「棋道web」のレビュー
昨年の8月末で、46年間続いた「週刊碁」が休刊となりました。
その翌月、代わりに登場したのが、noteをプラットホームとした配信情報サイト「棋道web」です。
サービス開始から間もなく4ヶ月。
囲碁の日の記念(?)にレビューを綴りたいと思います。
書いてみたら長くなってしまったので、目次から気になるところだけ読んでいただいてOKです(笑)
1.サービスについて
日本棋院の回し者ではないのですが(笑)、とりあえずどんなサービスかを紹介しましょう。
◆ サービス内容
棋道webは、簡単にいえば週刊碁のデジタル版のようなものです。
棋戦のニュースから講座記事、読み物など、週刊碁に掲載されていたような内容が日々更新されています。
基本は有料ですが、一部の記事は無料で読めます。
私が読んでいる感じでは、下のような記事は無料ですかね。
棋道webのページを開けば、有料記事には値段が表示されているので、事前に確認できます。
ちなみに月の途中から始まった9月を除き、毎月100記事以上がアップされています。
料金プラン
デジタルコンテンツになった恩恵を受けてか、購読方法も下記の3つに増えました。
私は【定期購読マガジン】に登録して読んでいますが、読みたい内容が限られるなら【単発記事】で興味のあるものだけ購読するのもアリですね。
値段だけ見ると【定期購読マガジン】も【週刊マガジン】も週刊碁時代より高くなっていますが、コンテンツの内容や利便性を考えると十分だと思います。
登録方法などは公式でちゃんとまとめているので、下のページをご覧ください。
2.棋道webになってよかったと思うこと
(1)手軽に読めるようになった
一番はこれですね。
スマホがあれば、暇なときにサッと読める。週刊碁にはなかった利便性です。
週刊碁時代は、わざわざ持ち歩いて外で読むことはありませんでしたが、今は病院の待ち時間とかによく読みます(笑)
しかも記事が一覧で並んでいるので、読みたいものから手をつけやすいというのもポイント。
週刊碁も大きなトピックスは何面に載っているかがわかるようになっていましたが、それ以外はページをめくって探す感じ。(しかも載っているかどうかもわからないという)
私は囲碁普及系コラムなどが好きなので、そういうのを真っ先に探せるのは便利です。
(2)気になる記事を読み返しやすくなった
週刊碁時代は、切り抜いて保管する感じでした。
おかげ様で我が家には、整理されていない週刊碁が3年分くらい溜まっています(苦笑)
一方で棋道webは、スキを押したり、ブラウザのブックマークに登録すれば、該当記事にすぐアクセスできるような状態になります。
私はスキをしすぎて乱雑になってますが、溜め込んでも嵩にならないのがポイントですね(笑)
時間があるときにマガジンを作って整理すればいいですし。
個人で利用する分には、スクショして保存するのもアリかもしれません。
(3)図がたくさん載るようになった
紙面にかぎりのあった週刊碁時代と違い、棋戦の棋譜にしても講座記事にしても、図がたくさん使われるようになりました。
というか、これのおかげでできるようになった連載講座もあるのではないでしょうか。
棋譜も前以上に分割譜になったものが多い気がします。
(4)購読方法が増えた
サービス内容の紹介でも触れたんですが、購読方法が増えたのはメリットだと思います。
例えば、こども教室とかでもお子さんが全国大会に出て掲載されたときだけ買っていたご家庭も少なくないです。
そういうとき、該当の記事だけ買えるのは便利だと思います。(余談ですが、アマの大会のレポートは棋道webでは無料ですしね。笑)
3.デジタル化のデメリット
(1)共有が難しくなった
週刊碁時代は、居間にポンと置いておいて、読みたい人が読める感じになっていました。
ただ、棋道webはそうはいきません。
家族でシェアして読みたい場合は、一つのアカウントを共有して使うか、自分の端末で画面を出してあげて読ませるかという感じです。
まぁ前者をやれば万事解決な気はしますが、私は自分もnoteを発信のプラットホームの一つにしているので、家族で共有するのは嫌だぁと(苦笑)
課金用のアカウントを作ることも検討しましたが、いちいちログインし直すのが面倒だったので、自分のアカウントでの課金にしました(笑)
あとは少し話がズレますが、年配の方などデジタルコンテンツが性に合わないとか、登録の仕方がわからなくて離れたという方はいらっしゃるかもとは思います。(うちの父もその一人)
(2)形に残せなくなった
これがデジタルコンテンツの悲しいところですよね。
うちも私が全国大会で優勝した記事や自分で書いた記事とかは切り抜いてましたが、そういうかたちでは思い出に残せなくなったんだなと思ったり。
逆にコンテンツが削除されないかぎりは、紛失の心配もないですが。(うちはスクラップした記事、一部が行方不明です……)
(3)図が並列で見られない
図が多く掲載できるようになった一方で、コンテンツが縦スクロールの都合上、図を並列では見られなくなりました。
紙面だと、例えば本譜の横に参考図があって、比較しながら読めた部分もあったのですが。
そういう意味では、少し読みにくい部分もあるかもしれません。
ただ「ベスポジを探せ」とか「上達ハイウェー」といった問題系コンテンツは、逆に解くまで答えを見なくて済むのでいいんですけどね(笑)
4.お気に入りの連載
個人的に気に入っているコンテンツは以下の通り。
(1)上達ハイウェー
級位者から有段者向けの死活が10問出てくる連載。
手軽にサーっと取り組めるので、更新されたら解いてスキをするようにしています(笑)
たぶん毎週月曜日更新です。
(2)ベスポジを探せ
毎日1問、布石の問題が出題される連載。
これも手軽にできるので、できるだけ毎日やるようにしています。
(3)石の呼吸
某鬼退治漫画(私は大好き)の技から来ているであろうタイトルの連載(笑)
最新形や主流の打ち方を紹介しているもので、載せられる図の数が増えた恩恵を受けている連載かなと思います。
最新の定石事典代わりに使おうとスキをしまくり、実際に碁盤に並べて勉強できていないのは秘密です(笑)
(4)布石の基本マニュアル
級位者の方向けの連載ですが、講義のネタ探しに読んでいます。
ササっと読めるボリュームで、わかりやすいです。
また定期連載ではありませんが、囲碁普及活動系や指導者の方の読み物も好きですね。
ぜひ定期的にアップしていただきたいコンテンツです。
5.まとめ
個人的には総合的に「棋道web」のほうが利便性がいいので、このコンテンツの変化はいいと思います。
一時、記事を書かせていただいていた身としては、紙面がなくなったのは寂しい部分もありますが……。
せっかく良いコンテンツなので、たくさんの方に読んでいただけたらなと思います。
ちなみに9月分は全て無料で読めるので、どんな感じか参考にしてみてください。(決して日本棋院の回し者ではありません。笑)
長いレビュー文になりましたが、お読みくださった方、ありがとうございました!