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子宮頸がん検査でひっかかった!!
銀座にある産婦人科THIRD CLINIC GINZAの院長の三輪綾子です。
子宮頸がんの検査を受けたがまさかの要精査で結果が返ってきた。そんなときは慌てずにまずこの記事を読み、近くのクリニックを受診するようにしてください!
子宮頸部異形成(しきゅうけいぶいけいせい)とは?
子宮頸がん異形成とは、子宮頸部の細胞に異常な変化が見られる状態のことを指します。これは 「前がん病変」 とも呼ばれ、放置すると一部のケースで子宮頸がんに進行する可能性があります。しかし、異形成の段階では がんではなく、適切な管理を行えば自然に治ることもある ため、早期発見と経過観察が重要です。
いわゆる、「正常」と「がん」の間のグレーゾーンのことです。いきなり「がんと診断されたわけではないのでご安心区ください。
子宮頸部異形成の原因
主な原因は ヒトパピローマウイルス(HPV) の感染です。特に、発がん性の高いHPV(16型・18型など)に長期間感染すると、異形成が進行しやすくなります。HPVは性行為を通じて感染するため、性交経験のある女性の多くが一度は感染するといわれています。
もうすこし細かい話をするとHPVは200種類以上あると言われ、その中でも14種類がハイリスクHPVといわれ、がんになるリスクのあるHPVになります。
その14種類の中でもさらに発がん性の高いHPVが16型と18型になります。
感染した状態が持続すると異形成からがんに進行していきます。
異形成の分類(CIN分類)
異形成(グレーゾーン)の程度は「CIN(Cervical Intraepithelial Neoplasia)」という分類で3段階に分けられます。
CIN1から3に向けて少しずつ進行している状態になります。
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症状
異形成自体には 自覚症状がほとんどありません。そのため、定期的な 子宮頸がん検診(細胞診・HPV検査) を受けることが早期発見に重要です。
診断方法
子宮頸がん検診(細胞診)
子宮頸部の細胞を採取し、異常の有無を確認。
HPV検査
発がん性HPVの感染をチェック。
コルポスコピー(拡大鏡検査)
異形成が疑われる場合、詳しく調べるために実施。
組織診(生検)
確定診断のため、子宮頸部の一部を採取し詳しく調べる。
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治療と経過観察
CIN1(軽度異形成)多くが 自然に治る ため定期的な検診で様子を見ます。
CIN3(中等度~高度異形成) の場合、進行リスクがあるため以下の治療が検討されます。
主な治療法
経過観察(定期検診)
若年女性ではCIN2でも自然に治ることがあるため、慎重に経過観察することも。
円錐切除術(LEEP・レーザー・メスによる切除)
子宮頸部の異常な部分を切除する手術。妊娠に影響を及ぼす可能性があるため慎重に判断。
子宮摘出術(まれなケース)
十分に病変を評価できていない場合に検討
予防方法
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)
高リスクHPV(16型・18型など)の感染を防ぎ、異形成や子宮頸がんのリスクを減らす。
定期的な子宮頸がん検診
20歳以上の女性は2年に1回の検診が推奨。異形成の早期発見が可能。
安全な性行為(コンドームの使用)
完全な予防はできないが、HPV感染のリスクを減らすことができる。
まとめ
子宮頸がん異形成は「前がん病変」だが、早期発見で適切に管理できる。
HPV感染が主な原因。多くは自然治癒するが、進行する場合もある。
CIN1は経過観察、CIN2・CIN3は治療が必要なことがある。
HPVワクチンと定期検診で予防が可能。
早期発見と適切な対処が重要ですので、定期的な検診を受けることをおすすめします!