碁漫画「ヒカルの碁」以来、21年ぶりの週刊誌による連載ということで期待が高まる本作品。
その第1話ということで本誌を買ってきました。(しかも監修の一人が新宿こども囲碁教室の同期の寺山先生だし)
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初回だからか64ページとボリュームたっぷりでしたが、あっという間に読み終わってしまうくらい面白かったです。
以下、感想をまとめました。
ネタバレも普通にしているので、未読の方はご注意ください。(目次の後、数行の空白の後に感想が始まります)
1.ネタバレ満載の感想
現実離れした部分と逆に現実味たっぷりな部分が融合した、なかなか面白い作品だと思います。
まず主人公の恒星。
毎日10時間勉強していたことを加味しても、囲碁を始めて4ヶ月で元院生に4年のブランクありで勝つのは、現実にいたらヤバいレベルです。
(1/29追記・修正:最初3ヶ月って書いていましたが、教室に行くまでに1ヶ月勉強しているので、正しくは4ヶ月ですね。どのみち凄いけど)というか勉強していた期間、学校に行っていたんだろうか。(笑)
下の下とはなっていますが、元院生なら高段者ですからね。
サンデーで連載している将棋漫画「龍と苺」の主人公を思わせるようなチートっぷり(笑)
ただ、自分のポテンシャルを自覚した上で囲碁を始める流れや、自分を上回る才能に挫折していく様は現実的に感じます。
それよりも共感を呼ぶのが、第一印象が大変よろしくない元院生の白山。
正直、4歳から囲碁をやっていて中1で院生入りでは、そこまで凄いと思わないんですが、自分が天才と信じて挫折した感じもがあるあるかなと思います。
でも、きちんと現実を受け入れられるところや、打破するために努力しているあたりは好感が持てて、1話目の中だけで評価が爆上がりしました(笑)(まぁプロ志望が町内レベルのボドゲコーナーで道場破りするなよ、とは思うけど。笑)
白山との対局を通して自分の才能を知った恒星、絡んで一緒に頑張っていくのかなと思う白山、そしてチート囲碁教室の不敵なおねーさんが気になる終わり方で、2話目以降も楽しみです。
2.囲碁普及の観点で良いと思ったところ
「ヒカルの碁」のように囲碁普及面でも期待されているであろう本作品。
個人的にいいなと思ったのが、恒星が囲碁を始める動機になった「囲碁界の藤井聡太になる」です。
これ、公式(というのかな?)で提示されたのは良かったなぁと。
私、ヤンマガの読者層ってあまりわからないんですけど、子どもがいる世代の人が読んだら「うちの子に目指させてみようかな」って思うかもしれないじゃないですか。
親御さんが思わなくても、作品に触れる機会(単行本とか)のある子ども自身が思うかもしれないし。
「ヒカルの碁」のときもヒカルの碁スクールができて『ヒカルを目指そう!』的なのがあったし、またそういう感じでやってほしいですね。
3.ツッコミどころ
面白いと思ったし、2話目以降も楽しみなんですが、どうしてもツッコミたいところがいくつかあるので、それをまとめてみました。
作品批判ではなく、単に気になるところを突っ込んでいるだけなので、軽いノリでお読みいただければと思います(笑)
(1)チート囲碁教室について
天才がやたら集まっている点については、教室のおねーさんのセリフで「数百億に一度しか起きない奇跡」と補完されているのでいいです。
でも「そんなチートが集まっているのに棋力の制限なかったんか?」とツッコミたい(笑)
高段者の自覚がなかったであろう恒星のセリフから察するに、具体的な棋力も提示されていなかったようなので、同業者としてはどんな教室なのか気になります。
(2)榎本翠くんの棋力
教室をやめてから囲碁をやっていなかった恒星は、教室をやめる時点で院生の下の下(高段者)の棋力だったと推測されます。
それなのにやめる直前、9子で負かしている翠くん、どんなバケモノだったんでしょう……。
しかも4年後、プロ初段として十段戦の挑戦者になっているあたり、おそらくプロなりたてと予想。
それくらいの実力があったらプロ入りから初段で停滞しないだろうし。
鮮烈なデビューを飾るためにあえてプロ入りを遅らせていたのか……謎が深まります。
以上、「伍と碁」の1話目の感想でした!
noteのマガジンで囲碁のルールをまとめています。
「伍と碁」を読んで囲碁に興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、参考にしていただければ幸いです!
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▼ 携わっている囲碁教室・サロン ▼
私が主宰している秋田市御所野にある囲碁教室です。
「こども教室」「おとな教室」「個別レッスン(指導碁・棋譜添削)」を展開しています。(こども教室と個別レッスンは、オンライン対応)
湯島囲碁喫茶さんの「オンライン囲碁サロン」の席亭を務めさせていただいています。
火曜日の20時から「OGS対局会」などを担当中です。(第5週を除く)
囲碁講師業のほか、秋田魁新報の観戦記(囲碁欄)の執筆も行っています。
詳しいプロフィールは、こちらからをご覧ください。
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