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令和6年9月議会 清水彩子の一般質問③【クビアカツヤカミキリ対策を】


普及啓発ポスター(東京都環境局)

【清水彩子の一般質問】
東京都環境局の手引によると、クビアカツヤカミキリは、黒くてつやのある体に、“首”のように見える前胸部が赤いのが特徴の昆虫であり、幼虫がサクラやウメ、モモ、ハナモモなどのバラ科樹木の内部を食い荒らすため、果樹園やサクラ並木等で大きな被害が出ており、2015年に「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)」に掲載されたのち、平成30年1月には「特定外来生物」に指定されました。

令和3年12月議会の一般質問「ナラ枯れについて」と、令和5年3月の予算で、クビアカツヤカミキリについて触れてきました。令和6年5月8日、横田基地の6本の樹木にクビアカツヤカミキリの存在の痕跡が確認されたため、隣接市として、改めてクビアカツヤカミキリの防除について伺います。

【市長答弁】
次に、第3項目について、お答えいたします。
クビアカツヤカミキリにつきましては、サクラやモモ、ウメ、スモモなどのバラ科樹木に寄生し、幼虫が樹の内部を食べて枯らしてしまうカミキリムシであり、平成24年に愛知県で最初の被害が確認されて以降、全国に被害が拡大し、平成30年に「特定外来生物」に指定されております。
これまで、本市内において被害は確認されておりませんが、東京都のホームページによると、近隣市でも被害木が確認されており、対策においては、早期発見、早期防除等が重要であることから、これらの留意点などについて、市ホームページ等により注意喚起をしてまいりたいと考えております。


(清水彩子の再質問)
クビアカツヤカミキリ対策ですが、26市の被害状況を教えてください。

(市の答弁)
26市の被害状況でございますが、東京都環境局のホームページによりますと、平成27年に福生市とあきる野市で初めて被害が確認され、平成31年に羽村市、昭島市、八王子市、令和5年に日の出町、この5市1町で被害木が確認されているとのことでございます。

(清水彩子)
探索法を教えてください。

(市の答弁)
木の中にクビアカツヤカミキリの幼虫がいるか探索する方法は、フラスの確認です。
フラスとは、幼虫が木の内部から押し出す排出物で、木くずと糞の混ざったものですが、幼虫はある程度成長すると、排糞孔と呼ばれる穴を幹や枝に開けて、フラスを外に出します。
幼虫は4月から10月にかけて活動するとされ、6月から9月頃までがフラスを見つけやすい時期であり、樹皮の表面や枝の分かれ目、根元などでフラスを見つけることが早期の被害の発見のポイントとされております。

(清水彩子)
フラスを確認した場合、どのように防除するのでしょうか。
 
(市の答弁)
フラスを発見した場合の防除方法としましては、被害木に薬剤を噴霧して駆除する、踏みつぶす・針金で刺すなど捕殺・刺殺により駆除する、被害木にネットを巻き成虫の拡散の防止する、被害木の伐採・伐根するなどが挙げられます。

(清水彩子)
伐採した木は、幼虫が潜んでいる可能性があるため、必ずチップ化または焼却処分することや、直ちにチップ化や焼却処分ができない場合は、伐採した木材をビニールシートなどで覆い、登録農薬を用いて、くん蒸処理し、木材の内部にいる幼虫を死滅させる。また、残った切り株から成虫が脱出しないように、ネットを被せておくなどの処理が必要であるとされていますが、ナラ枯れにもいえますが、伐倒木・枯損木について農薬でくん蒸するのでしょうか。

(市の答弁)
これまで本市で実施したナラ枯れや松枯れにおける伐採作業におきましては、伐採した樹木は速やかに委託業者が公園等から搬出しております。
また、切り株については、フラスが発生していないか確認を行っており、発生していた場合はネットを巻くなどの対応を図っているところでございます。

(清水彩子)
ありがとうございます。26市で、ホームページに掲載するなど市民に啓発している市はどのくらいありますか。

(市の答弁)
多摩26市のホームページを確認しましたが、クビアカツヤカミキリについての注意喚起のホームページを掲載している市は15市ございました。

(清水彩子)
他の自治体ではどのような対策をしているか教えてください。

(市の答弁)
各市のホームページを確認した範囲でのお答えとなりますが、先程答弁しました注意喚起のホームページの掲載のほか、ある市では堤防沿いの桜並木について、巡回、薬剤散布、捕殺を委託により実施している例がございます、また、他の市では市内の被害木又は被害を受ける可能性のある樹木の所有者又は管理者に薬剤による防除や被害木の伐採に補助金を交付している例がございました。

(清水彩子)
わかりました。道路下水道課が桜の枝を切っている時がありますが、環境課と連携が取れているのでしょうか。伐採の時に目視で気づいたら報告していただきたいなど連携はできているのでしょうか。

