スコーンの豆知識~マナーからクロテッドクリームまで~
数ある英国グルメの中でも不動の人気を誇るスコーン、お好きな方も多いのではないでしょうか。
今回は、私が見たり聞いたり学んだりしたスコーンのあれこれについてまとめてみました。
おやつタイムのお供に、ぜひ読んでみてね!
スコーンの基礎知識
英国スイーツといえばコレ!なスコーンですが、発祥はスコットランドなのだそう。
イギリスに行くとスーパーなどでも手軽に購入することができ、その種類は多岐に亘ります。
ロンドンのホテル等で出されるスコーンは小ぶり、地方のものは大きめ…などの傾向はあるものの、「これが絶対!」というレシピはないのだそう。
サクサク食感のものからシットリしたもの、甘さも様々なので、お気に入りを探してみるのもとっても楽しいです。
これがなくちゃ始まらない!クロテッドクリームのあれこれ
スコーンを食べる際には欠かせないのがクロテッドクリーム。
イギリスでスコーンを注文すると、「これでもか!」というボリュームでスコーンについてくる白いアイツです。
一見すると生クリームのようですが、こちらはよりモッタリしていて、お砂糖を加えていない、牛乳由来のやさしい甘さをしています。
作り方は、脂肪分の多い牛乳を弱火で煮詰めて一晩置き、表面に固まった脂肪分を集めます…ってまさかのオーバーナイト!スコーンより大変なんだなぁ。
手作りは難易度が高く、取り扱っているメーカーさんも限られるため、残念ながら日本ではどこでも気軽に手に入る…という品物ではありません。(ちなみに「日本でクロテッドクリームどうするか問題」には、ツイッターで熱いご回答をたくさんいただいたので、ご興味ある方は覗いてみてね↓)
ですが、クロテッドクリームには、生クリームにもバターにも出せない味わいがあり、スコーンを食べる際にはやっぱり欠かせない存在なのです。
ちなみに、「スコーンにジャムとクリームどちらを先に塗るか」というのは、長年議論が続けられている熱い話題なので、会話の際には注意が必要です。
「クリームティー」って知ってる?
本場イギリスでスコーンを食べてみたいけど、ボリュームのあるアフタヌーンティーを頼むにはお腹もお財布もちょっと厳しい…なんてときにおすすめなのがクリームティーです。
クリームティーとは「紅茶+スコーンのセット」のことで、アフタヌーンティーを提供しているティールームなどではポピュラーな存在です。
アフタヌーンティーほど気張らずに、「ちょっと紅茶とスコーンを楽しみたいな」なんて時にはとってもオススメなので、見かけたらぜひ試してみてくださいね。
スコーンを食べる際のマナー
ここまでスコーンの魅力をお届けしてきましたが、スコーンには一つだけ難点があります…それは、食べにくいこと!!
優雅なティータイムを過ごすはずが、スコーンを食べるうちに手元口元がボロッボロ…という経験は、誰しもが抱えているのではないでしょうか。
折角食べるんだから、少しでもスマートに楽しくスコーンを味わいたい…!というわけで、先日渡英した際、ブリティッシュマナーの講師・フィリップ先生に教えていただいた「スコーンを食べる際のマナー」についてご紹介したいと思います。
~スコーンのスマートな食べ方~
①手で横半分にスコーンを割る
スコーンはパンと同じく「手で食べるもの」なので、必ずしも切り分ける際にナイフを使わなくてもよいのだそう。
②サイズが大きければ、さらに一口大に割る
マナー的には大きな塊にガブッとかぶりつくのはNGです(そうやって食べるのもおいしいんだけどね!)
③ジャムやクロテッドクリームを塗って食べる
はい、これだけ!簡単ですよね!?
私的には「割るときにナイフを使わなくていい」と知ったことで、かなり食べるハードルが下がりました。カトラリーは華麗に扱うのが難しいよね…。
ちなみに、「スコーンにジャムとクロテッドクリームのどちらを先に塗るか論争」ですが、マナー的には「どちらが先でもOK」なのだそう。
しかし依然として「食べてると周りが食べかすでボロッボロになる問題」は解決できていません…。
ところがどっこい、マナー的には「自分のお皿の上なら、どれだけ汚れてしまっても問題ない」のだそうです。
アフタヌーンティーなどで続けて別のものを食べる際には、お皿を変えてもらえばいいとのことでした。
英国マナー、意外と寛容!
