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ドラマの監修をしたときの話:台本というものを初めて手にして気づかされたこと

アロマテラピーに関するお仕事をしていた頃、ドラマの監修に携わったことがありました。その時に私は初めて本物の台本というものを手にしたのですが・・・

ドラマの監修ってなにをするの?

ドラマの監修とは、ストーリーの中に何らか特殊な要素が含まれるとき、専門的な立場からアドバイスをすること。よく耳にするのは、病院が舞台になる場合は医療監修、地方が舞台になる場合には方言監修がありますね。「監修」とひとことで言っても作品への関わり方はいろいろ。撮影現場まで赴き、俳優さんの言葉や所作に関して直接アドバイスすることもあれば、スタッフさんから電話やメールで問い合わせを受けて回答することもあります。私が関わった作品の場合は、助監督さんから事前に台本が送られてきて、監修が必要な箇所についてメールと電話でやり取りする形でした。

「プラトニック」脚本:野島伸司 主演:堂本剛・中山美穂

広報・PRの仕事をしていたので、情報番組などに関わることは想像していたのですが、まさかドラマ製作に関わることになるなんて、微塵も考えてませんでした。しかも、脚本はかの有名な野島伸司先生。私はちょっとませた小学校だったので、親と一緒に「高校教師」も観ていたし、その後は「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」で窪塚洋介さん演じる佐伯先輩にドはまりしたくちで。そんな方の脚本を監修するなんて恐れ多いと思いつつ、ご相談内容に真摯に応えることが肝要と思い、やり取りをさせていただきました。で、なにを監修したかというと、堂本剛さん演じる主人公が元調香師という役どころだったため、香水が登場するシーンについて監修をさせていただきました。監修をしていると、知識がないまっさらな状態の方から見ると、アロマテラピーや調香の世界ってこんなふうに見えてるんだ😲という驚きがたくさんありました。ある特定の世界の中で一定期間を過ごし、決まりきったhow toを繰り返していると、井の中の蛙になっている自分に全く気づかなくなってしまうことがあります。そんなとき、監修の経験は、自分の中に飼っていた蛙ちゃんに気づかせてくれた貴重な体験だったと思います。


当たり前だけど台本て台詞しか書いてない!でもそこがすごい

監修の仕事をして驚かされたことがあります。みなさん当たり前と思われるかもしれませんが、「台本には台詞しか書いてない」(笑) これって実はすごいことで、俳優さんは言葉しか書かれていないところから、自分の役をイメージし、シーンごとの自分の所作を想定し、現場に行ったら相手役のテンションに合わせて演じつつ、演出家からの細かなニュアンス表現の要望にも応えていく。しかも、今回のように特殊な要素がストーリーに組み込まれている場合は、監修者の意見も反映させなければいけない。これは、本当にすごいことだなと思いました。常に想像力を働かせながら、真摯にリクエストに応えようとする俳優という仕事は、表現者という職人なんだろうなと思います。

いまは、またこんなふうに作品製作に携われたらいいなと思いながら、noteで自身の経験をアウトプットすることを続けています。

執筆者: 谷 綾花/Ayaka Tani (ライター)
PR会社などで多岐にわたるブランドマネジメント業務を経験。会社員として企業のブランドマネジメントに携わりながら、ライター・編集としても活動中。書くことを通して、書籍・映像・音楽など形に残る作品製作に携われたらと思いnoteをはじめました。 [Instagram]atnf428

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