【級位者向け】勝手読みを減らす工夫
詰碁や手筋を解いているときに、ついついやってしまう勝手読み。答えのページをめくって「こんな初歩的な応手に気づかなかったのかー!」と思ったことのある方は数えきれないはず。
問題演習での勝手読み率は、そのまま実戦にも反映されるので、何とか減らしたいところ。
今回は、勝手読みを少しでも減らすための工夫のお話です。
1.一手ごとに問題の手番の認識を変えて考える
例えば黒先白死の問題。これを解くとき、皆さんはどう考えるでしょうか?
普通にいけば、黒が白を取ることばかり考えますよね(笑)
ただしこれだけでは、勝手読みに陥りがち。とにかく相手が取れる図をつくろうと必死になって、相手が必死に抵抗してくるという概念がなくなってしまうわけです。
そこでオススメなのが「一手ごとに問題の手番の認識を変える」というやり方。つまり黒先白死の問題でも、一手目を決めたら次は白先白生の問題として考えるわけです。そして二手目を考えたら、三手目は黒先白死……と繰り返していきます。最終的に白先白生で考えたときに、良い手が見つからなくなれば、正解である可能性が高いはずです。
読むときは相手の立場にもなって考えましょうといいますが、慣れていないと、ぼんやりした認識ではその切り替えは難しいと思います。黒先白死の問題だと思っていれば、無意識のうちに白の着手を自分の都合のいいほうへ読み進めがちです。
その点、問題の手番ごと切り替えて考えれば、常に自分の立場の思考にできるので読みやすくなります。面倒なようですが、そうやって考えているうちに、自然に相手の立場で考える癖がつくはずです。
2.正解でも楽をしていたら要注意
勝手読みで注意をしたいのは、誤答したときだけではありません。
例えば初手や結果(無条件生きなど)が合っていても、そこに至るまでの過程が楽な方向に行っていたら、一種の勝手読みです。
楽な方向とは、何らかの手筋などを使って正解に至るのを、それらを使わずに結果にたどり着いていることなどを指します。答えに解説がついている本であれば、それを読むと判別しやすいかもしれません。
自分の想定図と正解図に大きな違いがあった場合は、しっかり比べて何が違うのかを考えるようにしましょう。
と偉そうに言っていますが、私も完璧人間ではないので、自分で問題を解いていても「あちゃー」となることはよくあります(笑)。大事なのは勝手読みを減らす努力をすることです。
3.まとめ
・ 一手ごとに問題の手番を入れ替えて考えると、相手の手番も自分主体で読みやすい
・ 正解していても楽な図で考えていたら、勝手読みの一種