ただし、ジャムなどを机の上にこぼしてしまったときは、ナイフですくって自分のお皿の上に乗せておくのがスマートなんだそうです。
これらのマナーは実際にロンドンでアフタヌーンティーを頂きながら習ったものなのですが、その場でも猛烈な「スコーンボロボロ状態」に悩まされたわたくし…
「ウッ…きれいに食べられなくてすみません…」と半べそになっていたところ、先生から大変心強いお言葉を頂きました。
OH真理!!!
そんなわけで、英国紳士が食べてもボロボロになるもの、それがスコーン。きっと女王が食べてもボロボロになるもなのです。いわんや我々をや。
だから大切なのは「口いっぱいにものを詰めない」とか「食べながら話さない」なんて至極基本的な所作なのだと感じました。何事も、基本が一番大切で、そして難しいんですね(急に悟る)。
何よりティータイムは「お茶やお菓子と一緒に、コミュニケーションを楽しむ場」なので、「楽しく食べる」が一番なのだと先生も何度も仰っておりました。
多少のボロボロは自然の摂理だと思って、その瞬間を存分に楽しみましょう!
私の好きなスコーン
とにかく多様なスコーン事情。
マナー講師のフィリップ先生におすすめを伺ったところ、先生は「チョコレート入りのもの」が大好きだと仰っていました。
ほかにもナッツやドライフルーツが入ったもの、全粒粉で出来ているものなど、本当に様々な種類がありますよね。
そんな中で、竹内が(2020年9月現在)一番好きなスコーンがロンドンにあります。
それがこちら、ロンドン郊外のRichmondにあるNewensのもの。
英国菓子Maids of Honour発祥のお店としてツイッターでも何度か紹介しているので、覚えてくださってる方もいらっしゃるかもしれません。
私も元々こちらへは、英国業界の恩師・新宅師匠にMaids of Honourを食べに連れて行っていただいたんですが、それ以上に、スコーンが気に入ってしまって!!!
(写真は名物Maids of Honourとスコーン・紅茶のセットを頼んだ時のもの)
こちらのスコーンはとっても小ぶりで、か~な~りシットリしています。
スコーンといえば口の中の水分全部持っていかれるパサパサしたやつwというイメージをお持ちの方には(そういうのもおいしいよね!)驚きの食感かもしれません。おそらく、スコーン業界(?)の中では、珍しい方。
スコーン自体にもやさしい甘さがついていて、それだけで食べてもとってもおいしい!でもクリームとジャムをつけたらさらにおいしい!紅茶と一緒に何個でも行けちゃう!!という魅惑の一品なのです。
ちなみにお値段もお手頃で(ロンドンのアフタヌーンティーは目玉が飛び出るくらい高価なものがわんさかある)、お菓子やお惣菜とのセットも種類豊富なのが嬉しいポイントです。
歴史ある一軒家のお店は内装も大変素敵で、店員さんはクラシックなメイド服という、ここは天国か!!な空間なのですが、こちらのお店、店舗内は撮影NGなのです…(手元の料理と、入り口のショーケースのみOKとのことでした)
ゆっくりその場の雰囲気やお菓子の味を楽しむことができて、これはこれで最の高なのですが、皆さんに素敵さをお伝え出来ないのが悔しい~!!
旅先で食べたもので、思い出してまた食べたくなるものってそんなに多くないかと思うのですが、このスコーンは日本にいても時折無性に食べたくなるものの一つです。
ここ日本でも、スコーンは手軽に食べられるようになりましたよね。日本にもすんごくおいしい、大好きなスコーンは沢山あります。私はスタバのやつなんかもとっても好きです笑。
ですがやっぱり、イギリスは水も小麦も砂糖も気候も全然違う。
そして何より、あのロンドン郊外の一軒家で食べるという経験を含めて、格別な味なのだなぁと感じています。(余談ですが、欧州やアメリカに長期滞在していると、普段は口にしない甘いものが無性に食べたくなるのなんでなんだろう。そういうことってありますか?乾燥してるとか関係あるのかな笑?)
というわけで、皆さん機会があったら是非行ってみてね!
お店のあるRichmondの町は、緑豊かな閑静な住宅街って感じでとっても素敵で、一日観光にももってこいです。
店舗からすぐの世界遺産、Kew Gardensも見どころ満載だしね~。癒されたいよ~。
なんなら超売れっ子になって、みんなでここに行くツアーとか組んでもらいたいですね~笑。あ~、恋しいなぁ。