《美術展》印象派ーモネからアメリカへ展
こんにちは。
Ayaです。
先日東京都美術館で開催中の『印象派ーモネからアメリカへ』展に行ってきたので、その感想を書こうと思います。
印象派展、混雑するだろうから、地元近くの美術館に巡回するときに行こうと思っていたのですが、巡回が来年夏ということで我慢できずに行ってきました。アメリカ人の印象派作品は初めてみるので楽しみにしていました。
中野京子先生の著作であった印象的なフレーズ。
印象派の作品を特に愛好しているのはアメリカと日本。両国とも西洋美術の収集に乗り出したのがやや遅れてしまったためでした。
さらにアメリカでは彼らの作品に影響を受け、独自の印象派の作品を描く者たちも現れてきました。その道程を、
Chapter1 伝統への挑戦
Chapter2 パリと印象派たち
Chapter3 国際的な広がり
Chapter4 アメリカの印象派
Chapter5 まだ見ぬ景色を求めて
と言った展示構成で鑑賞することができました。
お気に入りの作品
(1)『コロンバス大通り、雨の日』(ロバート・ハッサム)
今回の展示ではハッサムとサージェントの作品は必ずみたいと思っていました。サージェントの作品は2、3点しかありませんでしたが、ハッサムの作品は多数鑑賞することができました。
特に気に入ったなのが、雨のボストンの街並みを描いた作品。
この作品を見て真っ先に思い出したのが、カイユボットの『パリの通り、雨』
違いはカイユボット作品は歩行者を、ハッサム作品は馬車や路面電車を主題にしているところでしょうか。
ふと『そもそも光を描くはずの印象派が、なぜ雨の光景を好んで描いたのだろうか』という疑問が湧いてきました。
すぐ思いついたのは、光による水の描写です。
印象派の画家たちは光の描写に苦心してきました。この長年の悩みに打開策を示したのが、モネの『睡蓮』シリーズでした。湖面に映り込んだ光を描いたのです。この打開策は他の画家たちも活用していき、ハッサムとカイユボットはどちらも路面に水たまりを描いています。
※ここからは私の妄想です※
もうひとつ思いついたのは、当時の雨傘の目新しさです。
ヨーロッパでは、いまでも雨が降っても傘をささないひとが多いですが、雨傘が一般化したのも19世紀、つまり印象派の時代でした。印象派の画家たちはパリの都会人ばかりですから、オシャレなグッズとして雨傘を描いたかったのではないでしょうか。
(2)『オパール』(アンデシュ・レオナード・ソーン)
アメリカや日本だけでなく、他国の印象派作品に影響をうけた画家たちの作品も展示されていました。なかでも印象に残ったのたのが、スウェーデンの国民画家ソーンによるこの作品です。
スウェーデンだけでなく、北欧の国々では短い夏を謳歌するイメージがありますが、まさにそのイメージを象徴する作品。
そういえば、今年はSOMPO美術館で北欧絵画の特集展があるので、楽しみです。
モヤっとしたこと
このように展示内容自体には大満足だったのですが、モヤっとしたことがありました。
今回の展示は撮影禁止だったのですが、近くで鑑賞していた女性が撮影しているのを見てしまったことです。
ここ最近、プロモーションの一環として撮影可の展覧会が増えてきましたが、すぐに拡散されることからエコテロリズムにも繋がっているように思われます。明確なルールがない分、モヤっとしてしまったのでした。