妊娠超初期に海外出張に行った話【妊娠生活】
経緯
不妊治療の末、奇跡的に第一子を授かった臨月の妊婦です。
血液検査で妊娠陽性判定が出たのが4週目、エコーでその姿(胎嚢)を最初に見たのは、5週目のことでした。
俄かに信じられないものの、じわじわと喜びがあふれてきた一方、非常に悩ましい事態にぶち当たりました。
担当している業務で、急遽海外出張に行く必要が出てきてしまったのです。
移植時点ではどうにか回避できる見込みだったので決行したものの、その後のプロジェクトの進捗具合から、どうしても現地へ飛ばざるを得なくなってしまいました。
究極の選択 黙って行くか妊娠カミングアウトするか
妊娠6週目の渡航、行き先はアメリカ西海岸。
どんなに調整し短縮を試みてもフライト時間を含め計5日はかかります。
当時、私は不妊治療をしていることを上司にカミングアウトしていませんでした。
フレックス制でリモートワークも浸透している職場のため、通院もどうにかやりくりできていた為です。
また、ないとは思いつつ、申告することで業務や評価にネガティブな影響が出るのも避けたいと思っていました。
妊娠の件にしても、初期流産のリスクの高い今、伝えるのはリスクが高い。
しかし伝えなければ出張を断る理由もなくなってしまいます。
幸い体調面については、その時点ではつわり等の症状もなく、大きな課題はなさそうでした。
むしろ一番気がかりなのは、お腹の赤ちゃんへの影響です。
ネットで海外の情報も含め入念に調べ、クリニックにも相談しました。
特に往復の飛行機での気圧変化や放射線影響が心配でした。
非常に悩みましたが、この点も直接の影響やリスクは限りなく低いと判断し、腹を括ることにしました。
出張に備えて準備したこと
極力リスクを回避するため、ネット情報などを参考に私なりに準備したのは、主に以下の5点です。
①海外旅行保険の加入
まずは万が一に備え、妊娠中でも加入できるAIGの掛け捨て保険に加入しました。
②現地での緊急サポート体制の確保
いざとなった時に頼れる人を確保しておきたいと思いました。
私の場合、現地に親戚が住んでいた為、連絡が取れる体制を整えておきました。
③出血対策
機内や現地滞在中に流産に見舞われる可能性があるため、ナプキンやビニール袋、替えの下着等を常に持ち歩くようにしました。
④つわり対策
機内の気圧変化や何かをきっかけに、突如つわりが始まる可能性もなくはありません。
マスクやウィダー、アメ・グミ・ガム等の比較的口に入れやすいとされているものを用意し持っていきました。
⑤その他
薬の持参
また、まだホルモン剤の服薬やテープを続けていた時期のため、何かあって滞在が延びた時に備え、クリニックから多めに処方してもらい、持参しました。
フライト座席の指定
飛行機はビジネスクラスでしたが、少しでも放射線リスクを下げたく、機内中央の席を指定しました。
滞在中のスケジュール調整
現地滞在中の予定もできる限りゆとりを持って組み、余計な移動や会食を設定しないよう調整を図りました。
最後は神頼み
出発前に安産祈願に出向き、お守りを持っていきました。
終わりよければすべて良し
滞在中も流石にいつもの出張と同じテンションとはいかず、ずっと気を張っていました。
急遽誘われた現地メンバーとの飲み会で、「お酒好きなのにどうして今日はノンアルなの?」としつこく聞かれるのに困ったくらいです。笑
業務自体は滞りなく進み、無事何事もなく日本へ帰ってくることができました。
帰国後すぐの検診でも元気な心拍を確認でき、本当にホッとしました。
そしてこの出張が、私の出産前最後の海外渡航となりました。
あくまで自己責任で決行したこと、他の人にはあまりお勧めしません。
いざ産まれた後に何らかの影響が分かったとしても、誰も責めることはできません。
今はただ、心身共に健康に産まれ成長してくれることを願うのみ。
いつか子供が大きくなって会話ができるようになったら、「お腹にいた時に一緒にアメリカに行ったんだよ」と、伝えてみたいです。