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《世界史》コロッセオの建設
こんにちは。
Ayaです。
前回取り上げたネロの死によってカエサル・アウグストゥスからの直系が途絶えました。ネロの死の直後は混乱に見舞われましたが、かの有名な五賢帝の時代を迎え、ローマ帝国は繁栄の絶頂を迎えることとなります。
さて、ネロの死によって各地の軍団が推戴する皇帝が次々と入れ替わる混迷の事態となりました。なので、この年(69年)は『四皇帝の年』といわれることとなります。
四皇帝の年(69年)
最初に即位したのは、ネロを追い詰め自害させたガルバでした。ガルバは当時すでに60代後半で覇気もありませんでしたが、猜疑心は人一倍強く、人々を粛清したり、ネロ時代の政策を否定するなど逆行的な政策で支持を失い、すぐ叛乱を起こされてしまいます。
最終的には仲間だったはずのオトから裏切られて、殺害されてしまいます。
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ガルバを殺害したオトが皇帝となります。彼はネロに妻ホッパエアを略奪された人物であり、属州時代の善政もあり、人気がありました。しかし、同じく叛乱を起こしていたウィテッリウスは彼の即位を認めず、ローマへの進軍を続けたため、オトは自害しました。
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タキトゥスはその死に様についてカエサルより偉大と称している。
オトを自害させたウィテッリウスはゲルマニア兵を引き連れ、ローマに入城します。
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統治機関はネロ時代のものが機能していたため混乱はありませんでしたが、彼が引き連れてきたゲルマニア兵の横暴が人々を悩ませます。そんななか、ユダヤ戦役で戦果を上げていたウェスパシアヌスが反ウィテッリウスの狼煙をあげます。あっという間に元老院や各地の軍団はウェスパシアクス側に寝返り、ローマも落とされてしまいます。ウィテッリウスは捕えられ、処刑されました。
コロッセオの建設
こうして即位したウェスパシアヌスはボロボロになっていた財政を立て直します。あまりにも細かな財政計画は『吝嗇』と揶揄されたり、重税をかされた属州からも非難轟轟でした。一方で属州出身の優秀な人物を取り立てるなどの改革も行いました。
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吝嗇ぶりは有名で、死後自分の葬儀代を見て度肝を抜かすという寸劇が演じられていた。
彼がもう一つ躍起になって取り組んだのが、ネロの面影を消すことでした。悪名高い黄金宮殿を潰して、パンとサーカスを与える競技場にしてしまったのです。いわゆるコロッセオの建設です。
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ネロの記憶の抹殺は、ひいてはカエサルやアウグストゥスの記憶の抹殺であり、みずから始まる王朝の確立のためでした。
しかし、その王朝はティトスとドミティアヌスの二人の息子のみで終わってしまいました。
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ポンペイの大噴火当時の皇帝。善政をしいていたが、わずか2年で逝去。
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当初は善政をひいていたが、次第に暴政化し、暗殺される。死後記録抹殺の刑を受けることとなる。
今回はここまでです。一年で4回も皇帝が変わるって、どこかの国を彷彿とさせますね‥。
次回は五賢帝について取り上げます。