やらねばならぬ時ってあるよね
大学4年生になった頃、
1年弱くらいお付き合いした彼氏Rと別れた。
わたしは就職を見据えて生きているところを、
2つ下のその彼氏Rはミサワ度全開だったのだ。(※参考)
時期的なものもあってわたしはそこそこ苦労して就活を終わらせたのだが、
「俺だったらこうするわ〜」
「こうすればいいのに〜」
「あ〜俺最近寝てないわ〜」
要するに想像力が無く、押し付けがましくウザかったので、
わたしはとても疲れていた。
わたしの就職先は東京の予定だった。
同期にはわたしが背伸びしても入れないような大学の人がたくさんいて、とても焦っていた。
こんなミサワ野郎と付き合っているとバカになる!!!
というわけで別れた。
わたしはようやく!やっと!別れると言えた!と肩の荷が降りた気分であったが、
元彼Rの方はといえば未練タラタラであった。
「俺、ベニカに釣り合う男になるから」
「俺、頑張るから!」
「俺、もっと大人になって迎えに行くから!」
というメッセージが毎日のように、いや毎日何通も来ていた。
自己陶酔にわたしを巻き込むな!いやほんと来ないで!!
と思っていた。
本当にめちゃくちゃめんどくさかった。
別れたのに日々そんなメッセージを受け取りとても疲弊していた頃、
元彼Rと同学年の後輩女子Aからメッセージが届いた。
「Rくんと付き合うことになりました!実は最初からずっと好きだったんです!わたしが彼を幸せにしますね!!」
(※本当はもっとドラマじみて自分に酔っており、わたしには到底書けないであろう文章だったが、思い出すのも不可能なため簡略化してお送りしております。)
はぁ〜ん???
まためんどくさいのがきたな…。
ほんのつい昨日まで元彼Rから
「俺頑張る、ベニカのために!!」
みたいなメッセージが来ていたのである。
一夜にしてこれ…。
いや、良いよ、もう別れたから…。
Aちゃんとは、元彼Rと3人で遊んだことも何度かあった。
だから「実はずっと好きでした」なのかな…
ふーん、うーん、どうでもよ…
勝手に付き合っておけばよくない???
どうでも良いけどわたしをドラマに巻き込むなよ!!!!
ってか、
「わたしが幸せにします!」
ってわたしが元彼Rを不幸にしたみたいじゃない????
違うけど??????
ってか何その思い上がり!!!!
宣戦布告か????
わたしはだんだん腹が立ってきた。
おとなしくしていたら祝福してやったのに…
許さんぞこのブスが!!!!!!!
(※わたしは人の顔の造作については普段から割とどうでも良いと思っており、美醜に関してもかなりどうでもいいと思うタイプなのですが、この場合相手を敵認定したので「ブス」呼びした次第でございます。ルッキズムには気をつけよう)
二人ともめんどくせー!!!!!!!
もうほっといてくれよ!!!!!!
…もう戦じゃ…戦じゃー!!!!!!!!
ボォォ〜!!!!!!(ホラ貝)
であえであえー!!!!!!
わたしは当時血の気が多かった。
あとプライドが高かった。
ふざけるなよ若造ども…!!!!!!!
全部…全部燃やしてやる…!!!!
火の海にしてくれるわ!!!!
とりあえず元彼Rに、
「置いてた荷物取りに行くねー」
とメッセージを送った。
顔を合わせるのも嫌で取りに行っていなかったが、
もう彼女が出来たならそれはそれは取りにいかねばなるまい!
あと、後輩Aには、
「え、これ泥棒猫とか言った方がいい感じなの??」
と返信しておいた。
厳密には取られたわけでは無いので全然泥棒猫では無いのだが、
あまりのドラマ感にやられてつい送ってしまった。
さて。
どこぞの銀行員なら「倍返しだ!」とかなんとか言ってる頃であろう。
見てないからてきとうに言ってみたがたぶんそうだろう。
とりあえずメッセージを二件送り終えたわたしは、
次のステップに入ることにした。
迅速に、すぐヤレる男を召喚した。
この男、今後出てくるかどうかわからんけどとりあえずTとする。
Tとは元彼Rとまだ付き合っている頃から結構いい感じ(浮気はしてない)であり、
お付き合いとしては正直ノーサンキューではあったが、
お突き合いとしては一度試してみたいと思っていた。
まぁ良い、背に腹はかえられぬのだ。
今回においては迅速さが第一であった。
アタイの、プライドにかけて…!!!
アタイは(一人称変わっとる)、Tにお願いした。
「首にキスマークをつけて」
と。
今までお付き合いをした方、お突き合いをした方、
共にキスマークなどをつけさせたことはなかった。
きちんとしたお付き合いでもお断りをしてきた。
服で隠れるところであっても、一度もつけさせたことはない。
当時女友達と突然行くことが多かったスーパー銭湯で、
変な空気になりたくなかったのだ。
誰かに愛されてる証のキスマークより、
今日もしかしたら行くかもしれないスーパー銭湯の方が大事だった。
アタイはアタイ!
