そこには幸せしか存在していなかった
今朝も光溢れる。鳥の声と、貿易風がヤシの葉を揺らす音が混じる、マウイの日常。
常夏のハワイだから当たり前ですが、ここでは年中雪が降らない。
3月の私の誕生日には、母が毎年繰り返す。”3月だというのにあなたの生まれた日には雪が積もるほど降って。子連れで離婚して台湾から帰ってきて、すぐアメリカに移るって決めて。当日は大雪で飛行機が(最寄り空港名古屋から)欠航になったわね、それでもあなたは新幹線で成田まで向かってその日のうちに飛び立った。本当に鉄砲玉みたいなんだから、、。アメリカで最初住んだところはスキーリゾート、雪にまみれることになって。あんな大変な思いをして、、。だからあなたは雪のないところに住むことにしたのね”
雪の降らないマウイに移り住んで6年半。ここのところ、内面のワークを通して浮かんで来るのが雪景色。そこには過去の思い出が強く残っている。もう決して戻ってこないあの瞬間。大変だったことや、苦労したこと。そしてそこまでの思いをして手に入れたものすべてを失ったこと。その喪失感と痛みの強さに、ずっと封印してきた。あの雪の白さ、冷たさ、重たさ。
でも今なら思い出せるかもしれない。そこには真っ白な雪景色の息飲む美しさと、明るい暖炉の火と、温かいお風呂と、笑顔の食卓が、確実に存在していた事を。
そこには、幸せしか存在していなかった。
こうやって私たちは生きて行くんだね。どんなに大変でも、その瞬間には本当は幸せだったって知っているから。
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