川崎に咲き誇る秘密の花園♡

「聖ロック座女学園・番外編 約束の地♡カワサキ」

その日もカワサキは雨だった。
聖ロック座女学園の謎の転校生、徳永しおりは一軒のストリップ小屋の前に佇んでいた。
「...ここが川崎ロック座、調べがいがありそうね」
しかし入り口を塞ぐは、2頭の貫禄ある大きな亀。しかし瞳はとてもつぶらで可愛い。
(ここを通りたければ...分かっているな)
貫禄がある亀たちは、しおりをちらりと見つめる。
しおりは怪しげな微笑みを浮かべると、隠し持っていた銀タッパーにたんと積まれた新鮮な刻んだ果物や野菜をそっと2頭の目の前に置いた。
(...よし、通ってよし!)
うん、こりゃうまい、という亀たちの呟きを心で伺いつつも、しおりは雨風が吹き荒れる小屋にそっと足を踏み入れていった...。
今日は6人の踊り子の4回公演、さあ、どんな新たな謎が待ち受けているのだろうか?
乞うご期待...。

「続く」

1、沢村れいかさん

横浜以来のれいかさん、今回は「女賭博師」と「祭1」の2つ出しでした。
「女賭博師」は初見でした、れいかさんといえば、芯のある女性を踊られるイメージが強くて今回の演目もよくそれが際立って見えました。
サイコロ転がして、やいのやいの言うヤクザ者をドスで黙らせ啖呵を切る。
….かっこええ...。
踊りではキレある動きで、和服姿でドスの殺陣などでも魅せていましたが、衣装変えしたベットでは表情は一変。回る盆の中心でそっとサイコロを振る姿はどこか儚げで「女性」を色濃く感じさせる。男には媚びないけど、ふと見せる弱さって素敵だよなぁ。
ポラでもおっしゃってたけど、やはりカッコ良い演目なので美しさとカッコ良さを追求した一作だったらしいです。見れてよかったー!
そして、残暑厳しい9月にも見れましたよ。提灯とはっぴ、ねじり鉢巻の祭1!
はじめからフルスロットルのこの曲、魂が燃えます、見てる方も。
いつでも全力疾走、全身全霊というれいかさんがいかんなく楽しめる一作だと思います。
横浜でも既に見ているのですが、エイサーの神々の舞いも素晴らしいのですが、この人々を鼓舞しまるで小屋を祭会場に早代わりさせてしまう雰囲気作りが本当に凄い。
特にベットで思い切りポーズを切った後でも、立ち上がりでも「まだまだぁ!」とボルテージを上げて、客もそれに応じるように手拍子が止まらない、汗だくのれいかさんも客を笑顔で煽りながらもっとー!とコール&レスポンス。
劇場内で声は掛けられずとも、こうやって手拍子だけでもどんどん叩く音が大きくなって、血が沸騰して止まらないってこういうことなんだって体感しました。ほんと大好き!


2、天瀬めるかさん

本劇場でデビューされた踊り子さんです、本当におめでとうございます!
小柄で可愛いフリフリのワンピースで登場しためるかさん、まず刮目したのは踊りの質。
多分、ダンス経験あるか「踊ってみた」とかで何かしらされていたのかと思うくらいのクオリティ、そして写真よりも遥かに、無茶苦茶可愛い!!!
ほんとね、いつも思うんだけど仕方ないんだけど、劇場前に出されている踊り子さん達のお写真ってご本人の10000分の1位の魅力しか伝わってないから!改めて色んな踊り子さんを拝見して舞台で踊る色んな踊り子さんは生で見るのはやはり最高の最高だと思う。
そんなめるかさん、特にM2の楽器を持たないパンクバンドの楽曲、私も大好きなので心に特に刻まれた。何よりもその振りが完璧で、踊り子さんって演目中、話さない方も多いので曲に気持ちを込める方も多いので心がじーんとしたんですよね、しかもハードな踊りなのに。ベットでも懸命にポーズを決めておられて、曲へのアーティストへの愛が溢れんばかり。OPでもフリ真似まで用意するなど
「ほんとに、新人さん!?」
と他の方もおっしゃったけど、私もそう思った一人です。胸に宿る薔薇のタトゥー(アートかもしれないけど)もとっても綺麗。
既に次のコースも決まっておられるので、これからのご活躍に期待です!


