
はじめに
本棚に並ぶいくつかの本の中でも、お気に入りの一冊がある。
Tara Books出版の「Origins of Art」という本だ。

『夜の木』や『水の生きもの』などで知られるGond Artの源流を求め、インド中部に位置するパタンガルという村の暮らしや文化について、多彩な写真と文章で綴られている一冊だ。
タイトルの通り、Artのはじまりがキーワードとして纏められているのだが、それらはまさにパタンガルの人々の衣食住、自然の恵み、その地で共に生きている動物、音楽や祭りなどの風習など、生きた暮らしから派生したものである。
そう、Artの中心には人々の営みがある。
・
先日、私が絵を描き始めた経緯について人に話す機会があった。
自分にとっては当たり前になっていて今更話す機会なんてそうなくなっていたけれど、私にとって絵を描く動機がそこにはあった。
それは月日が流れて、つなぐのを忘れてしまっていた導線が結ばれ、久しぶりに回路が繋がった。そんな感覚だった。
私にとっての『Origins of Art』
改めて言葉を用いて、綴ってみようと思う。
2023/5/7
ayaka