できれば作り話であってほしいとわたしも思う。
あまりにも驚くと、その後の記憶が無くなることを知った時の話。
大学生のある時期にお付き合いをしていた彼は、
元カノにされた仕打ちが不憫だと仲間内で話題だった。
付き合うという口約束のみで一年弱、デートなどは全く無く、
クリスマスプレゼントにアルバイトを増やして奮発して買った高めのアクセサリーは受け取り拒否の上、
そのままお付き合いを終了するに至ったという。
その後に付き合ったのがわたしだった。
彼の周りの人たちから、過剰な祝福をされていたのを感じた。
また彼はDTであると有名であった。
彼は彼の友人達から、
「よかったな!これでDT捨てれるぞ!」
といったような祝福もされていた。
正直ちょっと微妙な気分にもなったが、まぁ大学生である。
はっきり言って付き合ったらセッ久するであろう。
それはもう確定じゃん。
え、確定だよね?そうだよね?
なのでわたしとしては、
「DT?別に気にしないけど。しゃーねーな、まかせとけ」
というような気分であった。
そんな彼とお付き合いをして、初めて家に遊びに行くことになった。
まぁ色々と端折るが、酒を覚えたての大学生である。
やっぱり酒を飲むことにした。
そして、そこそこ飲んでからいざ、ということになった。
わたしがリードするべきなのか、
それとも彼がリードしたいタイプだとしたら、何もしないほうがいいのだろうか?
色々考えたが、まぁ流れに任せることにした。
彼は元カノにされた仕打ちがまだ身にこたえているようで、
「よくぞこの自分がここまでたどり着けた…!」
というような、並々ならぬ情熱が垣間見えたのがちょっと怖かったが、
男性のDTって結構コンプレックスの人もいるみたいだもんな…
と思ってスルーすることにした。
別にそんなの気にしないのにね。
というわけで、準備的なんやかんやのことがあった。
そしていざ中のいざの手前!
メイン中のメインの手前!
ドラマでいう主題歌がかかり始めるくらいのタイミングの時である。
…ドラマをあんまり見ないから、正直想像で言っているが。
とにかくとにかく、大盛り上がりの手前の時のことである。
直前!!!って感じの時である。
(たとえって難しいね☆)
酔っ払ったからか、感極まったのか知らないが、
彼はとんでもないことを言った。
「二次元じゃない…」
呟くようにそう言った。
確実にそう言った。
忘れたいがどうしても忘れられない。
絶対に言った。
夢であってほしいと思ったが、夢ではなかった。
えぇ!?
いや、そうだよ、
二次元じゃないよ???
わたしは二次元じゃなく三次元、
四次元はドラえもん…
二次元ではない。
わたしは、二次元では、ない!
???????
二次元ってなんだっけ…
色々と驚いているうちに、全てのことが済んでいた。
何が起きたのかわからなかった。
わたしの驚きが長かったのか、
彼の頑張りが短かったのかは、
神のみぞ知る…。
後日、彼の部屋で
「パソコン使ってていいよー」
と言われた時。
スリープを解除したモニターに現れたのは、
大量の二次元エロ画像でした。
本当にありがとうございました\(^o^)/
いやパソコン使ってていいよっていうなら消しとけよ…
ブックマークもなんとかしとけよ…
忘れられないあの画面…
(全体的にピンクとか肌色だったよ☆)
(海外のサイトみたいだったよ☆)
(彼が見ていたのは未成年が多めの感じだったよ☆)
みんなもテンションが上がった時にいらんことを呟かないように気をつけようね!
また、恋人等にパソコンを貸すときは画面やブックマークなどに気をつけようね!
「三次元マスク」という商品をコンビニやドラッグストアで見かけるたびに彼のことを思い出す。
そして申し訳ないけどめっちゃ笑ってしまう。
彼は今、どの次元で生きているのだろうか?
※残念ながら全て実話。