(市の答弁)
桜の枝ということでございますので、野山北公園自転車道の桜の木の剪定と思われますが、例年と比較して枯れた桜の木が多かった際には桜の枯れ状況について環境課へ情報提供をしたことがございます。

(清水彩子)
まだ被害がない場所でも、定期的な監視が必要だと思いますが、していただけるでしょうか。

(市の答弁)
環境部の所管の範囲でお答えさせていただきますと、先程答弁しましたとおり6月から9月頃までがフラスを見つけやすい時期でありますので、この時期において、特にバラ科の樹木が多くある公園等について、会計年度職員による遊具の修繕等の際にフラスがないか確認するとともに、除草作業の委託業者や公園ボランティアの方にもフラスがないか可能な範囲で確認いただくことについて相談してまいりたいと考えております。

(清水彩子)
宜しくお願いします。先程、市長答弁で、市民に注意喚起していくとのことでしたが、どのような内容になりますか。

(市の答弁)
市ホームページ等により、クビアカツヤカミキリの特徴、被害の見つけ方、防除方法の例、被害木や成虫を見つけた場合の連絡先等を周知し、啓発・注意喚起を図ってまいりたいと考えております。

(清水彩子)
立川市のホームページには、北関東防衛局からの情報提供(令和6年6月6日付)として、「本年5月8日、横田基地の6本の樹木にクビアカツヤカミキリの存在の痕跡が確認された。予備計画では、6月から8月に殺虫剤を散布し、9月から2025年3月に樹木の伐採や樹木への予防接種を実施する予定。」とのことであるが、武蔵村山市にも情報提供はあったのでしょうか。あった場合、市民に情報提供はしたのでしょうか。

(市の答弁)
本市におきましても、北関東防衛局から立川市と同様の内容の情報提供を受けてございます。
なお、市民への情報提供は行っておりませんが、環境課と情報共有は行っております。

(清水彩子)
わかりました。1回の飛行で2、3キロ飛ぶそうで、年間で生息域も2、3kmずつ広がっているそうです。市民が関心を持つことで早期発見に繋がったり、民間施設やご自宅に桜の木があるお宅もありますので、近隣で被害の情報が共有された場合には市民にも共有していただきたいと思います。生物多様センターのホームページで、令和3年度福生市の公共施設で31本の樹木の被害木に薬剤注入をしたという実績報告を見ましたが、近隣の市の被害について連携はとれているのでしょうか。

(市の答弁)
近隣市の状況については、現在のところ、クビアカツヤカミキリに係る対策協議会などの組織もなく、情報は伝達されないのが実情でございますが、本市としましては、東京都環境局のホームページを確認するなど、定期的に都内の被害状況等を確認してまいりたいと考えております。

武蔵村山の桜

(清水彩子)
宜しくお願いします。市民から通報があった場合、コスカシバの幼虫、ヨコヅナサシガメ、クビアカトラカミキリなど、似ているものもあるようなので、職員で詳しい人がいない場合、判断がつかないかと思いますが、疑いがある場合どのように対応するのでしょうか。

(市の答弁)
コスカシバは、クビアカツヤカミキリと同様にサクラ、ウメ、モモなどの樹木に被害を与える蛾の一種であり、見つけたら駆除して差し支えないものですが、クビアカツヤカミキリのフラスが明るい色で木屑を多く含むのに対し、コスカシバのフラスは暗い色で糞が多いとのことでございます。
ヨコヅナサシガメの成虫は、横綱の化粧まわしに似た白と黒の縞模様の出っ張りが腹部にあることが特徴であり、他の昆虫の体液を吸う肉食性のカメムシの一種ですが、人を指すこともあるので触らないようにとされております。
クビアカトラカミキリの成虫は、上翅にクビアカツヤカミキリにはない黒と黄色の縞模様があるのが特徴であり、ケヤキなどの伐採木に寄生するとされております。
これらの特徴については、職員間で共有を図り、また、可能な範囲でホームページ等にも掲載してまいりたいと考えております。

(清水彩子)
宜しくお願いします。外来生物法で採取したクビアカツヤカミキリを飼育したり、別の場所に逃がすことは禁止されていますが、どのような罰を受けることになるのでしょうか。

(市の答弁)
「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」におきましては、クビアカツヤカミキリを含む特定外来生物について、ペット等の目的で許可なく飼養等をした場合の罰則として、個人の場合、最高で1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、法人の場合は、5千万円以下の罰金が科されることが規定されております。
また、許可なく野外に放った場合の罰則として、個人の場合、最高で3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、法人の場合は、1億円以下の罰金が科されることが規定されております。

(清水彩子)
意外と罰則があるので、注意していただきたいと思います。
クビアカツヤカミキリは、入れない、捨てない、拡げないが大事と言われています。武蔵村山市の樹木の保護をするため、早めの防除をお願いします。以上で3項目めの質問を終わります。

【東京都環境局HP】
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/400100a20191204115758336

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