【調香師が出てくる映画】小野寺の弟・小野寺の姉
なかなか職業として登場することの少ない調香師ですが、
「小野寺の弟・小野寺の姉」は
邦画で唯一調香師が出てくる作品ではないかと思います。
(他にも邦画で調香師が出てくるのがあったら教えてください)
香料業界に入ってから見た映画なんですが、
予備知識では向井理が調香師の役だなんて知らずに見たので
見ながらめちゃくちゃテンションが上がったの覚えています。
職業あるあるだと思うのですが、
自分の職業がドラマや映画で扱われると、
「いや〜ちょっと違うんだけどな〜」
って、ツッコみたくなるもの。
石原さとみが校閲者を演じた「校閲ガール」も
実際の校閲者から、
なんて記事をネットニュースで見ました。
小野寺の弟の調香師ぶりはリアルなのか?
向井理演じる小野寺進は、入浴剤向けの香料開発をしていました。
なので、フレーバリストではなく、パフューマーになります。
作品中で、営業担当に
「ありがとうの香り」を作れ
と依頼されていました。
なんだ!その抽象的な依頼!!
と言いたくなるところですが、これ、実はリアル。
実在する食品の香りを再現することの多いフレーバーに比べ、
口に入れないフレグランスというジャンルでは、
このように、イメージを香りで表現することが多いのです。
より芸術的な感性が要求されるわけです。
香水の説明書きでも、なんじゃそりゃ!というのがよくあります。
実際に香水の説明を見ていきましょう。
Abel | オードパルファム/グレーラブダナム
霧、火山、静寂、荒れた山道、微かな光・・・・もはやポエム!
ものすごく複雑そうですが、嗅いでみたくなりますね。
Heretic Parfum | オードパルファム/ベルガムスク
ここのブランドは、比較的ストレートに香調を説明していますね。
Etat Libre d'Orange | オードパルファム/リヤン|なにもない
なにもないんか〜い!!
逆に難しいわ!!
などなど、香水の説明文を読んで、
「ありがとうの香り」が簡単そうに思えてきたところで・・・
小野寺進の職場の様子に注目
大きい机で羨ましい!!
というところ以外は、割と香料会社のリアルを写していると思いました。
それもそのはず、日本調香技術普及協会が専門的なところを監修しているそう。
あちこちスンスンにおいを嗅ぎ回る
花の香りや木の香り、図らずも犬のオシッコのニオイを嗅いで
アイディアを膨らませる小野寺の弟。
これも、調香師のリアル。
実際は、このテーマがあるから嗅ぐ!というのもありますが、
普段から面白そうなもの、目新しい物があったら嗅がずにはいられない。
フレーバリストの場合は、珍しいものがあったら食べる。
特に旅先では普段出会えない食べ物にお目にかかるチャンスが多いので、
積極的に出かけては色々挑戦します。
コロナ禍でそれがしづらくなったのが悲しいですが・・・
向井理は「神の舌を持つ男」で味覚の鋭い役柄を演じてますね。
なんだか、親近感を勝手に感じます。(あくまで役柄なんだけど)
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