英語ができないなんて、ただの言い訳なんだ
英語が話せないなんて、ただの言い訳だった。
恥ずかしがり屋で、シャイで、勇気がない自分を、"英語ができない"というスキルのせいにして、ただ逃げていただけだった。
***
成田空港に向かう電車の中。
日暮里駅で乗り換えて、京成線に乗り込む。
1時間乗りっぱなしだから、自分の座席をちゃんと確保できたことに安心して、のんびり電車に揺られて数駅過ぎた時だった。
1人の外国人男性がわたしと同じ車両に乗り込んできた。
「えあぽっと?」
彼は乗客に話しかける。
(ああ、多分空港に行きたいんだろうな。この電車でたどり着くかどうかが聞きたいんだろうな。)
彼はさらにいろんな人に話しかけた。
「えあぽっと?えあぽっと?」
でも、誰も答えようとしない。
彼と目を合わそうとすらしない。
見るに見かねて、わたしは思わず声をかけた。
『Are you going to Narita Airport?』
英語なんて話せない。なんて伝えればいいのかわからない。机上で学んだジャパニーズイングリッシュしかわからないけれど、成田空港までの行き方ぐらい、わたしにだって伝えられるはず。
"この電車に乗れば空港に着くよ""あと30分くらいだよ""第2ターミナルは次の駅だよ"
わたしも彼も片言の英語だった。
でも、ちゃんと通じた。
せっかく異国の日本に来たのに、悲しい気持ちで帰って欲しくなかった。日本人は話しかけても誰も答えてくれない、そんな冷たい国だなんて思って欲しくなかった。
目的の駅に着いて、彼は何度も「thank you」と繰り返し繰り返しわたしに伝えてくれた。そんな姿を見て、勇気を出して声をかけて本当に良かったなって思った。
英語ができないなんて、ただの言い訳なんだ。
伝えようっていう気持ちがあれば、ちゃんと伝わるんだ。
ずっと心の中で抱いていた英語に対する障壁が、少し崩れた気がした。
やればできるじゃんって、思えた。
きっと、できないことなんてないんだ。
できないって決めつけていたのは自分だったんだ。
無意識に、自分の可能性に蓋をしていた。
もったいないことしていたなぁ。
***
自分の限界を、自分で決めてしまわないこと。
自分の可能性に蓋をしないこと。
これを大事に、生きていきたい。
今日もお疲れ様でした。
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