こころほかほかあたたかい町をふりかえる 【こども実行委員とワークショップ①】
新潟の「こどものまち」の名称は「こころほかほかあたたかい町」です。決めたのはこども実行委員。どんなふうに準備をしてきたかを書きます。
多くの「こどものまち」はこども実行委員を募集し、また複数回参加しているメンバーが実行委員として活躍しますが、新潟開催の「こどものまち」は市内の児童養護施設のこどもたちと作りたいと思っていました。施設が生活の場なので集まりやすいという便宜上の理由もあるのですが、養護施設のこどもたちが世の中にはどんな仕事があってどんな仕事に興味があるのかというキャリアをイメージすることが難しいこと、進学という道も簡単ではないことを聞いていたからです。今までの家庭環境というハードシップに加えて何重もの乗り越えていかなくてはいけない壁があるこどもたちです。自分たちのまちを作ってみたい!と手をあげてくれるこどもたちが、社会の仕組み、お金の仕組み、税金について知ること、自分たちの考えたことが実現される成功体験を得ること、この活動を通してたくさんの職種の人と出会うこと、民主的な社会は対話を通して作られると体験すること、そして何より、自分たちにはこどもとしての権利がありそれは絶対に守られなくてはいけないということを感じることに意義があると思ったのです。
約4年前から事務局長(オット)が施設長と構想を練ったり、職員の理解を深めるようミニ・ミュンヘン研究会(著)卯月盛夫先生(著)の「ミニ・ミュンヘン―子どもがつくる、もうひとつの都市」を見ていたのですが、いよいよこどもたちとの活動を始めるというタイミングでDVDをこどもたちと一緒に視聴しました。こんなことを新潟でもやってみたいんだけど、実行委員をやりたい人はいるかな?という声がけに、6歳から17歳までの10人のこどもたちが手をあげてくれました。こども実行委員会の誕生です。
それからは毎月ワークショップを行いました。まちにはどんな仕事があるんだろう。小売業、サービス業、公的な仕事に分類できるかな。税金ってなんだろう、どんな仕組みなんだろうという考えることから始めました。それから、自分はどんな仕事に興味があるんだろうと考え、自分たちのまちに必要な(もしくは欲しい、やってみたい)仕事を整理しました。飲食店で働いてみたい、ゲームセンターのような自分たちのお店をやりたい、税収で支払われるまちの為の仕事も必要と意見がまとまりました。
1)まちのための仕事:銀行、税収管理、警察、清掃、市民登録などを行う市役所業務、ハローワーク。
2)こどものおみせ:こどもギルドと名付けた射的、釣り堀、クエスト、コイン落としのお祭り屋台のようなお店。販売店としては花屋さん、ラムネやさん。
3)飲食店:自分たちで作ったものを販売するのは難しいので、見習い仕事としてのシステムをおとなから提案。プロの飲食店に出店してもらい、こどもは見習いとして働き、参加者も購入できる仕組み。
ここらへんまでは事務局長がワークショップを行っていたのですが、2022年8月からは実行委員長や大学生スタッフもワークショップを行うようになりました。続きは②で!
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