シェアハウスの家賃18万円
【あやかんジャーナル 配信3】
Hey! What's up? 岡本アヤカです!
今日はニューパルツで、私が暮らすことになったシェアハウスの大家さんの話をしますね。
大家さんはメリッサ・ナガノさんといって、苗字から分かるように、日系人なんです。アメリカでは人に年齢を訊くのはタブーだから、もちろん訊ねたことはないんだけど、ディナーのちょっとした話の流れの中で、メリッサ先生は43歳なのだと知りました。
なぜ、私が大家さんのことをメリッサ先生と呼ぶのかというと、彼女、ほんとうに先生なんです! ニューパルツ大学で、文学部の准教授なんです。
准教授の先生が、私やジョアンヌみたいな学生と、同じシェアハウスにいるってどういうこと??って、最初聞いた時は、ただただびっくりでしたよ。
聞けば、このシェアハウスはメリッサ先生が買った家だそうで、初めは先生おひとりで暮らしていたのだそう。それが、コロナ禍の4年間でニューパルツ大学も色々と経済的に大変だったそうで、先生は家のローンをひとりでは払えなくなった。それでシェアハウスとして、学生に間借りさせることに決めたのだそうです。
めっちゃリアルな大人の事情だよね。
そんな話を学生の私にディナーの席で聞かせてくれるのだから、アメリカ人って、いったいどれだけオープンなんだか……ちょっと引きました(焦)
しかし、メリッサ先生がオープンなのは、これだけではなかった!
先生は、学生たちの中間試験の問題用紙や、学生から回収した答案用紙なども、リビングのソファーやテーブルに平気で放りっぱなしにするんです。うっかり見てしまったことも、何度もあるよ。「ああ、この人、A取れたんだ。この人はCなんだね」とか、ばっちり見てしまった。
もう、どうしたらいいの!って焦った。
幸い、私の専攻(メジャー)はコンピュータサイエンスだから、メリッサ先生の文学の授業を取ることはない。だからCheating(日本語でカンニング)みたいな状況になってしまわないことが、せめて良かったです。
ちなみに、ハウスメイトのジョアンヌの専攻(メジャー)は、教育学と経営学なんです。大学の中にも、ダブルメジャーをしている学生は、なかなかいません。受ける試験も、出される宿題や課題も、倍になるからね。さすがは頭の良いジョアンヌだけあって、多いタスクを易々とこなしてるみたい。すごい子とハウスメイトになったもんだなと、改めて思うよ。
そんなわけで、私もジョアンヌも、文学部とは関係がないから、メリッサ先生がどんなに学生のプライベートな成績が載った答案用紙をリビングに放り出していても、こちらはセーフってことです。
それにしても、准教授と学生がひとつ屋根の下に暮らすのは、初めのうちは慣れなくて、想定外に緊張しました。普通の「大家さん」だと思っていたのに、先生だったなんてね。
けれど、そこはアメリカ人の感覚というか、ジョアンヌはさほど気にしてもいないみたいなんです。彼女いわく、
「べつに、あたしの学部と関係ないし~。もし、あたしがメリッサ先生のクラスを取ったとしても、そこはほら、向こうは准教授なんだし、平等に接してくるはずでしょ」
なんて、冷静に言ってます。
まぁ、ジョアンヌの言うことが正しいかもね。
メリッサ先生があまりにもガサツだから、ちょっと写真を撮らせてもらいました。こっそり撮ったんじゃなくて、いちおう先生に許可を取って、ソファーに散らばっていた本を、私がカッコよくアレンジして撮りました。文学部で使う教科書らしいです。
メリッサ先生のことはともかく、私たちが暮らすシェアハウスは、とても広いんです。リビング、ダイニングに大きなキッチン。バスルームには、顔色を美しく見せる丸いライトが何個もついた洗面台。そしてバスタブも深くて、日本のお風呂と変わらないくらいゆったり入れます。
2階にはベッドルームが4つあって、メリッサ先生と私とジョアンヌが1部屋ずつ使っています。そして廊下の突き当りに、もうひとつ角部屋があって、そこはなぜかいつも空き部屋になっています。
家の外には広々とした白いテラスがあって、外用に使うガーデンソファーなるものが、テラスに置いてあります。そこに座って眺めるお庭はきれいで、なんて贅沢なんだろうと思います。
これじゃあメリッサ先生が、ひとりでローンを払えなくなるわけだ。なんて、思ったりして。
私が毎月シェアハウスに払っているレント(家賃)は、1400ドルです。日本円にすると、だいたい18万円前後になるのかな。ニューパルツでは平均的なシェアハウスの相場らしいです。独り暮らしのアパートだったら、もっと高い。これでもニューパルツは田舎だから、マシな方です。ニューヨーク・シティだったら、この倍は行くでしょう。
アメリカの地価と物価は、日本人の私からしたら、あり得ないと思うほど高いです。
シェアハウスの写真をアップしたいのだけど、「それはやめて!」とメリッサ先生から止められてしまったので、肖像権フリー素材から選んだ、うちの家と似た雰囲気の画像をあげておきますね。
ね、きれいなおうちでしょう? 中も広くて、家具もとてもきれいなの。
もう少し、レントが安ければ最高なんだけど……。