フランスの暴動について

いま、フランス大統領のマクロンの演説をテレビで観ながらこれを書いている。

ここ最近のフランスでの暴動は、日本でもさすがにニュースになっているようでSNSなどで私の安否を心配してくれるメッセージも受け取るようになった。

私はパリ郊外に住んでいるので、あんまり影響はない。そして土曜日はどこの交差点が封鎖されてるかわからないので、車で外出しないようにしている。

もともとこのデモと暴動は、政府がガソリンの料金を上げることがキッカケだった。それに反対する国民らが交通事故などの時に着る蛍光黄色のベスト(ジレ・ジュン)を着て、大きな交差点を通る車をブロックするというデモがスタート。

それがいつのまにかパリを中心に一部、車を炎上させたり店をぶっ壊して盗みを働いたりとむちゃくちゃなことに発展している。

状況を私の周りで聞いただけで紹介すると……

土曜のパリは(基本、このデモが起きるのは土曜日限定)デモが起きやすい広場近くでは、火薬だかガスのような匂いがただよっていたり、騒ぎが家の中にいても聞こえてくるとか。

主要なデパートやブティック、シャンゼリゼのホテルなどは軒並み閉店、一部の道は封鎖。


近くでリアルな状況を見ていないし、近寄らなければ危険は避けられるから危機感はないのだけれど

正直な心境は、あー、また燃やしてる。あー、また暴れてる。

という具合。

新しくもなんともなくて、なんかのひょうしに不満がパリの路上で爆発して、例のごとくリアル炎上してる。

いつものこと。よくあることがまたはじまっちゃったね、なのだ。

このデモの焦点はつまり国民の「給料が低い」という不満らしい。

それを暴動でなくあくまでデモで訴えたい人たちが大半だと思うのだけど、火をつけるバカや、文化遺産を汚したり壊したりするバカ、店をぶっ壊して盗みを働くバカ、それにフランスの「権利」をはき違えたバカたちの暴動が目立ち過ぎてる。

それにしても……

マクロン大統領の演説によると

「このデモと暴動を受けて2019年から最低賃金を100ユーロあげる」とか言ってる!


対応が信じられないくらい早い。なにこれ。

日本じゃありえない、デモ→国が変わるという瞬間をこうして目にしてまたひっくりこけそうに驚かされてる。

この演説を受けてリポーターが街のデモ隊にインタビューしている映像が流れてきた。それによると

「それじゃ全然足りんわ」「全く納得いかない!」とのこと。

あんたたち、どんだけ望むのよ!なんか、チョコレートをねだるワガママな子供に見えてくるわ。

一体なんなんだこのフランスという国は!

国民が、大統領、国を動かして変えることができると見せつけられて、日本のことを思わずにはいられない。

日本はせいぜい、ネットの中だけで炎上するオンライン・炎上だけじゃないだろうか。最近はちょっと変化もあるようだけれども、基本は各々が日々の欲求不満を発散できる場もそうなくて、病んだり腐ったりそれが飛び散って他人の不倫に騒いだりする。

路上でしょっちゅう怒ってリアルな炎上を起こすフランス人たちを見てると、たしかに、リアルな火をつけると怒りは発散できるよな、と思う。

まあ、どっちもどっちだけど、いつもどおり思うのは相変わらず日本とフランスの違いすぎる点や、ちょうど真ん中くらいの国があったらいいのになぁ、という夢のような考えなのであった。



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