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《神話-2》美の女神アフロディーテ


こんにちは。
Ayaです。
前回の《神話》ではゼウスについて取り上げましたが、今日はギリシア神話の人気者・アフロディーテについて取り上げます。

アフロディーテ(ヴィーナス)

アフロディーテはローマ神話ではウェヌスですが、英語名のヴィーナスが有名ですね。
アフロディーテはクロノスが父ウラヌスを倒したとき、ウラヌスの大事な部分(※オブラートにつつんでおります)が海に落ち、その泡から生まれたとされています。ゼウスの娘という説もありますが、こちらのほうが絵になるので好まれたのでしょう。有名なボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』のほかたくさんの作品に取り上げられています。
彼女は"愛と美の女神"であり、たくさんの恋愛話が伝わっています。

カバネル『ヴィーナスの誕生』
ナポレオン3世時代のアカデミーで活躍した画家。当時は絶賛されていたが、死後忘れ去られてしまった。

結婚とアレスとの不倫

彼女がオリュンポス山に現れると、その美貌から多くの神々から求婚を受けます。あまりに彼女がモテすぎたため争いになるのを恐れ、ゼウスは鍛治の神ペパイストス(ウルカヌス)と結婚させました。
ペパイストスはゼウスとヘラの息子(ヘラが単身で生んだともされる)ですが、生まれつき足が悪く、美男ではありませんでした。アフロディーテはペパイストスを嫌い、不倫します。
不倫相手はアレスで、彼もゼウスとヘラの息子でしたが、神々の間でも一・二を争う美男でした。アレスは戦いの神で粗野な性格のため神々から嫌われていたので、すぐ二人の関係はペパイストスに知らされます。ペパイストスは寝台に透明の網の仕掛けをつけ、二人を晒し者にしました。これで溜飲をさげたのか、ペパイストスはアフロディーテと離婚しませんでしたが、アフロディーテはアレスと事実婚状態となります。二人の間には4人の子どもたちが生まれました(愛の神エロスは二人の子という説もあるが、もっと古くからの神という説もある)

ティントレット『ヴィーナスとウルカヌス』
浮気を疑ったペパイストスがアフロディーテを確認に来た。しれっとするアフロディーテだが、間男アレスが隠れている。

ヘルマプロディートス

アレスと事実婚状態となったアフロディーテでしたが、美貌と奔放な性格のため、他の神々とも関係を持ちました。
伝令神ヘルメスとの間にはヘルマプロディースという男の子をもうけました。彼は絶世の美男に育ちましたが、女性を相手にしないと有名でした。ニンフ(精霊)のサルマキスは彼に恋焦がれ、水浴中の彼に抱きつきます。ヘルマプロディースは必死に抵抗しましたが、サルマキスは「離れ離れにしないでください!」と神々(誰に?)に願いました。なぜかこの願いは叶えられ、二人は一体化していきました。ヘルマプロディースは意識がなくなる直前、両親に「ここで水浴する者を同じようにしてください!」と願いました。そのため、ここの水は触れたものは両性具有の体になったといわれています。

スプランヘル『サルマキスとヘルマプロディース』
神話初の女ストーカー?サルマキスの体が引き伸ばされ、顔はわざとわからないように描かれている。

ピグマリオン

さて、話は変わって、キプロス島にピグマリオンという王様がいました。彼は生身の女性を毛嫌いし、理想の女性像を彫りました。彼はこの彫刻に『ガラテア』と名前をつけて、実際の女性のように世話をします。次第にこの『ガラテア』に恋焦がれ離れないので衰弱していきます。この様子を見たアフロディーテは同情し、『ガラテア』に命を吹き込みます。ピグマリオンは晴れてガラテアを妻に迎えることができました。

ジェローム『ピグマリオンとガラテア』
この逸話から女性を自分の理想通りに育て上げようとする男性を『ピグマリオンコンプレックス』という。『マイ・フェア・レディ』のピグマリオン教授はここからきている。

この二人の子孫に、ミュラという女性が生まれました。

アドニス

ミュラはよく「アフロディーテよりも美しい」と噂される美女でした。アフロディーテはミュラに嫉妬し、彼女の父に恋するように呪いをかけました。この呪いのため、ミュラは父に恋焦がれ、正体を隠し父の寝所に通い関係を結びました。やがて妊娠しますが、父に真相がバレて殺されそうになり、逃げ出します。彼女は絶望し、その境遇を哀れに思った神々が彼女を木に変えました。しばらくすると、その木が割れて男の子の赤ん坊が生まれました。この子がアドニスで、アフロディーテが見つけ、彼に恋をしてしまいました。
アフロディーテは甲斐甲斐しくアドニスの世話をしますが、若い彼にとっては束縛のようでした。アドニスは狩りに熱中しており、アフロディーテは狩りは危ないからやめるようにと忠告しますが、相手にされません。

ティツィアーノ『ヴィーナスとアドニス』


一方、長年のアフロディーテの愛人アレスはアドニスに嫉妬します。アレスはイノシシに変身して、アドニスを襲い殺してしまいました。
アドニスの遺体を見つけたアフロディーテは嘆き悲しみました。彼の遺体の血から咲いたのがアネモネの花で、その花言葉は『はかない恋』です。

ピオンボ『アドニスの死』


アフロディーテといえば、『パリスの審判』というエピソードもあるのですが、トロイア戦争で取り上げようと思います。また息子のエロスの妻プシュケーとの嫁姑問題のエピソードも後日、取り上げたいとおもいます。
ヘルマプロディースの話は謎ですね。サルマキスはどの神様にお願いしたのでしょう??もっと怖い絵もあったのですが、自重してこの作品を使わせてもらいました。
ピグマリオンのように、自分の理想の女性を育て上げるというのは、男性の夢なんでしょうか。源氏物語の光源氏も紫の上を幼い時から養育して妻にしてますよね。マザコンとシスコンを超絶イケメンに落とし込んだ紫式部さん、すごすぎる‥(・・;)
アフロディーテとアドニスの関係は有閑マダムと若いツバメの関係でしょうか。"愛と美の女神"のアフロディーテの引き留めにも動じないなんて、アドニスすごすぎん‥?そもそもの神話をみるとアドニスが生まれたきっかけもアフロディーテなので、因果応報かと感じてしまいます。

ギリシア神話の話も2話目が書けたので、マガジン作りました!
今のところ、《聖書》と同じですが、見ていただいたら幸いです。



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