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【作品】可能性の源泉 はじめに

◾︎沼のあるまちのはじまり
群馬県館林市。ここは遠い昔、海でした。
数万年の間に地球の氷が溶けたり固まったりする過程で水位が変動し、いくつかの大きな水たまりが生まれました。これが館林の沼の始まりです。

◾︎沼の活用
やがてその大きな水たまりは独自の沼の生態系に変化しました。沼は豊かな生命の源となり、その周辺にはさまざまな生物が集まりました。水は生命に欠かせないため、人々も沼の近くに集まり、やがて村が形成されました。

人々は沼を中心に生活を築き、その豊富な水資源を使って田畑を耕し、淡水魚の鮒や鯉を捕り、蓮根などの水草を食べて暮らしました。
沼に生える葦は茅葺き屋根やすだれ、籠などの日用品に使われ、沼の水は製鉄の際にも冷却に利用されました。

人々は貉(タヌキ)、狐、龍、雷神などの物語を作り、時には信仰し、自然と調和して生活していました。 私がわかる範囲でも物語の数は84個存在します。

◾︎技術の進歩
やがて技術が進歩するにつれて生活は便利になり、人々は生活のために自然を利用する必要がなくなっていきました。沼で漁をすることも減り、生活排水が沼の水質を変えました。蓮根も長らく採取されないまま沼の底で眠り、葦林も鬱蒼と茂っています。

そうした中でも人々は自然との関わり方を見つめ直し続けています。沼の近くに小道を作り、公園や遊び場として沼を再利用し始めました。また、沼の文化を継承する「里沼」としての活動も盛んです。



◾︎変化するまち
海から沼へ、盆地へ。藩から県へ。栃木県から群馬県へ。館林は常に変化と共にありました。

生態系も、人々も、天災などの予測不能な流れに適応し、しなやかに変化を受け入れてきました。

◾︎未来の人たちへのメッセージ

今回の作品は
これまでの館林の変化に適応してきた生物たちを描いています。

この生物たちのように
予測できない環境の変化にうまく付き合っていきたい。

◾︎作品一覧(5つの連作)


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