映画 イチケイのカラス
2023年公開の映画。
Amazon prime見放題。
ドラマシリーズ→スペシャルドラマ→映画の順に見た。放送順だ。
ドラマシリーズの出演陣ははっきり言って地味(主要キャスト:竹野内豊、小日向文世、黒木華)で、しかし演技力が高い人たちなので楽しめた。
スペシャルドラマの主要キャストには何故か演技がめちゃめちゃ下手なジャニーズjrが出演していて、しかも冒頭からHIGH&LOWみたいなノリだったので流し見した。
で、映画。(ネタバレあり)
感想のすべて↓
地方を舞台にしないでくれ
このドラマはそもそも東京地方裁判所の話だ。
警視庁や検察庁、最高裁判所、国会(議員)など、「千代田区界隈のなんか偉い人たちの圧力に屈しない勇敢な裁判官たち」を描いた熱いドラマだと思っている。私は。そしてそれが好きだ。
この話の舞台を地方に移すとどうなるか。
敵は「田舎の陰湿で閉鎖的な慣習」に変化する。
いらんわ。
それ知ってるから。
例えフィクションであろうと、私は「なんかよく知らん世界(有楽町の手前にある駅、永田町とか桜田門界隈)で巨悪に対峙する裁判官たち」が好きだった。
映画のあらすじ。
舞台は岡山県の海沿いの小さな町。
町を支える地元大企業からの汚染物質の流出を疑う黒木華さん(坂間弁護士)。
町の財政と雇用を支える大企業。町民の誇りだ。
しかし、その企業から漏れたと考えられる汚染物質により数々の被害者(死者含む)が出る。
それでも町を守ろうと、社会的なルール(コンプライェンス)に反してまでも汚染物質を隠蔽しようとする町民。
はいバカ
田舎者をバカにしているわけではない。そして、この設定にリアリティがないと言っているわけでもない。
単純に好みの問題だが、私は「社会的規範(主に法)を破ってまで小さな故郷を守る」という設定がめちゃくちゃ嫌いだ。
この設定にありがちな私刑も当然出てくる。これも嫌い。
理由はうまく説明できない。
とりあえず、ダメなものはダメだからだ。
小さな町が破綻しようと、破綻せざるを得ない理由(この場合は地元大企業の倒産)があるのなら、それに従うべきだ。
私刑もダメ。法律でダメって言ってるから。
裁判に出廷した狂った町民たちに竹野内豊さん(入間裁判長)は一言
「あなたたちの町は病気です」
と伝える。禿同。
こういう町でこういうことが起これば町民はこういう行動を起こすだろうし、その町に置かれる、本来は社会的に正しい行いに導くためのストッパー(警察や行政、医師や弁護士もそうだ)が機能しないのも事実だ。マジで町全体が病気。
黒木華さん(坂間弁護士)が無事に裁判を終えられたのは奇跡で、リアルな話であれば村八分にされて訴訟提起すらままならないだろう。
だから、本編の中で原告のラーメン屋が石を投げられて店を破壊されたり坂間弁護士のアパートに放火されたのはある意味リアル。胸糞。
続編があるなら今までどおり東京地裁を舞台にしてください
切なる願い。