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女司祭としてのヴェスタ
ある方から、過去生で女司祭だったことがあると言われて、女司祭、女教皇、High Priestessについて興味が湧いて調べてみた。
久々に、ライダータロットを引き出しの奥から引っ張り出して、II 女教皇を改めてジッと見る。海を背景に、ザクロのタペストリーの前に腰掛けている女教皇。足元には三日月。ヴェールを纏い冠を頭に座った彼女の両端には二本の柱が立っている。黒い柱と白い柱。黒い柱にB、白い柱にJとある。Bは試練、Jは愛を意味する語の頭文字だそうだ。
試練と愛。黒と白。影と光。男と女。そンな二極性の間で、冷静な面持ちのまま均衡を保つ女教皇。
一体どんな文化的背景があるのか、深掘りしたくなったので、chatGPTで質問してみる。
まず、タロットの女教皇の意味に関して、こんな定義が出た。
タロットカードの大アルカナのカードに「女司祭(High Priestess)」があります。このカードは、直感、潜在意識、神秘的な知識を象徴しています。女司祭は目に見えない世界への架け橋としての役割を持つ存在です。
続けて、こんなことも。
「女司祭」は、宗教における聖職者または儀式を執り行う女性の役職を指します。一部の宗教や伝統では、司祭の役割を女性が担うことが許されており、神聖な儀式や祈りを司る存在として重要視されます。
ふむふむ。具体的には?
キリスト教(特定の宗派): 近代の一部のプロテスタント教会では、女性が司祭(牧師や神父に相当)として活動しています。
古代宗教: 古代エジプトやギリシャ、ローマなどでは、神殿で奉仕する女司祭が存在しました。たとえば、古代ギリシャの「巫女(ピュティア)」やローマの「ヴェスタの処女」など。
ここで私の目を引いたのがローマの「ヴェスタの処女」だ。
ヴェスタは小惑星の一つで、ローマ神話の女神でもある。古代ローマにおいては、家庭と炉の女神ヴェスタが崇められていた。古代ローマの人々は、彼女に祈ることで家族の調和と繁栄を願った。ヴェスタはまた、国家全体を一つの「家族」として捉える象徴的な役割をも果たしていたのだ。
ローマの中央広場にヴェスタの神殿と呼ばれる円形の神殿があり、神殿中央には「聖なる炉」が設けられ、ここでヴェスタの火が燃やされ続けていた。神殿で燃えるヴェスタの火は「ローマ国家の永遠の繁栄」の象徴で、火が消えることは災厄の兆しとされたのだ。
この火を管理し、守っていたのがヴェスタの処女と呼ばれる6人の選ばれた処女たちで、火の管理や様々な儀式の執行、聖遺物の保管などを執り行った。
ヴェスタの処女は、男性中心のローマ社会において、稀有な女性のリーダー的存在で、特に宗教的儀式では、男性聖職者よりも上位に位置づけられていた。
一方で、ヴェスタの処女の処女性は、ローマ国家の純潔や安定、繁栄を象徴するものであり、彼女たちが誓いを破ることは、国家全体の不安定を引き起こすと信じられていた。
家父長制だった古代ローマにおいて、女性の純潔が厳格に求められていたことが、ヴェスタの処女崇拝にも垣間見える。
ヴェスタと神殿娼婦は、同じ聖職にあっても、正反対の役割だったと言える。時期も場所も少しズレていて、古代メソポタミア文明、ギリシャ文明に存在した神殿娼婦。その後の古代ローマにおけるヴェスタ。この移行の歴史をもっと深掘りしてみたくなった。
続く