誰のものでもなくってよ!!!
そういうプライドもあった。
だが…
やらねばならぬ時が来たのだ。
今が、その時なのだ。
いざ、出陣…!!!!
Tは喜んでわたしの首にキスマークをつけた。
ていうか一ヶ所でいいのに二ヶ所もつけやがった。
正直痛かった。
「内出血っていうもんな…」と納得したけども。
これで準備は整った。
決戦である。
普段あまり化粧をしていなかったが、くどくならないように薄く化粧をした。
そして、そんなに何度も着ていない、お気に入りのキメ服を着る。
完璧やん?
ちなみに当時わたしはとても細く、とてもスタイルが良かった。(思わず太字)
身長が一緒なので芸人のヒコロヒーさんを思い浮かべて欲しいところだ。
ちなみに後輩女子Aは身長が小さめで、横幅も大きめ、顔立ちはもう完全に忘れたけど絶対にブスである。
(ルッキズムは良くないと思っているよ!敵だからブスって言ってるだけだよ!!)
完璧な状態のわたしは、Rの家に荷物を取りに行った。
Rはわたしを待ちかねていたようですぐにドアを開けた。
「久しぶり」
一言で未練があふれているのがわかった。
あれ?彼女できたんじゃなかったっけ??
「元気だよー!なんか、彼女できたんだって?」
わたしがニッコリ笑うと、うろたえるR。
「え、なんで…」
「Aちゃんが教えてくれたよー☆」
「いや、俺、その…」
突然、怒涛の言い訳タイムが始まった。
もう別れているし、詳細はどうでもいいので聞きたくなかったのだが。
Rの長い言い訳を要約すると、わたしに振られてRが傷心中だと知ったAちゃんが「相談に乗るよ」とかなんとか言ってきて宅飲みをすることになったらしい。
そのまま肉弾戦に持ち込まれたらしい。Aちゃん、処女だったのに。
その心意気は買いたい。高値で買いたい。やるじゃん。
だけどわたし達は敵同士になってしまったね…。わたしに喧嘩を売らなければ良かったのに。
事後にRが責任を感じて付き合うことになったようだが、もはや気持ちはそこには無いようだった。
だって、言い訳が長すぎる…。っていうかこんなに全部話すなよ。
「半同棲状態だったから結構荷物あるよな」と思っていたのだが、言い訳を聞いている間に全て回収を終えてしまった。
「いやー、ごめん、そんなこと聞かされてもさ!わたしは荷物を取りに来ただけだから!」
「そっか…」
終始テンションの低いRである。
「じゃあ、帰るね!」
「え、あ、首…」
「わたしの首がなにか?君のことはAちゃんが幸せにするらしいよ!お幸せにね〜!」
背を向けて振り返らずに帰ったわたしはきっとモデルのようだったであろう。
後悔するが良いさ。
そのあとRからは怒涛のメッセージが届き続けた。
・やっぱりベニカのことが好きだ!
・首にキスマークのようなものがあったが、もしかしてもう彼氏ができたのか?
・やり直すチャンスが欲しい!
・俺はベニカのために頑張るって言ったのになんてことを…
・Aとは別れるからもう一度付き合って欲しい!
・ていうかAとは別れた!
展開早くない!?
まぁ体で落とした関係なんてそんなもんよね…
ふふふふふ…ふはははははははははは!!!!!!
ここで終わるとかっこいいんだけど。
(いや全然かっこよくはない。イカれ野郎でしかない。自分で書いてて思うけどわたしは一体何がしたかったのか。)
このあと用事があったからキスマークついてること忘れて、普通に大学に行ったら、
「ちょちょちょ首首!!!!」
って友人達にめっちゃ突っ込まれた。
帰って鏡見たらほんとめっちゃクッキリハッキリ!
どう見てもキスマークです本当にありがとうございました\(^o^)/
しかも数日落ちなくて。
ファンデーションで隠そうにも隠せなくて。
二ヶ所もあるし。
その後数日間、キスマークを見た友人や、見た友人から聞いた人が、
「彼氏と別れたんじゃなかったっけ??なんかキスマークつけてたんだって??何事???」
と聞かれたりした。
「元彼とその新彼女に嫌がらせをするためにすぐヤレる男につけてもらいました!!!!!」
とは言えませんよ、さすがにね!!!!!!!
めっちゃ周辺をざわざわさせてしまった。
一応隠れビッチだったのに。
突然全力でビッチ感出しちゃった。
もうすぐ卒業だからなんでも良いか!!!!!!!
と思ってたのに一年留年したのはまた別の話☆
※結局自爆に巻き込んだ感じ
※そういえば迅速にヤレる男Tとはこのあとめちゃくちゃ揉めたけど面白く無いから省略w