マガジンのカバー画像

《神話》・《聖書》・《聖人》

43
《神話》と《聖書》、《聖人》で書いた記事をまとめてます。《神話》では主にギリシア神話、《聖書》では旧約・新約聖書のエピソードを取り上げてます。
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

《神話-19》トロイア戦争の女性たち

《神話-19》トロイア戦争の女性たち

こんばんは。
Ayaです。
美女ヘレネーの不倫によって始まったトロイア戦争。多くの女性たちが運命を狂わされました。今回はそんな女性たちをとりあげます。

アンドロマケー

ヘクトルの妻・アンドロマケーは夫の死に嘆き悲しんでいました。それだけでなく、のちの禍根となると、ヘクトルとの子どもまで殺されてしまいます。
トロイア王家の女性たちは"戦利品"として各将に分配されます。アンドロマケーはネオプトレモ

もっとみる
《神話-18》トロイア戦争

《神話-18》トロイア戦争

こんばんは。
Ayaです。
今日はトロイア戦争とその後のオデュッセウスの航海についてまとめます。

英雄アキレウスの死

美女ヘレネーの不倫で始まったトロイア戦争でしたが、ゼウスの思惑通り、長期戦となります。その原因の一つは、アキレウスの戦線離脱でした。アキレウスは総大将アガメムノンと意見が対立することが多く、ある日お気に入りの女捕虜を取り上げれてしまい、キレてしまったのです。ただ帰国はせず、基地

もっとみる
《神話-17》黄金の林檎

《神話-17》黄金の林檎

こんばんは。
Ayaです。
今回から3回にわけて、ギリシア神話最大の戦争・『トロイア戦争』についてまとめます。

黄金の林檎

トロイア王は「今度生まれてくる男子はこの国を滅ぼす」という信託を受けていました。このときに生まれたのが王子だったので、王妃ヘカベーは必死に抵抗しましたが、トロイア王は部下に赤子を殺すよう命じます。部下は王妃の悲しむ姿を思い出して殺せず、山の中に赤子を捨てました。この赤子は

もっとみる
《神話-16》悲劇の王オイディプス

《神話-16》悲劇の王オイディプス

こんにちは。
Ayaです。
今日はギリシア神話最大の悲劇・オイディプスにつたいて取り上げます。

アレスの呪いによって、セメレー(ディオニューソスの母)やアクタイオン(アルテミスの裸を見て殺された人)の悲劇がおきたテーバイ王家でしたが、その悲劇はまだおわりませんでした。

オイディプス

テーバイ王ラーイオスは「子どもに殺される」という予言を受けていたため、子どもを作らないように警戒していました。

もっとみる
《神話-15》ギリシア神話の悲劇

《神話-15》ギリシア神話の悲劇

こんにちは。
Ayaです。
今日はヘリオスの息子・パエトンと、同じような死を迎えたイカロスについてです。

パエトン

パエトンはヘリオスの息子でしたが、彼の友人たちは誰も信じてくれません。パエトンはこれを証明するため、東の果てにあるヘリオスの宮殿に向かいます。ヘリオスは息子を歓迎し、なんでも願いを叶えてやろうと約束します。パエトンは『太陽の馬車』を操縦させてくれとねだりました。ヘリオスは後悔しま

もっとみる
《神話-14》ギリシア神話の悲恋

《神話-14》ギリシア神話の悲恋

こんにちは。
Ayaです。
今日はギリシア神話の悲恋を取り上げます。

エーコー

エーコーはニンフのひとりで、おしゃべりで明るい性格でした。
エーコーたちニンフと、ゼウスが戯れていたとき(今でいうキャバクラか)、へーラーがいつものように浮気調査にやってきます。
ゼウスとその相手たちを逃すため、ヘーラーに声をかけ、取り止めのない話をするエーコー。当然バレており、怒ったへーラーはエーコーに呪いをかけ

もっとみる
《神話-13》エロスとプシュケー

《神話-13》エロスとプシュケー

こんにちは。
Ayaです。
すでに脇役として登場している愛の神エロスと、その妻プシュケーについてとりあげます。

エロス

エロスの出生については2つの説があります。
アフロディーテとアレスの息子という説と、カオス(混沌)から最初に生まれた神という説です。
一般的には前者のほうが有名ですが、私的には後者を推していきたいと思います。後者の説だとアフロディーテの養子ということになりますが、『愛(エロス

もっとみる
《神話-12》ヘーラクレース

《神話-12》ヘーラクレース

こんにちは。
Ayaです。
今日はギリシア神話最大の英雄・ヘーラクレースについてとりあげます。

12の試練

へーラーの狂気によって妻子を殺してしまったヘーラクレースは贖罪のため、ミュケーナイ王エリュステウスに仕えることとなります。
実はこのふたりは親戚にあたり、本当はヘーラクレースがミュケーナイ王になるはずでした。しかし、ヘーラーがヘーラクレースの誕生を妨げたため、エリュステウスが先に誕生し、

もっとみる
《神話-11》英雄と女性たち

《神話-11》英雄と女性たち

こんにちは。
Ayaです。
ギリシア神話では様々な武勇で知られ、人々から英雄と崇められた者たちがいました。
今日から2回に分けて、3人の英雄と、彼らに関わった女性たちについてとりあげます。

王女メディア

テッサリアにイアソンという王子がいました。彼の父は叔父に王位を簒奪され、不遇のなかで成長しました。彼は成長すると、叔父に王位の返還を求めました。当然叔父は彼に王位を返還する気はありません。そこ

もっとみる
《聖書-12》ユーディトとスザンナ

《聖書-12》ユーディトとスザンナ

こんにちは。
今日は前回までの投稿で取り上げられなかったユーディトとスザンヌについてとりあげます。

ユーディト

ユーディトは聖書外典に登場する人物で、時代がはっきりしません。記述からイスラエル人がアッシリアと戦っていたころと推測されます。
ユーディトは裕福な未亡人で、その上美貌だったので、人々の敬愛を受けていました。
アッシリアとの戦いで、イスラエル軍は苦戦していました。その上、司令官ホルフェ

もっとみる
《聖書-11》ソロモン

《聖書-11》ソロモン

こんにちは。
今日はダヴィデ王の跡を継いだソロモンについて取り上げます。

ソロモン王の名裁判

ソロモンはダヴィデ王とバトシバの息子で、崩御直前のダヴィデ王から後継者指名されていました。しかし、ダヴィデ王の死後、異母兄も後継者として名乗りをあげ、王位継承争いが勃発します。彼を倒したことで、ソロモンは名実ともにダヴィデ王の後継者となりました。
神から即位の祝いに何欲しいか聞かれると、ソロモン王は『

もっとみる
《聖書-10》ダヴィデ

《聖書-10》ダヴィデ

こんにちは。
Ayaです。
今日はイスラエルの王・ダヴィデについてとりあげます。

士師たちによって率いられてきたイスラエルの人々でしたが、力強い王をもとめるようになってきました。人々は士師・サムエルに王の擁立を願い出ます。サムエルは王政の問題点を列挙しましたが、人々が聞かないので、神に相談することとしました。神は『わたしがこれから遣わすものを王としなさい』と命じると、ベンヤミン族のサウルが現れま

もっとみる