【ニューヨーク住み20年】リチャード・アヴェドン:メトロポリタン美術館 MURALS を見てきた
アヴェドンとの出会いはまだ日本に住んでいた頃、遊びに行った友達の本棚にあった写真集だ。リビングに置かれた本棚には、他にも、いわゆるお洒落な写真集がいくつもあり、その中の1冊だった。その時は、くっきりはっきりリアルなアヴェドンよりも、心地よい親密感を感じさせるジョンベルに惹かれたのも懐かしい思い出だ。いかにも女子好み、時は流れた(笑)先日、日本からのゲストのご案内で夏から続いていたアヴェドンの特別展MURALS を再訪する機会に恵まれた。
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特別展 MURALS
今回特別展はリチャード・アヴェドンの生誕100年を記念したもので、MURALとは壁画のことで今回はそのうち3作品が展示されている。10メートル超の大きさの作品を、さらりと展示してしまえるのがメトの凄いところかもしれない。
入り口を入ってすぐに目に飛び込んでくる大作の一番端に写っているのは、アンディー・ウォーホール。一緒に写っているのは、彼の実験的なアートの場所であるファクトリーの仲間たちだ。モノクロの大きな写真は超リアルなのに、なぜか奥行きや重さを感じさせない。今見ても、大胆なヌードも卑猥さはない。
ウォーホール達の向かい側にあるのはスーツを着た男達の写真だ。解説によると、今回展示されている写真は20世紀後半の社会に大きく影響を与えた者たち、アーティスたち、ベトナム戦争の主導者と、反対デモ隊のメンバーを写しているとのことなので、権力の側にあった者たちなのだろう。威圧感や狂気を感じることはないが、立ち方、表情などから温かみは感じられない。
これらの写真は並列に並べられるのではなく、向かい合わせて展示してあるため、観覧者は被写体に囲まれる形になり、観るというより感じる、体験する空間が作り出されている。
リチャード・アヴェドン
とは
ファッション写真からキャリアをスタートさせたアドヴェンは、ハーパスバザー、ヴォーグとファッション写真の世界で確固とした地位を築いた。彼の写真は洗練されたスタイルとモデルの鮮やかなポージングが持ち味。
パリ・コレクション撮影では数々の傑作を撮ると同時に、伝説的なエピソードも数多く残している。友人のレナード・ガーシェが彼と当時の妻をモデルにして書いた脚本が映画化されたのが「パリの恋人」である。
また、ポートレートの分野でも卓越した技法を駆使して、多くの著名人の肖像写真を撮影している。1948年にパリで撮影されたココ・シャネルのポートレートは背景に政治的な看板が配されていたいた為、誌面に掲載されることはなかったが、シャネル本人は気に入っていたと伝えられている。
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ayame_yamamoto
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