3、倖田李梨さん

私は1回目の李梨さんの演目に到着したので、ちょうど川崎ではじめて見たのが李梨さんのベット部分でした。曲はごりごりのヒップホップ、そしてなんという身体の柔らかさ。
あまり少し見た目アウトローな踊り子さんってまだあまり拝見していなかったので、凄く衝撃でした。
2回目の演目では漢字が沢山描かれた羽織を羽織っていらっしゃるんですけど、その時もヒップホップで、何だか勝手に李梨さんって「言魂」で踊る方だなって思ったんです。
その曲の意味も全て理解して、それをいかに増幅し表現できるか。その身体のしなやかさを使って。途中で椅子に羽織りをばさっと掛けるんですが、その瞬間羽織りが「いなせな男」に早代わりするんですよね。
私の男なの、なんて怪しく微笑む李梨さん。ベットにやってくるととにかくポーズが凄い。じっと見ると筋肉美が凄いの。すらっと伸びる足。ロングブーツや蛍光ロープで飾る足に無駄な肉が一切なくて、アクロバティックなポーズを支える腕は筋肉隆々。
でも、色っぽくてギャルでもありお姉様でもあり、もう何だろう。異次元的な強さ?みたいな。あとOPがめっちゃおもろい、あれは是非参加すべし。
でもポラでは素晴らしい声で「倖田李梨です!よろしくお願いいたします!」って挨拶してて、常連さんも沢山並んでて女性の方もいて、そうだよなぁって凄く頷きました。
聖ロック座女学園でも、アウトローで咥えタバコなのに強くて優しくて「李梨さん」って(あえてお姐さんではなく)呼ぶのは意外と拘りました!そんなイメージの方です。

4、小春さん

SNA以来の小春さん、以前拝見した演目が「ラブ・ドラマティック」と「アイランド」だったのでとっても可愛くてアイドルっぽい印象が凄く強かったのです。
(だから「おじさん」ってなに?って思ってました)
ところがですよ、今回の「目合ひ」を見て吹っ飛びましたよ。イメージ全部吹っ飛んだ。凄い世界観。
天狗の洞窟に迷い込んだ美しい女性、それを見つけた天狗。己の長い鼻で威嚇しつつ女性を深淵に追い込む。それを小春さんは天狗の格好と面(最後までほぼ取らない)、女性を長襦袢で表現。ベッドまで連れ込むと、自らも洋服を脱ぎ捨てる、彼女を抱くために。
小春さんって凄くマシュマロボディで本当に可愛いのに、その時にまだ面もしていることから「あっ!天狗は女性か!」なんて性別なんて忘れて見入っていたので、はっとした。
盆の上に広げられる美しい女性ものの長襦袢、面を取ると怪しげな笑顔を浮かべた人物が。面を下半身につけると、面で(男性器で)着物を鼻で貫く、何度も、何度も。
こんな背徳感があって、身体の芯まで冷え込みそうな演目を見ているのに凄く個人的にドキドキしたなあ。こういうの好きだなあ。もう誰も助けなんて来てくれない洞窟の中で交わう2人が見えたから。
最後は観客を挑発するような笑みで静かに終わる演目、拍手すらしていいのか不思議な間。
圧倒的でした。


5、木葉ちひろさん

祭音1st以来の木葉ちゃん!
すっごく楽しみにしていました。今回の演目は「曼珠沙華」と「My self」です。
曼珠沙華は初見、江戸の町を恋焦がれる男に再び出会うために焼き尽くし、自らも焼いた女のお話。
物語性の強い作品は意外と初めてで、つい見入ってしまいました。
M1が終わり、パチパチと火花が街に広がっていく中で、後退りながら
「あ、あたしは悪くないよ、あたしはあの人に会いたかっただけなんだ、悪くないんだから...」
と凄い笑顔を浮かべるんですよ、もう鳥肌ね。完全もう考え方狂ってるお七だけど、もう気持ちが純粋でね、真っ直ぐでね、それでの狂気の笑顔って、まじで怖いの。
そのあとは真っ赤な衣装に着替えて、見事な舞いで炎そのものになり江戸を焼き尽くしていく。絶えず鳴らされる鐘の音。だけど、愛した人は出てこない、来てくれない。
お七はそのまま焼き尽くされる。
ベットでは死んだお七が、黄泉にもいけず地獄へもいけず何もない世界で踊る。
それを見た時
「彼女は彼と出会いたいが為に、町を焼き、自分の世界すら壊してしまったんだね」
と思いました。強いポーズを決めた後、立ち上がり微笑む姿。
しかしそこに救いはまるで感じられず、哀しいまま...。

そのあとの「My Self」はもうなんていうか人間にとっての応援歌でもあり光だと思う。
心のユンケルって言ったけど、元気になるし頑張ろうって思う。
曲も全て履修して望んだらまた見方も全然違って、はじめの哀しいフード姿も、虹色で飛び跳ねる姿も、真っ白な姿で美しく舞う姿も、メッセージ強く自分の髪の毛をじっと見つめる姿。
「自分は自分らしく、生きれば良い」
やっぱりあたし、木葉ちゃんが大好きだー!!!


6、徳永しおりさん

さあ、やってまいりました。ラスボスのお時間です。
「I'm the Last.」と「サキュパス」を拝見しました。
横浜でラスボスは拝見したのですが、とにかく呼吸困難になるくらいカッコよかったです。でもやはり横浜の地は少し舞台が小さかったので川崎の地で見れたことが嬉しかったです。
もふもふ羽織り、扇、そして和傘、所狭しと踊りまくる。
なんといってもM1の拍手がどうしても鳴ってしまいがちだけど、曲が終わってからのずばっという扇の広げに「....あぅん!」と、表現するなら脳イキするくらい好きです(表現よ)ベットでは女のお色気むんむんのしおりーぬ様が堪能できて一粒で二度美味しい演目です。
そして初見のサキュパス、これは踊り子さんに頂いた作品ということでしたが...え、これ全女子大好きなやつじゃない?マジで、マジで。
一見地味なクラシックメイド、床を拭き通り過ぎるご主人様たちにうやうやしく礼をする。
しかしご主人一家の若い次期当主の男性が彼女に目を奪われた。地味メイドの美しさに気づいたのだ。
舞台が暗転し、先程の地味メイドはサキュパスとなりセクシーなボンテージに太ももには銀のナイフとフォークが挟まっている。サキュパスは新たな獲物を手に入れる為に、夜、先程目線を受けた若き当主の部屋に忍び込む。眠り込む彼にそっと忍び寄る。目を覚ました彼は驚くがあまりに妖艶なサキュパスに一度は拒絶する。彼は初心だったのだ。
「これで終わっていいの?もう夜が明けるわよ」
盆でサキュパスはそう耳元で囁いたのかもしれない。その瞬間、彼の理性が崩壊しスーツがサキュパスを襲う、それを笑顔で全てを受けるサキュパス。
これを空っぽのスーツひとつでしおりさんはエアセするんだ、めっちゃエロいな。
あと個人的に我慢できなくて、理性ぶっ壊れ系いいよなとなってる(鼻血)
彼が果てた後、サキュパスは心を奪った彼の心臓を持っていたフォークとナイフで抉り出す、吹き出す鮮血。嬉しそうに血を浴び心臓を一飲み。
そして静かにスーツを引きずりつつ、またサキュパスは新たな獲物を探しにいく。
….もうここまで語ってるからあれですよね、私、めっちゃ好きです。

ポラの時にまさかのれいかさんから受け継いだというロック座女学園の制服を来てこられたのでホイホイされました。隣ではWポラだったので猫耳木葉ちゃんという眼福すぎる風景が。ここで「小説書いてもいいですか?」と了承いただいたので、あれがこうなってそうなったんですよ。


「聖ロック座女学園 カワサキ エピローグ」

「...ふう、これでとりあえず調査は終わったわね」
しおりはぱたんと調査ファイルを閉じながら、満足げに呟いた。
「あ、終わったの?ねー、一緒に新鮮な生ジュース飲まない?」
背中からつつつと指でしおりをくすぐりながら、面白げに笑う小春
「あっ!はい!...いただきます」
「目の前で、一滴もお残しなし...だからねぇ」
思わず頬を染めるしおりの頭をそっと撫でる小春。

「おーい、木葉ちゃーん、めるかちゃん。一緒に亀さんのご飯作ろうよ!」
そう無邪気な笑顔で呼びかけるのは沢村れいかだ。
「わーい!お手伝いします!」
「亀ってからあげって食べますかね?」
「食べないよー」
わいわいと台所で賑やかに歓声を上げる3人

そんな仲睦まじい姿を見ながら、李梨は新しい煙草に火をつけふーっと煙を吐いた。
「今日も実に平和だねえ、いつまでも続いて欲しいねぇ」
黄昏ながら呟く。すると小春がえいっと背中に飛びついてきた。
「んもう、一緒にジュース飲みましょうよー。秋限定のおいものとかありますよー」
「マジで!?芋大好き!のものも!」
こうして今日も川崎ロック座の一日はまた賑やかに、ドラマティックに過ぎてゆくのだった。

10日の任務を終えたしおりは、次は浅草ロック座の前に佇んでいた。
「秘すれば花」という能を題材とした難題が待ち構えている、どうやら臨時教師として送り込まれることも決定しているようだ。
「さあ、次は何が待っているんだろう、ドキドキしちゃう」
一段、一段と確実にしおりは劇場へ足を踏み入れていった。

川崎のお話はこれにておしまい、続きは現在上演中の「秘すれば花2nd」にて新たなご活躍をお楽しみくださいませ。

「終」

(本小説は徳永しおりさん原案の聖ロック座女学園を元に書きました(レポ以外)超ノンフィクションです。敬称略。でもしおりさん達出演の、秘す花はマジでやってますよーーーーーー!!!!!!)


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